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第105話 食ためなら例え火の中水の中!!

 お待たせしました。久しぶりの投稿です。

 ラストスパート! がんばれ作者!!


 ダンジョン。その中層・・地下50階。


 どうも。いつもより神経を使ってる雪菜ちゃん(永遠の14歳)です。


 いやー、大変だったダンジョン攻略もようやく半分ですよ。

 ここまで長かったなー。

 え? 異例の早さ? そりゃぁこっちも本気ですし。


「よっ! ほっ! はっっ!」


 跳び回ったり、飛び回る。

 空中にバリアーを発生させ足場にし、風系魔法で体を浮かす。


 何でこんなことしてるかって?


「ェエエエエエエエエエエエエ!!」


「シャアアアアアアアアアアアア!!」


 体に巨大蛇を巻き付けた女巨人に追われてるからだよ!



『〈ジャイアント・オフュカス〉……帝都ダンジョン地下50階に生息する裏フロアボス。特定条件下で出現。通常種の10倍の大きさを誇る』



 オフュカスってのはあれだ。蛇使い座のことだ。

 この階層は広大な森なんだけど、様々な魔物以外に蛇を体に巻いた女型の魔物が登場するんだ。それを一定数以上狩ると裏ボスが出てくる仕様らしい。なので、狩って狩って狩りまくった。


 すると現れたのが某巨人&巨大蛇。

 強いね。普通の冒険者が戦いたくないって思うのも無理はない。


「しかし! 私は敢えて挑んで見せるぞ!」


 魔力を纏わせたハルバードを構える。

 ギルドでオマエの情報を知ってからずっと狙ってたんだ――蛇の方!!



「絶対、絶対……巨大蒲焼きにして喰ってやる!!」



「ェエエッ!?」「シャアアアッ!!!??」


 急に怯えた表情となる女巨人&巨大蛇コンビ。

 フッフッフ、今更格の違いを理解したのかな?



『〈表情の変化〉……生まれて初めて捕食者の目を向けられ、本能的な恐怖を感じたから――特に蛇の方』



 やかましいわヘルプ。

 今度ちょっとしたお祭りがあるらしいし、そこで孤児院の出し物として出すんだよ。もちろん有料でな! 匂いの暴力を市民にぃ!


「まずは女巨人、テメェからさっさと首を落としてやる」


 オマエはさすがに食えん。


「ェエ、ェエエエエエエエエエ!!」


 必死の形相で拳を叩きこもうとする女巨人。巨大蛇の方もただ見てるだけじゃなく、私が避けること前提でいつでも襲えるよう狙いを定めている。


 少し前の私なら苦戦しただろうけど……


「遅い」


 ザシュウウウウウウ!と、突きつけられた拳に合わせて前方に踊り出し、かすめるようにギリギリの回避をする。その際、ハルバードに込められた炎を収束させた斬撃で巨大な腕を切り裂く。


「――ッッッ!!?」


「まだまだ、だぞ? ……『加速』」


 横から襲い掛かった巨大蛇を無視して、女巨人の後方――死角へ。

 バリアーを作り出して足場にしたら、そこを蹴って首の真後ろへ。


「『戦技:獄炎斬』!」


 先程以上に炎を収束させたハルバードが女巨人の首を半ばまで切断。追い打ちを掛けるように切断面から爆炎が吹き荒れ――女巨人は悲鳴すら上げられず、永遠に沈黙した。


「シャ、シャアアアアアアアアアアァァァァァ!!」


 相棒がやられたことで急いで巨体から離れ、逃走する巨大蛇。

 蛇のクセしてすっごい必死なのが分かる。


 だけど悲しいかな。

 その速度は巨体に見合っているとは言えないほど遅くなっていた。自分の体の変化に蛇本人も困惑しているよう。


「私が、何の意味も無く逃げ回るわけないじゃん?」


 ここまで敢えて加減していた、別方面の魔力を増幅させる。


「解放『アイス・フィールド』」


 瞬間、周囲が一気に白の世界に早変わりする。

 巨大蛇の体に薄らとあった霜が徐々に目立っていき、それと平行して巨大蛇の動きが鈍くなって――ついには動かなくなった。


「蛇は変温動物だから寒さで動きが鈍くなるって本当だったんだなー」


 地上に降りた私はゆっくりと巨大蛇に近づいていく。

 極端に動きが鈍くなっているにも関わらず、それでも逃げようとする巨大蛇。


 そんなに蒲焼きになるのが嫌と申すか……


「ま、逃がさないけど。『アイス・ロック』」


 巨大蛇の動きを封じるよう、その体を魔法の氷が地面に固定する。

 逃げられないことを悟った巨大蛇の目は死んでいた。


「『インビジブル・エクスキューション』」


 風系魔法を収束して作り出した巨大な斬首刃の位置を調整しながら、思い残すことが無いよう巨大蛇を安心させる言葉を送る。


「安心しろ。必ず美味しく調理してやる」



 ――どこが安心できるんだそれ?



 そんな巨大蛇の幻聴が聞こえたけど……気のせいだな!




◇ ◇ ◇ ◇ ◇




「というわけで、孤児院の出し物は予定通りジャイアント・オフュカスの蛇を使った蒲焼きに決定しました」


「どういうわけだ」


「つきましては、炊き立てのゴハンを提供できる人に心当たりってあるかな? うな重ならぬへび重ってのもありだと思うんだぁ」


「話聞けよ」


 ところ変わって冒険者ギルド。

 ギルマスのゴルガーさんと話し合いの最中です。


 帝都ダンジョン中層地下50階に到達したことの報告と、その証明であるジャイアント・オフュカス――の人型の方を提出しに来たわけだ。

 ついでに、蒲焼きの件も。


「いやー、忙しいところに来たみたいで悪いですねー」


「誰のせいだ、誰の。ジャイアント・オフュカスの素材ってだけでも貴重なのに、女巨人の方が丸々1匹だぞ? 解体現場が大混乱になったじゃねーか。もう少し、こう、小出しにするとか出来なかったのかよ?」


「魔物とはいえ、あんなデケェ人型をアイテムボックスの中にいつまでも入れたくないっす。早く処分したいっす」


 ゴブリンやオーク、オーガもだけど、加工していない人型魔物が入っているのって生理的嫌悪感があるんだよね。

 ギリでオークは豚肉だからOKだけど。


「それでジャイアント・オフュカスの蛇の方は、オマエさんが調理するトキに解体するから、素材は祭りのあとで提出ってことでいいんだな?」


「うん。特に頭の方は証拠として展示するんだー」


 すでに血抜きは終えてアイテムボックスに眠ってる蛇肉だけど、頭の部位も腐りそうな箇所を取り除いて、天日干しして、蒲焼きイベントの目印として外に出す予定だ。「皆さんが食べてるのはこの蛇ですよー」てね。


「それなら目玉だけは丁寧に取ってくれ。アレは素材として価値があるからな。商業ギルド辺りが高値で取引したがるはずだ」


「了解。他に何かある?」


「あとは事務的なものになるな。まずは時間が空いた時にオマエの判断でCランク昇格試験を受けられるようになった。かなり早いが……地下50階までダンジョンを攻略するまでにギルドへ提供した素材の多さと、冒険者としての依頼の達成状況から受けても良いと判断したしだいだ」


 ダンジョンに潜る以外でも、ちょくちょく依頼をこなしたりしたからな。いつの間にか試験を受ける資格を得たらしい。


「うーん、Cランクかー。あれって実力だけじゃなくてマナーとかも見るんだっけ? 貴族から指名以来とか出たりする関係で」


「一応ギルド主催でマナー講座をする時もあるが……オマエの場合、知識はあるからあとは実践でやれるかどうかの問題だと思うぞ? 実力は言わずもがな、何人か大人相手に練習すれば試験も1発で合格できるだろ」


「そういうもんかね?」


「そういうもんだ。冒険者の中には2度、3度と試験を受ける奴だって普通にいるんだ。落ちても恥じゃない」


 そもそも普通の冒険者は貴族にも通じるマナーに触れる機会事態が極端に少ないから、どうしてもCランク昇格試験は合格ハードルが高くなって、毎年たくさんの人が落ちることになる。1発で合格できる冒険者なんてマナーに触れることが多い人か、講座とかにマジメに出る要領の良い人ぐらいらしい。

 歴代Sランク冒険者だって、1発合格は少ないとか。


「あとはお仲間の、リルって子だったな。あの子を推薦してくれそうな貴族と渡りが付いたから、近い内に冒険者になるための試験ができそうだ」


「おおぉ!」


 前に相談してたリルの冒険者登録がついに!


 年齢が達してない子供が冒険者登録するには、貴族などの信用できる人物からの推薦と試験が必用ってことでゴルガーさんにアテがないか調べて貰ったけど……そっかー、ついに。


「貴族としての位は低いが信用できる人物だ。その人とギルマスであるオレからの共同推薦なら問題ない。推薦に関する難しいアレコレはもう少し話が纏まってからでいいか? しばらく帝国を開けていたから仕事が溜まっているらしくてな」


「モーマンタイ(問題ないよー)」


 最近、リルも暴れられないからかウズウズしてるからな。

 冒険者になれば、ステラと交代交代でダンジョンに一緒に潜るのもアリだと思う。連係の練習にもなるしね。



 以前ご指摘で「説明が長すぎて飽きる」との意見を貰えましたので、できるだけ長くなりすぎないよう心がけました。


 作者の新作短編『【短編】生きた状態でも放り込めるアイテムボックスを貰ったけど、気がついたらとんでもないことになっていました……』も投稿していますのでよろしければどうぞ。

 ……いや、予想以上に反響があってビビってるんですよ。

 アクセスや評価がドーンッ!と増えてて。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 更新感謝
[一言] 蛇で蒲焼きを作ろうとは、さすが永遠の14歳(笑)ユキナちゃん! ヤることが大胆!
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