第3話 戦闘訓練
戦闘訓練が始まった。
今日もいつも通り木剣を持ちリュウヤとペアですることになった。
ミコはというと、俺たち3人の中では1番戦闘のセンスがあり俺たちでは相手にならないためいつもじいちゃんとペアになって訓練をしている。
「まず最初は魔力無しでの組み合いだからな」
「わかってるって。魔力を使ったら俺が一番になっちゃうもんな!」
じいちゃんも言っているとおり、最初はいつも魔力なしでやっている。
じいちゃん曰く、魔力を使うことで身体能力の強化や補正などができるとのことだ。
だがそれだけに頼ってしまうとそこからは成長が難しくなってしまうためあえて最初は魔力なしでの組み合いという形になっている。
「ショウ。そろそろ俺から1本とってみろよ」
「とれたらとってやるよ」
リュウヤは強い。
毎日早起きでランニングなどして自分を鍛えてるだけある。
ミコがこの中で強いといってもそれは魔力なしでのことだ。
魔力をありにしたらおそらくリュウヤが1番強い。
俺はこいつに魔力を使っても勝てそうにない。
それから10本ぐらい組み合いをした。
全部俺の負けだった。
「お前は戦いでは優しさを捨てていいと思うぜ?
そうすれば俺から1本くらいとれると俺は思う」
「いつも慰めてくれてありがとな」
いつもこう言ってはくれるが俺だって真剣にやっている。
その上で負けているのだ。
いつも優しすぎるとか言われるけどそんなことはない。
でも、くやしいな。
となりの方を見るとミコが負けていた。
ちなみにミコは剣を使うというより拳で戦った方がいいということで格闘スタイルで戦っている。
じいちゃんも格闘スタイルだから教えやすいからだろう。
でもたしかに剣を使うより拳で戦った方が強く見えた。
剣を使っているミコには俺でも簡単に勝てそうなくらいだ。
ミコは負け続けてはいるが確実に強くなっていっている。
さすがはじいちゃんだ。
じいちゃんは自分はこの世界で5番目ぐらいに強いと言っていた。
本当かどうかはわからない。
てか本当だったらこんな山の中の小さな村にはいないと思う。
たぶん嘘だ。
「そろそろ魔力ありでいいぞ」
「やっとかー」
「だが今日は3人まとめて私にかかってこい」
「え?いいのか?」
「ジンさん、いくらなんでもそれは私たちが勝てると思いますよ?」
みんな勝気だ。
もちろん俺もだ。
この中で1番弱いとはいえこの2人がいれば勝てるに決まっている。
「その最近調子に乗ってきた態度、叩き直してやる」
そう言うと同時に訓練を始めた。
完敗だった。
俺は当然として他の2人も何もできていなかった。
こんなに強かったのか。
あの話は本当なのかもしれない。
「3人とも、私に何か言うことは?」
「「「調子に乗ってすみませんでした」」」
こんな形で今日の戦闘訓練が終わった。
眠い