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異酒屋  作者: 達磨堂
4/5

「弱音」と「強がり」


今まで

ぼんやりと観えていた

「それ」は

ある時を境に

よく観えるようになったんだ


時に笑い

時に怒り

時に悲しみに満ち

時に何かを祝う


まるで

お祭りのような

そんな空間


いつ観ても

飽きる事のない

儚くも

素敵な空間


夢見る空間


憎しみに満ちた空間


彩り豊かなその空間


その空間を

僕は唯


そう

唯々眺めていたんだ


今までよく観えず

ぼんやりと観えていた「それ」


「それ」が

はっきりと観えるようになってから

すぐの事だった


  ** さぁ 選びたまえ **


どこからともなく

響き渡る音

感じられるものと言えば

何かの使命感である 


「それ」

に映るイメージは

今までに感じていた

感覚的なものでは無く

「人」そのものであった


窓のような

穴のような

何とも言えない

言いようのない空間で


その空間の隅で

唯々「それ」を

僕は観ている


「それ」に映る「人」


笑ってる人

泣いてる人

悩んでいる人

自分勝手な人

数え切れぬほどの「人」が

「それ」には映っていた


 ** さぁ 選びたまえ **


またも

響き渡る音


その音に導かれるように

「それ」に映る「人」も

幾度となく変化していく


己の感情のままに

己の思うままに

唯々「それ」を眺める


ただ

なぜだろう


笑っている人

悩んでいる人

身勝手な人

そんな人々に感情は揺れず

泣いている人ばかりに

感情が揺れる


なぜだろう

悲しそうな人

泣いてる人

そのような「人」ばかりに

感情が揺れるのだ


なぜだろう

ただ感じることは

悲しい思いを

して欲しくない

唯々そう感じるのだ


 ** さぁ どちらにする **


その音と共に

「それ」には

二人の女性が映っていた


一人は常に弱音を吐き人前で泣く女性


一人は常に強がり一人になると泣いている女性


その二人の女性を

唯々眺め


悩むというよりは

唯々決めあぐねている時だった


何かに押される感覚が走った


「うっ」


その刹那「それ」に吸い込まれていた


気付いた時には

霧が視界を遮っていた


霧が徐々に晴れたその時

今まで見ていた「それ」に映る

「人」が居たんだ


目の前に

そう

僕の目の前に

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