第1話 はじまり
目覚めた。
朝だ。
気持ちがいい!
だいたいこんな感じで朝を迎える。
「おはよう、じいちゃん」
朝起きてからまずじいちゃんにおはようと挨拶をする。
じいちゃんとはこのコカコ村の村長である。かなりマッチョでイカしてるじいさんだ。
俺が3年前、7歳の時にこの村の近くの洞窟で迷子になっていたところを保護してくれた恩人のような人だ。保護してくれたのは嬉しかった。でも少しだけ悲しい部分もあった。俺にいるはずの家族が近くにいなかったからだ。そんなことを考えていると
「おはようショウ。今日も起きるのが遅いな。」
え? 起きんの遅かったかな?まあいいか。今日は授業ないし。
ちなみにショウとはじいちゃんが記憶がなくなった俺に新しく人生を送るようにとつけてくれた名前だ。
じいちゃんの家はかなり広いから空いた部屋で授業をしている。ここにきて3年経った。 授業とは語学や歴史、他の国のことや魔力のことなどを教わっている。この世界には魔力という不思議な力があることを2年前に知った。最初の1年は場に馴染めずにすごしていたから周りのことを知ることができなかった。
あれから3年経つのか。
かなりたったと思う。
授業はないが自習という理由で授業的なことが今日あることは知っている。というかいつもある。休みはないのだろうか。
そんなことを考えていると玄関の方から声が聞こえた。
「おじゃましまーす!」
元気のいい男の子の声だ。たぶん自習を受けに来たのだろう。
もうそんな時間か。
授業はいつも朝の9時から始まるが自習は14時から始まる。 時計を見てみると13時47分だった。
ならいい時間か。
そんなことを思いながら教室に向かう。
今日も1日が始まる。 そう思って。