ゲーム3本勝負−前編−
ここは誠の住んでいるマンションだ。
このマンションの3階に誠の部屋がある。
「綺麗なお部屋ですね!」
誠の部屋に入ると唯がはしゃぎだした。
幽霊になってから初めて人の部屋に入ったからだ。
それにしても綺麗だな。 男の部屋に見えないくらいだ。
「汚くてすみません」
「そんなことないよ。逆に綺麗すぎだ」
テレビの周りには沢山のゲーム機やゲームカセットが置いてある。
「では。ピロピロクエストを賭けて、3本勝負です!」
「やってやるぜ!」
「が、頑張ってください!」
「では。一本目のゲームは、ストーリーファイターです!!」
説明しよう!!
ストーリーファイターとは、2人用格闘ゲームだ。
キャラクターは30人。 コマンドによって強力な技がだせるのだ。
「悪いな。このゲームはやり込んでいたから、1本目は俺がもらったな」
「先輩。やり込んでいたのは僕も同じです。1本目は僕がいただきました」
「お二人共怖いです」
唯が端っこで呟いた。
「俺は当然リョウだな!」
「先輩はリョウですか。僕はガエル少佐を使います!」
俺が使っているリョウは、コマンドが多くてダメージがでかい上級者向けのキャラクターだ。
一方、誠が使っているのはガエル少佐だ。ガエル少佐は、コマンドは少なく多彩なコンボが繰り出せるオールラウンダーなキャラクターだ。
俺と誠はキャラクターを選び終わった。
するとゲーム内のスタート音がなった。
「さあ先輩。僕のガエル少佐の強さを感じてください!」
「いいや。俺のリョウの強さを味わうがいい!」
両者攻撃せずに、にらみ合っていた。
「じゃあ、俺からいくぜ」
リョウはガエル少佐に接近して技をだした。
「くらえ! 『上龍拳』!!」
ガエル少佐は上龍拳をくらい宙に浮く。
「やりますね。 なら次は僕がいきます!」
ガエル少佐は受け身をとり、リョウめがけて技を放った。
「『ゾニックブーム』!!」
「しまった」
ゾニックブームをくらいリョウは吹き飛ぶ。
「これならどうだ! 『馬動拳』!!」
「くぅ。ならこちらも! 『ソマーソルト』!!」
体力ゲージは両者同じ。
ここでカタをつける!
「まだまだいきますよ!!」
ガエル少佐はリョウに接近してきた。
「いまだ!!」
リョウはしゃがみこんでガエル少佐が近づいてきた瞬間、必殺技を放った。
「くらえ!! 『滅・上龍拳』!!!」
「ば、バカな!」
ガエル少佐の体力ゲージが全てなくなった。
「一本目は俺の勝ちだな!」
「やりますね。でもまだありますからね」
「さすがです!」
怖がっていた唯も熱くなっていた。
一本目の勝者、山波陽介