魔法とか魔物とか
読んでくださってありがとうございます
補足として
「」←会話で
〔〕←念話の様な扱いです
精霊との契約を終えたあと、気絶した状態から少年は目を覚ました。
〔やあ、目をさましまかい?〕
〔うわ!なんだ!〕
〔ひどいな、契約が無事に終わったから話しかけてるんじゃないか〕
〔そ、そっか、〕
頭から直接響く声に少年は驚くが精霊は御構い無しに話し続ける。
〔とりあえず、君が契約してくれたおかげて僕は消えずにすんだよ。ありがとう。〕
〔お、おぅ〕
〔ところで君の名前は?〕
〔俺は……ライズ、ライズっていう〕
気絶する前に見たステータスの名前の欄に書いてあった内容を思い出し精霊に告げた。
〔そうなんだ、これからよろしくライズ。僕の名前はディジェスって言うんだ。〕
〔おう、よろしくなディジェス。〕
ライズとディジェスは自分達の名前を教えあうとこれからの事について話し始める
〔ところでライズ、これからどうするんだい?〕
〔これから?ていうか聞きたいことがあるんだけど〕
〔なんだい?僕に答えられることだったなんでも教えるよ!〕
ライズがディジェスに質問をするとディジェスは少し喜色を浮かべながら聞く。そんなディジェスの反応にライズは質問されるのが好きなのかと思いながらも言った
〔実はさ、俺記憶が無くてここがどんなとことか、なにがあるのかとか、色々わかんない事があるんだ〕
そんな話しからライズはディジェスにディジェスと会う前の事を話し始めた。それを真剣に聞き、聞き終わった後にライズに話し始めた
〔んー、今の話を聞いていると、ライズは異世界から迷い込んだかもしれないね。〕
〔異世界?〕
〔そう、稀になんだけど異世界から飛ばされてくる人間がいるんだよね。大抵そう言う時は外の世界で勇者が生まれたりとか魔王が復活したりした時だからもしかしたら外の世界ではそう言う事が起きてるかもしれない〕
〔でも、それだけで理由になるのか?〕
〔それは建前、ほんとは別の理由さ。といっても簡単でライズがステータスを知らなかったのが一番な理由さ〕
〔どうして?〕
そうライズが言うとディジェスはしばらく間をとった後はなしはじめた。
〔この世界、アーカイブに住む種族は皆生まれた時からステータスの存在を本能的に知っていて、それを知らない事は基本的に無いからだよ。例え記憶を無くしていてもそれだけはほとんど忘れないって言うルールみたいなモノがあるからさ。〕
〔そうなのか…〕
〔そうだよ。それにライズが本当に知らなかったのが僕達精霊にはわかるからさ〕
〔それは凄いな〕
ライズはそれを聞くとディジェスに隠し事はできないんじゃ無いかと思うが、
〔まあ話してない事はわからないんだけどね〕
そういい少しイタズラが成功したような表情を浮かべたディジェスが目の前にいた。
〔ってかいつの間に?〕
〔さっき話してる間にライズの魔力を使って顕示できないかとやったらできたんだよ、普段はこっちのほうがライズに見えるし良いかなーって思って。ちなみに他の人間にも見える様にする事はできるよ〕
ライズはそれを聞きながら便利なもんだと思いながらディジェスをみていた。そしてディジェスは思い出した様にライズにいった。
〔そういえば、ライズは異世界人みたいだからこの世界がどんな感じかだけ話しとくね。〕
〔それは助かる。俺もよくわかってないからさ〕
〔うん!じゃあ教えるね。まずなんだけどーーー〕
そういいディジェスが話し始めようとすると、ライズが入ってきた部屋の入り口の所にいつの間にか一匹の狼の様な生き物がいた
〔なあなあディジェス、あの生物はなんなんだ?〕
ライズがディジェスに話しかけながら指を向けると、狼の様な生物はそれに反応した様にライズに向かって駆け出した。
〔わっ!なんだこいつ!〕
もともとあまり広くは無い部屋で、走り出した狼の様な生物は直ぐ様ライズに近寄り飛びかかると同時に牙を剥き出しにして襲いかかってきたが、
「魔壁」
いつの間にか実体化していたディジェスがライズの目の前におり一言呟くとディジェスの目の前になにやら障壁の様なモノが現われ狼の攻撃は弾かれた。
「せっかくライズにお前らの存在を教えようとしたのに…まあ実物があった方がいいのかな?」
そんな事を言いながらディジェスは続けて一言呟く
「魔鎖」
ディジェスがそう言うと同時に半透明な太い鎖が生まれ一瞬で狼に絡みつき身動きを止めた。そしてジタバタとなんとか身体の自由を取り戻そうと動く狼を見ながらライズはディジェスに聞いた
「こいつ、いきなり襲いかかってきたぞ」
「そりゃそうさ。なんて言ったって魔物だからね」
「魔物?」
「魔物っていうのは、世界に無数にある魔力溜まりから生まれる破壊衝動しかない生物の事さ。」
「魔力溜まり?」
「魔力溜まりって言うのは、世界を循環する魔力が一部停滞する所の事さ。」
「なるほど」
そんな話をしているうちに、狼は身動きをとろうとするのを諦めたのかぐったりとしていた、だが今度はなにか声を出そうとしている所にディジェスが素早く言葉を紡いだ。
「危ないな、そろそろ倒しとこうか。」
「鎖拘」
ディジェスがそういうと狼を拘束していた鎖が急激に締め付けを開始し、狼は動かなくなった。
「さ、これでおしまい。とりあえず解体でもしようか」
そういいディジェスはまた一言紡いだ
「解体」
ディジェスがそう紡ぐと狼は宙に少しだけ浮かび上がり綺麗に素材ごとに分かれていった。
「すげー…てかさっきからやってるこの不思議な力?みたいなのはなんなんだ?」
ライズは狼が解体されていく光景を感心しながら見ながらディジェスに聞いた
「これは、魔力とよばれる力をつかって様々な現象をおこす魔法とよばれる技術だよ。」
「魔法?」
「そう、魔法。人族がよく使うのは魔術かな?」
「なにが違うんだ?」
「魔力って言うのはこの世界に基本的に無限に満ちていて無い場所が無いんだけど、魔法はこの世界に満ちている魔力を使って現象ををおこす技術だよ。魔術は自分の身体に内包されてる魔力を使用して現象をおこす技術の事を言うんだ。」
「それを聞くと魔法の方が凄い気がするんだけど…」
「基本的には、魔法を使えるのは一部の魔物と、僕ら精霊族、それと妖精族かな?あとはまあ魔族なんかも使える個体がいる、人族や獣人族は普通なら魔術しか使えないかな」
「なにか使える方法があるのか?」
「んーそれは能力っていうのが密接に関係してくるんだ、それはとりあえずこいつをしまってから説明するね」
そういいながらディジェスまた一言紡ぐ
「異空」
狼の近くに黒い空間が広がると解体された狼は吸い込まれる様に収納されていった。
「能力って言うのはこの世界のルールの1つで、簡単に言うとその個体のもつ力だね。」
「ライズはなんの能力をもっているの?とりあえず魔力増大をもってるのは解るけど」
「後は魔力超速回復ってやつだな。」
「凄いね!どっちも希少能力だよ!でも術師に特化してるね。僕もどちらかというと術師よりだから少しバランス悪いかな」
「そうなのか?」
「んー、まあどちらかと言えばね。でもほんとに強いやつとかと戦う時くらいじゃないとこのスタイルで大丈夫だと思うけど。」
「ふーん。」
「あ、信じてないね。これでも僕は精霊族だからそこそこは戦えるし、前衛も出来なくはないんだよ。」
ディジェスが少し怒ったように言ってるのを聞きながら、ライズは先の事について話し始めた。
「てゆーかさ!今考え始めたんだけど、これからどうすっかな!、いつまでもここにいるわけにもいかないしなあ」
ライズが考え始めると、ディジェスはさらっと流された事をきにしながらもライズに提案した
「それならさ、とりあえずは街に向かって冒険者に登録したら?」
「なんだそれ」
「冒険者って言うのは世界各地から寄せられる依頼をこなしてく仕事だよ、協会と呼ばれるものが各地にあってそこに様々な問題が集まっていてそれを解決していく人達の事だよ」
「へーなんかすげーなーそれ。」
「といってもほとんど魔物に関する事や、危険な場所にある材料だったりを取りに行ったりだとかだから荒くれ者みたいな人達が多いけどね。その中で術師なんかは基本的に引っ張りだこかな」
「なんで?」
「ちょっと魔法関連の話になるんだけど、魔法には属性って言うのがあって全部で12種類に分けられてそれぞれに割り当てられてる特性みたいのがあってね。簡単にいうと、
火は増幅、水は安定、風は蔓延、土は育成、氷は凝結
雷は破壊、光は再生、闇は隠蔽、無は構築、空は固定
時は流動、創は、まあそのまんまで創造だね。
だいたいはこんな感じにはなっているけどさ。あくまでこれらは魔術的な特性なだけで自然はまた別の法則で動いてるよ、ってどうしたの?」
ディジェスは頭を抱え始めてるライズに様子を伺う、声を掛けられたライズは少しびくっとするがとんでもない事を言い出した。
「俺は、もしかしたらとんでもないやつなのかもしれない。」
「?」
「なあディジェス、ステータスって人に見せられるのか?」
「ステータスを開いて見せたい人を考えながらなら見せられるよ?」
「わかった…ちょっとこれを見てくれ」
そういい、ライズはステータスを開いてディジェスに見せた。
ーーー
LV 1
名前 ライズ
ユニークスキル
能力創造〔隠蔽〕
アクティブスキル
属性魔術LV1←NEW!!
属性魔法LV1←NEW!!
パッシブスキル
魔力増大LV1
魔力超速回復LV1
魔力支配LV1←NEW!!
ーーー
「はー、、これは中々凄いね。僕も長く生きてるけどここまで希少能力が揃ってるのは初めて見たよ。これらを使いこなせは全然この世界で生きていけると思うよ。魔法に関しては僕が教えられるからさ」
ディジェスが珍しがりながらライズにいった。それをうけまんざらでも無さそうに笑いながら
「おー、まー俺だからな!」
よくわからない理屈と共に言い、ディジェスと遺跡を出るために動き出した。