表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
うちのAIが転生させてくれたので異世界で静かに暮らそうと思ったが、外野がうるさいので自重を捨ててやった。  作者: 藍染 迅


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

65/80

第65話 トーメー・ゴーレムだけに透明だという洒落ニャか?

 結局このダンジョンのとしての討伐報酬は、何がもらえるのだろう。どこダンこと前回のダンジョンでは「テイマー・スキル」のスキルオーブを入手した。


 今回も、それくらいの不思議アイテムがあるのだろうか?


 俺ダンの出入り口を開いて、俺は敵ダンのボス部屋に出現した。BJも一緒だ。

 

「アリスさん、お疲れ」

「乙カレーニャ」


「俺ダンカッターの働きで、ゴールデン黄金バトウの下半身が『黄金()バット』に変化したよ」

「何言ってるかわからないニャ」


 俺も途中から分からなくなったよ。下手すりゃ超絶下ネタじゃないか?

 下半身からドロップしたってのもややこしい話だし。


「とにかく金の延べ棒を2本ゲットしたって言う話さ」

「今度も金かニャ? 買い上げ価格でマージンを稼がせてもらうには持ってこいニャ」


 しかし、黄金()バットはあくまでもフロアボスによるドロップ品ということだな。

 だとすれば、ダンジョン討伐報酬は他にあるということを意味する。


 宝箱、カモーン!


 俺の願いが通じたのか、空気を読んだのか。

 部屋の床中央がぴかーッと光ったかと思うと、まばゆい光の中から宝箱が現れた。


 さて、「ハルバードの先っちょで宝箱をツンツン」という儀式を済ませた後、俺はおもむろに宝箱の蓋を開けた。


 ピカーンっ!


 瞼の裏に色とりどりの残像が残るほどの眩しさで宝箱が光を発した。

 俺は目が機能を回復するまで、しばらく目を閉じておとなしくしていた。ようやく物の形を見分けられるようになったので静かに目を開いて、宝箱の蓋を跳ね上げた。


「出たな、スキルオーブ。2つめゲットだぜー!」


 一応お約束の決め台詞を発してみました。何事も勢いが大事なので、勝鬨(かちどき)というのは悪くない。


「さて、何のスキルかな?」


 俺は前回の要領でスキルオーブに触れてみた。

 何やらもやもやと頭に浮かんでくる情報がある。


「このオーブに収納されたスキルは……『ゴーレム・マスター』だな」


 何と、またしても俺が手に入れたのは使役系のスキルであった。


「うーん、どうしようかな? テイマーを持ってる上にストーン5が既に仲間にいるからなあ。今更ゴーレムを作っても仕方がない気もするんだけど」

「しかし、ノーコストでゴーレムを量産できるとしたら、この世界に生産革命が起きるニャ」

「そうか。これ1つで文明が大きく歪むかもしれないな」


 ゴーレム・コア1つを売りさばくのとはわけが違う。人の世の在り方を変えてしまうことになりかねなかった。


「一旦保留するか? ゴーレム・コアの売れ行きや利用方法を見定めてからでも遅くない気がする」

「スキル・オーブに使用期限はないニャか?」

「触った感じではわからないな。おーい、増田―!」


「お呼びでしょうか、ボス」

「あのさあ、スキル・オーブってゲットしてからの使用期限てあるの?」

「えー、商品の鮮度を保証するため24時間以内でのご使用が条件となっております」


 ありゃあ、短いね。それじゃ買い手を探す時間も無いわ。


「そうかと言って、ゴンゾーラの息が掛かった人間に渡すのも気が引けるね」

「ろくなことに使いそうもないニャ」

「自分で使うしかないか? 元々スキル収集をしようと思っていたんだから、初志貫徹ってことにしよう!」


 俺はスキル・オーブを胸に抱き、適当に叫んだ。


「スキル・オーブ開放!」


 適当なワードを叫んでみた。キーワードの中に含まれていたのか、オーブは黄金の光を発し、胸の中に溶け込んで行った。


「どうかニャ? 何か変わった感じはするニャ?」

「どうでしょう? 肉体的には何も変化がないね。周りが違って見えるということも……ない、ね?」


 その時、ストーン3の姿が俺の視野に入った。すると……。


「ま゛っ!」

「ま゛っ!」

「ま゛っ!」


 ダイヤマン、サファイアマン、エメラルドマンの3人がびしっと気を付けしたかと思うと、黄金色の光に包まれた。


「こっ、これはっ?」

「何が起きたニャ?」

「いや、特に変わらないな。あれっ?」


 変化はないと思った俺だったが、いつも(・・・)と何だか手応えが違う。

 俺は試しにナノマシンのネットワークからログアウトしてみた。


「うむ? オフラインモードにしてもストーン3とリンクが切れないね」


 俺はストーン3の視点を共有できるし、思い浮かべるだけで命令を伝達することができる。

 うん、無生物もテイムできるようになったようだ。


「要するにテイマースキルの無生物版だね。ストーン3についてはこれまでも使役できていたので、変化した感じが無かったんだ」


 オンラインモードに戻しながら俺はアリスに報告した。


「トーメーのケースが特殊過ぎて、スキルの価値が霞んで見えるニャ」

「ゴーレムを作り出すこともできるのかな?」

「イエッサー。無機物の素材さえあれば可能です」


 無機物ねえ。土とか石とかですか? ふーむ……。


「良し! ほんじゃ、クリエイト・ゴーレム! 命授けよー!」


 またまた適当にそれらしきことを叫んでみた。すると、何もないところにもこもこと塊ができて、確かに1体のゴーレムが出現した。


「何もいないニャ!」


 アリスさん、見えませんか?


「いや、いるのよ、そこに。目に見えないだけでね」

「トーメー・ゴーレムだけに透明だという洒落ニャか?」

「そうじゃなくて、空気(・・)を素材にしてゴーレムを作ってみました」

「なんそれ?」


 ガス人間みたいなもの? 空気でできているから、空気中ではまったく目に見えない。


「何かできるニャか?」

「ふわふわ移動できるらしい」

「それで?」

「それだけです」


「待った、待った! 使い道はあるのよ、多分」


 検知不能なんだから、潜入調査にはうってつけでしょ?

 空気素材と言っても俺のゴーレム(・・・・・・)なので、俺とは視覚や聴覚を共有できるのよ。


「ナノマシンでできることニャ」

「おー、ソーダッタネ!」


 ナノマシンが便利すぎる件!


 普通に考えたら空気ゴーレムも結構便利だって。どこにでも潜入できるからね、隙間さえあれば。

 暑い時は扇風機代わりにさわさわしてもらえるし。


「スキルの使い道はおいおい考えたら良いんじゃないか?」

「アホな使い道しか思いつきそうもないニャ」

「そうでもないよ。ほら、どんな椅子でもマッサージチェアになるとかさ」

「下らなすぎるニャ」


 でも、ノーコストだからね。ナノマシンやロボット技術で同じことができるとしても、そこにはコストという物が発生するじゃん。


「ただで、かつノータイムで発動できるところはすごくない?」

「あの、ボス……」

「うん? 何だ、増田?」

「正確にはノーコストではなくて、ボスの生命力を消費しております」


 またかよ! ダンジョン系の能力って、吸血鬼みたいに人の生命力を吸い取る奴ばっかりなの?


「良かったニャ。ナノマシンの自動回復機能付きで」

「本当だよ。回復機能が無ければ今頃干物になってるよ」

「ある意味即身仏ができ上がるところだったニャ」


 そりゃミイラでしょ? 生きとし生けるもの、いつかは命尽きる時が来ますけど。

 ゴーレムに吸われてしわしわのミイラになるのは願い下げですな。


「あれ? そうしたらゴーレム・コアの方はどうなんだろ? やっぱり使用者の生命力を吸い取るのかな?」

「最初にゴーレムを創造するところは、使用者の生命力を使いますね。できてしまえば空中から魔力を集めて蓄えますが」


 初期投資が必要なわけね。ふーん。


「それって一般的な人間の生命力で賄えるんだろうね?」

「そこは大丈夫です。スキル・オーブはダンジョンを踏破するようなとんでもない冒険者が獲得することを想定した商品ですから、そっちの方は特大の生命力を必要とします。しかし、ゴーレム・コアはいわば日用品ですから、1日寝込むくらいで回復しますよ」


 それでもダメージ大きいな。いきなりフルマラソンでも走らされたくらいの大変さだろうか?


「ちゃんと使用上の注意を書いてあげないと、病弱な人が使ったら命取りになるかもよ?」

「そこはゴンゾーラにしっかり伝えるニャ。この世界にクーリング・オフなんて物はないニャが、『返品不可』としっかり書付にするといいニャ」


 健常者に売り付ければ良いだけの話だからね。ゴンゾーラに上手くやってもらいましょう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ