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【箱】詩

月湖水盤之乙女

作者: FRIDAY

 

 月夜の晩に舞う乙女

 何者もいない湖にひとり

 白衣しらきぬの裾を翻し

 伴奏もなく風を纏う


 鏡の如き湖面に彼女の他に波はなく

 彼女の一足ひとあしが波紋を打つのみ

 音もなく


 月にかかる雲はなく

 真円に黄金


 観る者の姿はない

 ただ金円の照らすのみ

 風は吹かない

 乙女の袖の振るうだけ


 静謐な空間に動くものの姿はなく

 ただ乙女の影が躍るのみ

 声もなく


 月に一点の曇りなく

 深遠に白銀


 月空つきそらを映す中心で

 高き女神を天に戴き

 そのかんばせに笑みを湛え

 玉響たまゆらに吐息



 誰が為に君は舞う

 誰が為に君は舞う

 誰が為に君は舞う



 誰が為に君が舞う

 月だけの見るこの水盤で

 もう誰もいないこの世界で


 


ゲッコスイバンノオトメ

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― 新着の感想 ―
[一言] 寸評でなく感想です。 劫を数える天女を思いました。キトラ古墳の絵のような女性が舞っている。 誰が為に。きっと月を見上げたすべての人のためなのではないかと思いました。 見てみたい光景です。
[一言] ジャンル 詩 一致 寸評 綺麗です。何かを思う前に、これは綺麗だなぁと思いました。そして、哀愁や虚しさも。 文章◎ 表現 少し古い文体だったぶん、姿や空間という言葉が引っかかるように感じ…
[一言] ジャンル 詩 寸評 悲しい詩だ。覆水盆に返らず。 文章◎ 表現 覆水盆に返らずをテーマにした詩だと判断しました。上手い。こんな夢を見たいが悲しすぎる。 総合 狙ってるところにはクリーン…
2017/04/21 10:09 退会済み
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