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閑話 とある令嬢の話

私がとある乙女ゲームの世界に転生したと気付いたのは、5歳の時だった。

王室主催のお茶会に参加した際に王子を見た衝撃で足を思いっきり滑らせて、頭をぶつけたのだ。そして、2、3日寝込み、このゲームのことを思い出したのだった。


タイトルは思い出せないけど、とりあえず、フリーの男が全くいないゲームだった。意中の相手と恋愛するには略奪しかないと言う状況。攻略対象全員に婚約者がいるのは当然として、モブにも婚約者がいる徹底ぶり。なんなら、男爵家の次男や三男にもいるぐらい。ヒロインよ、どんだけガッツのある肉食系野心家女子だよ。

結婚エンドの他に恋人エンド(お別れエンド)があるのは、目新しかった気がする。


このゲームは攻略対象の好感度によって、婚約者の令嬢達と勝負する展開がある。そして、勝負に勝ち続けると婚約者を譲ってもらえることになる。「あなたにだったら、彼を任せられるわ」と言われて。SNSで『攻略対象者=景品』と言ってた人もいたなぁ。

そして、私はライバル令嬢と言われる婚約者達の中の例外。ヒロインに対して、嫌がらせをしまくる悪役令嬢ポジションの王子の婚約者なのだ。

やってた嫌がらせは悪口を言う、ドレスを汚す、物を隠す・壊す、空き部屋に閉じ込めてデートの邪魔する、そして最後はヒロインを殴る(ヒロインのレベルによっては未遂)と言うものだった。

器物破損とか傷害罪はあるけど、殺人とかそういう重犯罪はしてなかったから、結婚エンドだと環境と戒律が厳しい修道院に送られてたはず。恋人エンドでは普通に結婚して王子妃になってたなぁ。まったくお咎め無し?とビックリした記憶がある。まあ王子妃になれても本当にお咎め無しだったかはわからないけど。

とりあえず、処刑エンドとか酷いエンドはなかったから、断罪回避にそこまで必死にならなくて大丈夫かもと思ってました。


結論。処刑エンドも修道院エンドもありませんでした。なんなら、恋人エンドどころか友情エンドにもなりませんでした。

でも正直言わせてもらうと、結婚エンドになってもらっても良かったかもしれない…。


魔王討伐にはゲームと違って、攻略対象者全員と戦闘できる婚約者令嬢は参加してました。本来なら魔王はみんなで倒すはずなんですが、ヒロインがまさかのソロプレイでフルボッコしたらしく、魔王とは戦わずに済んだそうです。

そして、その時の勇姿に惚れた主に男性陣が、ヒロインの信者(ファン)になってしまいました。

それだけならまだいいけど、会う度に軽く3時間はその話をするのよ。うん、「認知症のおじいちゃんですか?」って突っ込みたいぐらい同じ話をするの。

ヒロインが聖女になると決まってからは、姿絵(ブロマイド)が売られてるらしく、それをフルコンプしたり、奉仕活動の邪魔になる人物・障害(もの)を他の信者(ファン)と一緒に片付けたりしてるみたい。

こっそりと奉仕活動の様子を見ては、そのことを私に報告してくるの。お願いだから、こけた老人を助け起こした話を10回以上しないで。


極めつけは卒業パーティー。ダンスを恋する乙女ばりの顔で誘ってたわ。事前に私に許可は取りに来てたけど。ただ、あのヒロインはダンス苦手なのよね。可哀想に、ヒロイン顔面蒼白で踊ってたわ。その後に信者仲間(同類)の攻略対象者達もダンス誘って踊ってたわね。最後はジェニファーが踊って助けてあげてたけど。彼女との踊りの時が一番ヒロイン笑顔だったことに嫉妬してたなぁ。

だからお願い。ダンス終わった後にいちいち報告に来ないで!!私も見てたから!ここ一応パーティー会場。頼むから今からノンストップ聖女様(ヒロイン)活動報告しないで(泣)!!!

王子の婚約者が遠い目をして『無』だった理由。

心のままに愚痴ってるので、語尾は統一してないです。

ヒロインとは親しくはないというかなるべく接点を持たないようにしてたので、転生者かどうかはよくわからないと思ってます。

ヒロインの方も彼女はゲームと印象が違う?ぐらいの認識。それよりもいかに恋愛系のフラグを立てずに魔王を倒すかが大事だったんです。

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