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ドンペリ(ただの愚痴…)

作者: SKM
掲載日:2020/09/17

今日から私は無職になった。

厳密には、昨日退職を告げられた。


私は地方に勤務する(していた)歯科医師だ。


都内で歯科医院に勤務した後、地域貢献したいと思い、地域密着型の歯科医院に勤務した。


その歯科医院の院長は、入社時私にこう声をかけた。

「患者さんのためになるなら、どんな事でもしてね」


入社当時の院長は、素晴らしい院長だった。

いつも笑顔で、従業員を大切にし、治療にも全力で取り組んでいた。


「良い職場だな...」私は心からそう思っていた。



入社して1年後、院長は豹変した。

「売上を上げろ。もっと患者を入れろ。」

と言うのが口癖になっていた。


従業員も困惑していた。

治療も適当になり、虫歯の取り残しはもちろん必要のない治療もどんどん行うようになっていた。


そして、この頃から病院に多くの領収書が溜まりだした。

全てキャバクラの領収書だ。


多い時は週に5-6回 1日20万使う日も珍しくなかった。


そして、たまたま聞こえた会話の内容からキャバ嬢の生活費を支払っている事も判明した。


仕事中もキャバ嬢と電話をして患者さんを待たせる事も日常茶飯事だ。

「ドンペリ飲もうか」嬉しそうに高級シャンパンの名前を口にしている院長を見て私は悲しかった。


"院長がキャバクラにハマっている"


その事実に全員がショックを受けた。


少しずつ従業員への態度も悪くなり、ボーナス支払いを拒み、常にイライラしているようだった。


そして、決定的な出来事が起きた。


不正請求の判明だ。


カルテの改竄が内部告発によって判明したのだ。


私はその事実を知らなかった。

院長は歯科医業停止処分を受け、医院は事実上閉院せざるを得なくなった。


「給料を支払えないから、辞めて欲しい。」

キャバクラの領収書が溜まるテーブルの上で、私は退職を告げられた。


私が退職を告げられた夜、院長はまた街へ出かけた。

大好きなドンペリを飲みに。



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