第5話 神器
今日はいつもとは違い早い時間でじいちゃんの話が始まった。
「まず、この世界には神器という武器がある」
唐突にその言葉が出た。
神器。
今まで生きてきて初めて聞いた言葉だった。
「なぜ今話したかと言うとお前たちにはこれを獲得してもらいたいからだ。
長く言うとあれだが国の護衛や王などは皆神器を持っている。
だから将来の事とかを考えると今の時期に獲得しておいて慣れといた方がいいと思ったからだ。」
「じっちゃん!オレそれ今すぐ欲しい!」
「まてよ!急にそんなこと言われてすぐ欲しいなんて頭おかしいのか」
「そうだよ。だいたいどうやって獲得するかもわからないし」
リュウヤが元気に欲しいと言うと俺もミコもちょっと不安になった。
無理もないと思う。急に言われたら誰だってそうなる。
そうならないのはリュウヤだけだ。
「獲得には儀式を行う。
この村からちょっと離れたところにある洞窟の最奥に祭壇がありそこで行う」
「それは今日やるの?」
「ああ、そうだ」
「よし!今すぐ行こう!」
だからなぜコイツは元気なんだ?
でもじいちゃんにも何かしら考えがあるのか?
いくら国の人たちがみんな神器を持っているからといっても武器を持たせるには早くないか?
「身を守るすべは持っておいた方がいい。
それを慣らされるなら今がベストだと考えたんだ」
心を読んだ!?
いやたまたまか。
「じゃあ今から行こう。
はやめに行っておいた方が慣れさせる時間もできるし」
「そうだな、後のことは移動しながら話すとしよう」
こうして俺たちは村から離れた洞窟に向かった。
俺を見つけた場所だ。