新人社員歓迎会−後編−
やばいよやばいよ。
俺はすごく緊張している。心臓が爆発しそうだ。
社長が新人社員達にお祝いの言葉をいっている。
その後、新人社員達が自己紹介をしてその次に俺が新人社員達に一言言って乾杯をする。
一言と言うもののちゃんとしたことを言わなくてはならない。
俺は人前に立つのがとても苦手なので、焦っているのだ。
だって恥かきたくないもん!
「おい、山波。さっきからどうした?
表情をコロコロ変えて。具合でも悪いのか?」
そう悠斗が聞いてくる。
「べ、べつに」
俺は強気になった。
「怖くなんてないからな!」
「わかった。怖いんだな」
「ち、違うしー」
俺はめっちゃ汗をかいた。
「ま、安心しろ!俺がいいこと言わせてやるよ」
心配なんだが。
こいつに賭けるしかない。
そしてついに・・・
「では、次に山波陽介よりお言葉をいただきます」
「お!ついに俺の出番だな!」
やばい!!
足が震える!!
俺はマイクに近づき、新人社員達の方を向いた。
「山波。俺に合わせろよ」
た、頼む悠斗!!
「えー、この度はおめでとうございます」
「えー、こ、この、この度は、おめ、おめでと、おめでとうございます」
「これから我々と一緒に頑張りましょう!」
「こ、おれか、これから我々と、一緒に、頑張りましょう」
「えっと、この後なんて言うんだっけ?」
おい!!
はやく!!
何もないの!?
数十秒の間があった。
俺は頭が真っ白になった。
「あ!乾杯!!」
「か、乾杯」
「「「乾杯!!」」」
よかった~終わった。
足に力がはいらない。
「がんばったね!山波くん」
と澪が言ってきた。
「俺のおかげだな!!」
と悠斗が言った。
ああ。そうだな。
俺はその後歓迎会を楽しんだ。
その帰り
「ま~たくも~やってらぁんないっすぅよ~」
俺は酔いまくったので悠斗がひきずって帰ったらしい。