41 急展開、勇者の危機
お、遅れました……およそ一ヶ月の放置。これは酷い。後、すみません。この章はこれで終わりです。次回から次章、『本音』に移ります。龍たちが活躍するといいましたが、出来ませんでした。申し訳ありませぬ。次はもっと早く戻ります。せめてもの言い訳を活動報告に載せまする。
「じゃあ、何か? お前を変に信仰しちまった龍たちを抑えるために架空の存在に仕立てあげたら、今度は逆に信仰が増えたってことか?」
『あの時は大変だったな。我を信ずる者たちが中々いなくならんでな』
聞いて驚いた。予想以上にくだらなかったからだ。もっとこう、盛大な計画とかがあったのだと思ってたけど、単に何も考えずにやったって感じだったみたいで。
「何か、理由として無茶苦茶すぎる気がするんだけど」
『ふむ? ……姉には秘密にしておいて欲しいのだが』
「ん」
空飛ぶ巨龍オルディニアスが、顔だけを俺の顔の真横に近づけた。周りには、あまり聞かれたくない内容らしい。
『実はな、当初、龍神の候補に挙がっていたのは我だったのだ』
「お前が?」
オルディニアスは『ああ』と返事をする。
龍神……当然、リゲスのことだ。だが、リゲスも生まれた時から龍神だったと言うわけではない。そもそも、神というのは座、いわば役職みたいなものであって、生まれた時から神である存在なんてものはあり得ない。
現に、俺は今、次期人神として勧誘されているだろう。あれはそういうものだ。リゲスの前にも龍神がいて、リゲスはその先代龍神から龍神の座を受け継いだ。
その本来の後継者が自分だったと、こいつは言っているんだ。
『姉は龍神という立場に憧れておったからな。何としても姉を龍神にしてやりたいと、我が一枚企んだことでもあったのだ』
つまり、不意に自分に集まってしまった信仰を薄めるためと、姉を神へと押し上げるために、自らの存在を架空のものへと偽ったということか。ある意味同じ理由とも言えるのだろうか。
しかし……やはりというか、無茶苦茶だな。信仰が集まってしまったところまでは良しとして。姉であるリゲスを龍神にしてやりたかったというのも分かる。が、だからと言って、自分の存在をなかったことになんてするものなのか。少なくとも、俺はそんな手は取らないけど。
しかも、それだと無理が生じてしまうんだ。
「それでも、最初からお前を信じてた龍たちは、お前が存在してるって知ってただろ?」
『……うむ』
そう、これから新たな信者が増えることはなくなっても、元からいた信者は存在したまま。彼らはオルディニアスが『居る』という事実を知っているから、そこから必ず広まってしまう。
『……天上神だ』
と、オルディニアスがそう言った。
「あいつが関係あるのか?」
『奴の遣いにな。対象の心や思考を操る能力を持つ者がおるのだ。その者に協力を仰いだ』
「天上神に協力を願ったってか。正気か?」
オルディニアスは首を振る。
とてもじゃないが、正気の沙汰とは思えない。あんな奴に協力してもらうなんて。対価に何を取られるか分かったものじゃない。
『思えば、我と姉は、奴らに操られていたのかもしれんの。我自身を架空の存在にするなど、今では絶対に考えんことだ』
「天上神……操る、ね……」
奴のことだから、実際にそれはありそうだ。
例えば、戦力的な面で、オルディニアスを『排除』したかったとか。後々はリゲスも排除するつもりだったが、それは不可能だったとか。
十分にあり得る話だ。最初から2人は洗脳じみたことをされていて、戦力を削ぐために利用されたって。事実、それでオルディニアスは架空の存在にされてるし。信者が増えたのは奴も予想してなかっただろうが。
『お主は奴と戦っておるのだろう?』
「戦ってるっていうか、まあ、そうだな。戦ってるって言っても間違いじゃない」
『そうか。ならば、致し方ない』
そう言うと、オルディニアスは自軍へと戻って行き、そこで小声で何かを話すと、こちらに戻ってきた。
「……何だ?」
『我も力を貸そう。あの裏切り者めは、一度懲らしめてやらねば済まんだろう』
翼を立てながら言うオルディニアス。
それは随分と、魅力的な話だ。俺だけでは、とても天上神勢力との対立なんて出来ない。ヘリオスみたいな遣いがわんさかいるなら、それだけで手一杯だ。
しかし、だからと言って天上神を野放しにしておくことも出来ない。あいつは放っておいたら、また何かやらかすだろう。それで何回世界が滅びかけたか。
「お前が?」
『かつては友だった男だ。お主、一度勝ったことがあるのではなかったか?』
「ん、まあ。あの時はあいつも本調子じゃなかったからな」
『本調子でなかったとしても、神に勝つこと自体が本来はおかしいのだがな』
声を出して笑うオルディニアス。笑っていたが、何かを思い出したのか、そう言えばと話を切り出した。
『今日は何用でここまで来たのだ。このような軍勢まで連れて』
「リゲスに頼まれたんだよ。こっちに行ってくれって」
『姉に? あの愚姉め、ここにいる龍を黙らせようとしおったのか』
現龍神に愚姉とか言っていいのかは知らないけど。
「一緒に行って文句言ってくれよ、あれは手に負えない」
『……よかろう。それ、そこの女子も、我の背に』
オルディニアスは誘いに乗ってくれた。首を大きく傾け、トリニアの横に着くと、俺とリオーネに乗るように促してきた。
「え、いいよ、こっちで充分」
『いいからさっさと乗らんか』
「えー……」
振り切ることも出来そうにないので、仕方なく首を伝って移動する。オルディニアスの背の方が広いが、ゴツゴツしてる。鱗、大きい、多い。
『さて……』
呟く巨龍。飛ぶ準備でもするのかな。なら、俺もちょっと気構えうぉぁあああああああああああああ!!!
………………
「ちょ、おまっ、何か一言くれよっ……」
『おお、すまんすまん、うっかりしておったの』
どんなうっかりなんだろう。怒るに怒れない。明らかに人が耐えられるスピードを超えているだろうという速度で急発進され、そのまま【龍王国リゲス】まで戻ってきた俺たちは、門から少し離れたところに着陸していた。
トリニアを筆頭にリゲス配下の龍たちは、既に龍人へと戻っている。いや、元は龍だから、戻っているっていうのは逆か。どうでもいいが。
オルディニアス配下の龍は付いてきていない。オルディニアスが待つように指示していたそうで、今も東付近で待機しているそうだ。
『どれ』
翼を畳んだオルディニアスが、一言呟くと、その体を光に包ませていく。
見覚えのある光景。というか、今さっきも見た光景だ。
こいつ、どうやら人の形態になれるらしい。あれって神の力なんじゃなかったか。あ、いや、あれの弟なんだから、出来て当たり前なんだろうか。
光が晴れ、中から出てきたのは……
「人化は久しいが、こうであってるかの」
「口調の割にショタかよ」
こんな風に渋い口調で話す、小学生くらいの男の子だった。
ショタ龍人と一緒に元の部屋へと向かい、その扉を開く。中では椅子に座って寛いでいるリゲスの姿があった。
「……姉上、久しいの」
「……何言ってんだ、まだ300年くらいしか経ってねぇだろ」
オルディニアスの声に、リゲスが立ち上がって応えた。300年って、俺が帰った辺りの頃だ。ということは、あの時、こいつは起きていたのだろうか。
そもそも、起きていたとはなんだ。眠る、起きるという表現が正しいのか? それに、架空になってしまった存在がそんなにポンポン起きちまってもいいのか。何も分からない。
「んで、やっとお目覚めか、この愚弟め」
「何を言う、この愚姉。あんなに面倒な封印をかけておったのは姉上であろう」
「そりゃお前、複雑じゃなけりゃ封印として成立しねぇだろ」
「おい、さっさと話進めろよ」
姉と弟とのやり取り。中学生くらいの俺っ娘姉と、小学生くらいの老けショタ。中々にマニア受けしそうな2人であるが、中身はどちらもただの年寄りなので放置だ。
俺がそう急かすと、オルディニアスが一言謝って、話を進めた。
「姉上。何故、龍の軍勢をこちらに向かわせた。死者は出なかったが、危険だったぞ」
「あ? あいつら、不可侵境界を越えてきたんだぜ? 威嚇すんのは当たり前だろうが」
ぐるぐる、ぐるぐると部屋の隅にあったナイフを回しながら言うリゲス。
不可侵境界? また聞きなれない単語が現れた。まあ、大体の意味は予測出来る。『こっから先には侵入しないように』っていう境界線、面のことだろう。
オルディニアス派の龍が、それを越えてしまったということか。リゲスのことだから、境界を明確にしていないとかいうこともありそうだが、そこはどうなんだろうか。
……しかし、あのドンパチ戦争を威嚇と言うか。あれは最早完全なる戦だった。威嚇とかいうレベルじゃない。威嚇って、ほら、あれじゃん。ちょっと小突いてみるとか、猫が『シャーッ』ってやるあれとか、敵のターン数を3ターン追加するとか。少なくとも、あれを威嚇と称するのは無理がある。
「……はあ。まあ、それは仕方ないかもしれんがな。あまり若造どもを巻き込んでやるな。我も愚痴をこぼしてしまいそうになったわ」
「だってよー、俺が行くのも面倒だったしな?」
「だからって俺を行かせるなよ」
が、予想外にもオルディニアスはそれを許したようだ。こんなにあっさり引き下がるとは、本当に向こうの龍がやらかしてしまっただけなのかもしれない。
それに、龍は俺たちとは別次元の生き物。俺たちとは威嚇の基準も違う。俺を行かせたことだけは納得出来ないけど。
「……それで、我が起きるようにも仕組んだのか?」
「いや、それは想定外だったな。お前、滅多に起きねぇし、まさかこのタイミングで起きてくるとは思ってなかった」
「そうか」
2人して黙ってしまう。オルディニアスが起きてきたのは予想外の出来事。何か裏のようなものが働いてそうだとは思うが、ただ単に起きてきただけという可能性の方が高いんじゃないか。
ただ……何だろう、この感じ。どうにも腑に落ちない。どこか、レールの上を歩いているような感じがするというか、決められた脚本通りに進んでいるというか。
ここでこんなことを考えるのも野暮かもしれないが……それでもやはり、事態が急展開すぎる。俺がここに再召喚された直後のこともそうだ。『偶然』トリニアと出会って、『偶然』スーラと出会って、『偶然』バクラと再会して、『偶然』ヘリオスとも再会して……。
日本ではオタクって分類されてた俺。そして、元勇者でもある。だから、余計に気になってしまうんだ。こういう『流すぎる物語』っていうのには必ず裏があるって、探ってしまう。
だけど、それもただの勘だ。能力頼りじゃない、正真正銘ただの勘。当たる確率は高くない、むしろ低いくらいだ。
でも、逆に言ってしまえば、そう感じてしまうほどに『進んでいる』んだ、物語が。俺たちがここに召喚された理由も分からず、こうして事件ばかり起きている。そろそろ、そっち方面のことについても、考えた方が良いのかもしれない。
「のう、姉上」
「何だ?」
思考の渦に呑み込まれかけていた時、オルディニアスの声で覚醒する。
「天上神めを倒そうとは、思わんのか?」
「あ? あいつを倒して何になる? 何か得でもあるのか?」
「少しは、世界が平和になるだろう。明確な得はなくとも、損はないはずだ」
反論するオルディニアス。
俺にとっては明確な得になる。あいつは割と、俺個人を狙ってくることが多い。俺個人に何かをしたいがために、世界を巻き込むケースってのも、今までに何度かあった。
ならば、それがいなくなるなら、俺にとっては得だろう。
「そうは言うがな。あいつは裏切り者とは言え、元神だぞ? しかも、独自に力を備えちまった神だ。俺たちで完全消滅が出来るのか?」
「それは……」
言い返せない。裏切り、堕落してしまった元神だが、元は神だ。それゆえに力はある。正直に、全力を出されれば俺だって手も足も出ないだろう。
それに加え、遣いという存在がいる。天上神の強力な手足だ。
この面子で出来るとは……
「出来るね」
『っ!?』
誰もいなかったはずの背後から声が聞こえる。特徴的な声。振り向くと、そこには似非研究者がいた。緑髪の、あいつ。
一ヶ月前に俺と戦って、一応の勝利を収めて撤退させた男。遣いの中でも特に未知数の戦闘力を持ち、能力自体は分かっているが対処が難しいという、本職泣かせの研究者。
「てめぇ……『ヘリオス』か」
「ヘリオス、お前……」
そう、あいつ……ヘリオスだ。俺たちが一斉に振り返った先には、どこからともなく現れたヘリオスが立っていたのだ。
「やあ、ハクハ君。久しぶりだね。といっても、一月ぶりかね」
「ああ……久しぶり、ではないかな」
まるで敵意はないとでも言いたいかのように、両手を挙げてぷらぷらとさせている。
こいつ、一体何が目的だ?
「どうやって入ってきた? 一応、てめぇらが入ってこれないようにはしておいたんだがな」
「私は一応、遣いの中でも最古参のうちの1人でね。あの程度の空間変化では無駄だよ」
挙げていた両手のうちの右手を開いて、そこから結晶のようなものを、リゲスの方へと投げつける。
投げられたリゲスはそれを受け取り、苦々しく舌打ちをすると、そのまま握り砕いた。
辺りが暗い雰囲気に包まれる。そりゃそうだろう。俺自身は直接的な恨みなどなくとも、一応は敵陣営側の強力な駒だ。いつでも戦えるようにと、準備を整えておくのは当然のことだ。
「ヘリオス、お前、何が目的で来たんだ」
「なに、ちょっとした『協力要請』をしにね」
「協力要請?」
聞くと、そのような言葉を返された。
協力要請。何かに手伝ってくれ、手を貸してくれと、そう言ってきている。
訝しんでいた俺たちに、ヘリオスはさらなる爆弾を投げた。
「正しくは、同盟へのお誘い、かな?」
「……それは、天上神と手を組めってことか?」
皆の警戒がより一層強まった。ヘリオスのその言葉によって。
同盟を組め、だって? 奴らの主である天上神と? ふざけるな。そんなこと、出来るわけないだろうが。
しかし、それは勘違いだと知らされる。
「違う違う、そうじゃない。『私個人』と同盟を組まないか、というお誘いだね」
「お前個人と? 何をする気だ?」
天上神とではく、あくまでもヘリオス個人と。
一体、何のつもりで?
「……天上神を倒したくはないかね?」
「……まさか、天上神を倒すための同盟ってことか? だけど、お前は遣いであって……」
違う。それだと矛盾する。こいつら遣いは、主である天上神に逆らえないよう、反逆が出来ないようにされているはずなんだ。実際に行動するだけでなく、そう言った考えを持つだけでもダメだとか、昔こいつ自身が言っていた。
「そう。反逆の念なんかは抱けないねぇ。でも、なら何で今、こんなことが出来ているんだろうね?」
「何か裏があるの?」
「ないよ。私は単に、あれを退場させたいと思っているだけでね」
あれ、即ち天上神のことか。
こいつは何故、こんなに自信に満ち溢れているんだ? 天上神の強さは、駒であるこいつらが一番よく知っているはず。それなのに、ここまでの自信を持てるのには、何か理由があるのか?
「……ヘリオス。久しいの」
「ニアもいるんだね。珍しい顔ぶれだね、これも」
後ろにいたオルディニアスが前まで出てきて、ヘリオスと対峙する。圧倒的なまでの身長の差。俺と同じくらいはありそうなヘリオスと、リオーネと変わらない程度しかないオルディニアス。単純に俺とリオーネくらいの差がある。
「一つ、聞いても良いか?」
「何かね?」
慎重な声で問いかけるオルディニアス。何故か、とても不思議なものでも見るような目だ。
「お主……何故、いくもの種類の魔力が感じられるのだ?」
「いくつもの種類?」
思わず聞き返してしまった。あまりにも不思議なことを言いだすもんだから。
1人の体から、幾つもの種類の魔力、そう来たか。普通はあり得ない。1人の体、精神からは、決して2種類以上の魔力は生まれない、これは遣いであっても関係ない。万物に共通する事実だ。
確かに、他人のものを2つ3つ奪っておくくらいのことは出来るだろうが……
「今、ヘリオスの体内にある魔力……ひいては魂が一つではないのだ。10や20という数でもない」
……なんやて?
じ、10や20ではきかない数? じゃあ何か? 3桁突破してると? それこそ天地逆転してもあり得ないことだろう。
しかし、実際にそんな状態であると言う……さっきからのヘリオスの余裕は、それが原因か? 魔力、魂がそれだけ多いということは、その分強力な力が使えるということ。それが何十から何百とあるのなら、あるいは。
俺には分からないが……確かに、ヘリオスの中にぼんやりとしたものが多く見える。これは、言われないと気づかない。オルディニアスはそこら辺の感知能力が高いんだろう、多分。
オルディニアスに見抜かれたヘリオスは、手で口を押さえて悪戯気に笑った。
「……見破られているか。仕方ない龍だね、君も」
「お互い様であろう」
否定しないということは、それはヘリオスが意図して起こしていることだということ。
「その力を使って天上神の野郎を倒すってか?」
「そうだよ。これを使う」
「ヘリオス、今度は何を企んで……」
「あ、そうそう」
リオーネが聞こうとすると、その言葉を遮ってヘリオスが言った。俺の方を向いて。
「何だ?」
「遣いが1人、人族の国に侵入したそうだ。目的は『勇者』」
「なにっ!?」
衝撃の情報! なんて言ってる場合じゃない。今の【ガッダリオン】に遣いが来ている、だって。
そんなの、あいつらだけで対処出来るはずない。遣いの中にも戦闘向き、非戦闘向きがいるが、【ガッダリオン】の戦力では、どちらも迎撃は難しい。あいつらはそれぞれ、面倒な能力を持っているから。
【ガッダリオン】には、明たちの師範であるカルラやエリア、ライラがいる。彼らがいればあるいは可能かもしれないが、問題は狙いが『勇者』だということだ。あいつらはまだ、遣いと戦えるほどの戦力になっていない。遣い側は勇者を確保すればいいが、勇者側は遣いを撃破しなくちゃならない。それも、3人を守りながら。
正直……無理だ。出来れば、完全な非戦闘職の遣いであってほしい。
「早く行ってあげたほうがいい。遣いの名は……ディアス」
「ディアス……我に関する記憶を、洗脳によって消した、あの男か」
「洗脳!?」
聞いたことのない名前だが、洗脳……。非戦闘職だとしても危険すぎる。仮にカルラなんかの師範代が操られれば、もう手も足も出ない。
「それを先に言えよっ! ああ、もう! リオーネ、行くぞ!」
「う、うん!」
リオーネの手を取り、【ガッダリオン】に設置した目標を辿る。そこに転移座標を定め、長距離転移の行使する。
「お前ら、先に話し合ってろ!」
ヘリオスを含む残った者たちに言い放つ。リオーネとはしっかり手を繋いでいる。
(大丈夫だとは思うが、無事でいろよ……!)
その場から、姿を消した。