幽霊屋敷からの通勤
「あの、起きてください」
「う~ん。今起きるよ」
俺は琴坂唯に起こされて、自分の部屋から斜め前の大広間に行った。
「おはようございます。陽介さん」
俺に挨拶をしてくれた人は、酒井啓子さん。
啓子さんはすごーーーく料理が上手なんだ。
ちなみに、俺の好みの女性だ。
「おはようございます。啓子さん!!」
そう言って俺は、大広間の真ん中の椅子に座った。
テーブルの上には朝食が置いてある。
今日の朝食は、スクランブルエッグ、レタスとトマトのサラダ、ウィンナー、コーンスープ、ヨーグルトだ。
すごく美味しそう。
「いただきます!!」
そう言って俺は、スプーンでスクランブルエッグを口に入れた。
な!?こ、これは!?
口に入れた瞬間にとろけるような食感、卵の甘い味とチーズの強い味がちょうど良く混ざっている!!
「美味しい!!」
「それは良かったです」
その後も、どんどん食べていき朝食を済ませた。
そして俺は、荷物をまとめて、スーツに着替えて、自転車で会社に向かった。
会社に着いた俺は、エレベーターで4Fに上がった。
「おはようございます!!」
俺は、社内の人達に挨拶を済ませて、自分の所に行った。
リュックサックを椅子にかけて、パソコンを起動した。
「おはよう。山波くん!!」
そう俺に挨拶したのは、内田澪だ。ちなみに内田は俺と同い年だ。
「おう。おはよう」
「今日も頑張ろうね」
「もちろん」
「おはようございます。山波先輩!!内田先輩!!」
とそこに、後輩の椎名誠が来た。誠は22歳と俺らと2歳下だ。
「おはよう。まこちゃん」
誠のあだ名は「まこちゃん」なのだ。ま、俺は「誠」と呼んでいるけどね。
「おはよう。で、どうした?」
「はい、今年も新人社員歓迎会を開くそうで、その歓迎会で新人社員達にむけて一言言っていただく役目が山波先輩になりました」
「え!?まじか」
「おお!!山波くん頑張れ」
そう、毎年この時期は新人社員歓迎会が開かれるんだ。
誠も去年、新人社員歓迎会で新人社員としてでたばっかなんだ。
そしてその歓迎会で、毎年新人社員達に一言現役社員達が言っているのだが、まさか今年は俺になるとは思っていなかった。
うわ、緊張してきた。
「先輩の素晴らしい一言、期待してますよ」
頼むからハードルをあげないでくれ。
はぁ~、考えなきゃ。