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Re:絶体絶命

ものすごく久しぶりに更新しました。待っていて頂いた読者さますいませんでした。心からお詫びいたします。

《SIDE AYA KOSHIMIYA》

 あり得ません、信じたくないです。

 明らかに、転校してきた少女は見まごうこともなく、特殊能力者です。しかも狙ったように隣の席って。

 どこかで見たことがあるようですが、何処でしたっけ?

 しかし聞き捨てならないことを聞きました。


「えーと、昼休みいいかな?」


 告白ですか!?

 飛鳥君とはまったく逆側の席ですが聞こえましたよ、しかとこの耳に。

 飛鳥君は怪訝そうな顔をしています。

 なんとしても阻止しなければ!!


 昼休みになり、弁当派の生徒は友達と机を並べ、学食派の生徒は食堂に向かい、購買派は、どうしたらそんな速度が出るのかと疑問に思うような早さで駆けていった後、飛鳥と彼方は時間差で教室を出た。その後を綾が、そのもっと後ろから、祐介が追う。

 結局校舎裏の人目につかないところまで連れてこられた飛鳥は、何となく嫌な予感で手が冷や汗でぬれているのを感じた。


「で、用件は?」


 極力、平静を保って言ったはずだったが、少しばかり声が震えているのに気づき飛鳥は自己嫌悪した。


「うーんとねー」


 焦らすような言い方で、ツカサはそう言った。

 そして次に告げたのは、飛鳥にとって、半分予想していたことだった。


「死んで♪」


 それを木の陰で聞いていた、綾は息をのみ。祐介は、やっぱりという顔を浮かべていた。


「嫌って言っても殺すんだろうね」


「うん、もち♪」


 次の瞬間には飛鳥の学生服の右袖が切られていた。


「本気ですか」


 自分に言い聞かせるように飛鳥はそう言うと、何となく、木陰に目を移す、そこにいたのは綾とその口をふさいでいる祐介だった。


「ついでだからそこにいる二人にも死んでもらおうかな♪」


 とっくに彼方は尾行に気づいていたのだ。


「そんなことだろうと思ったけど」


 祐介が木陰からでて来る。


「観察対象を殺して大丈夫なのかな?」


 少し彼方の顔がゆがむ、大方、なぜそれをだろう。それを、表情から伺った祐介が、


「まぁ、観察しているのは君だけじゃないって事だよ」


 しかし、飛鳥は驚かなかった。知っていたわけではない、ただそんな気がしていただけだ。だからといって彼は愛沢 祐介という名前の彼を糾弾はしない。


「ってことで死んで」


 唐突な発言と共に、力の奔流が飛鳥に向かっていく。どちらかというと鎌鼬である。


「無理無理無理無理!!!」


 そんなことをいいながら、バックステップで緊急回避をとる。まだ余裕と言うことだ。


「いいから死んで!!」


 力の暴走と言うべきか、逃げまどう飛鳥に先程とは比べようもない力が迫る。


「っ!」


 咄嗟に校舎の陰に飛び込んだ。




「何で逃げるんですの!!!」


「死にたいのか!!」


 そう言いながら走っているのは祐介である。あの場所に居ては危険だと踏んだ祐介は綾を小脇に抱えて離脱したのだ。


「だいたい、昼休みが終わっちまう」


「そ、そんな理由で・・」


「俺だって助けたいけど、能力的に無理なんだよ!! それともあの場所にいてあいつ(飛鳥)の足手まといになるつもりか!」


「あ、足手まといって。わ、私だって」


「能力者の戦闘に普通の人間が介入できることなんて無駄死にするだけだ」


「っ」




「お、落ち着きましょうよ」


「嫌、死んで?」


 綾と祐介が戦闘領域をから居なくなった事で、彼方の攻撃は激しさの頂点に立った。

 不可視の風の刃が、既に飛鳥の制服をずたずたに引き裂いていた。皮膚にはそれほど深くはないといえどもいくつもの裂傷が走っている。


「なん、で、こんな、ことするんで、すか!!」


「死んでほしいからよ」


 まったく答えになっていない。


「ちょーと!!」


 そこに飛び込んできたのは、プラチナブロンドのちっこいの。そう美郷である。


「あんた誰よ、私の(・・)飛鳥様をこんなにして!!!!」


 どうやら怒りの沸点を超えてしまったようだ。


「神への冒涜者の人形か、ちょうどいい。ここで壊してあげる」


「美郷ちゃん、私のってどういう・・のうあ!!」


 台詞の途中で彼方の攻撃を受け、何とかバク転(!)で避けた。尻餅をついている状態からどうやってかは知らないがバク転で避けた。確実に人間技ではないが、やってのけた。


「このアマ、よくもよくも私の(・・)飛鳥に手を出したわね」


「美郷ちゃん(僕は誰のモノでもありません)」


「どっちにしろ死ね!!」


 やたらと高速で、風の刃が飛鳥と美郷に向かって殆ど面となって襲いかかる。


「飛鳥様!!」


 そこにやってきたのは、例によって例のごとく飛鳥のピンチとあればやってくる、怜だった。

 横からすさまじいスピードで飛んできた、と言うより水平飛行(!)してきた怜によって抱えられると、怜によってこれまた垂直上昇(!)。


「っ、ちょこまかと」


 悪人がよく言う言葉を口にして再度、空中にいる二人に風の刃を飛ばしてくる。


「怜さん!!」


 回避行動がとれない二人の片割れ、詰まるところ飛鳥が怜を地面に向かって突き飛ばした。


「あ、飛鳥様!!」


 咄嗟に怜が手を伸ばすが、届かずそのまま落下していく。そして、飛鳥は風の刃の奔流に飲まれた。

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