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第一話「たどり着いた先に・・・」

準備中

そこは神聖な空間だった。


ダンジョンの最深部という地下空間であるにも関わらず空気は清みきっている。


薄く発光する水晶の白い光に照らされ、その剣は台座に突き立つように納まっていた。


伝説の聖剣・勝利をもたらす者・祝福の刃・奇跡の一振り


数々の呼び名はと逸話を持つ世界最高峰の7つの剣の一振り。


神聖剣『エクスカリバー』


長らく行方不明だったこの剣の情報をたまたま入手した俺は今日ついにこの『厳罰の迷宮』を攻略してここにたどり着いた。


「・・・酷い目にあったぜ。」


この『厳罰の迷宮』には攻略に色々と難題を突き付けられる。

まず、お一人様専用のダンジョンなのだ。

複数人で入ったも入り口の転位陣で弾かれて別々にスタートさせられてしまう。


内容も酷い。

一階で死霊王、二階は古の巨人、三階は地獄の番犬、ETC、ETC・・・あげく最後は伝説の邪龍だった。


神聖剣がいるわ!


細かいところではアイテムしよう禁止とか装備以外と持ち込み不可とかある。


攻略させる気がないことはよ~くわかった!


そしていまここに俺は立っている。


正直に言おう、満身創痍だ!


身に付けていた魔法金属と魔獣皮の複合鎧はボロボロ。身体の傷は何とか癒したが聖気も魔力も気力もすっからかん、頭痛が痛いわ!


何より半神の親友に打ってもらった愛用の『雷帝の剣』が半壊。ある程度の自己修復能力はあるが流石に刀身が折れて宝珠にヒビが入ってしまった状態では回復は期待できない。


今ここで最後の試煉とかやられたら積む。


そんな状態だ。


多分ここを攻略するより魔王と戦い、決着をつける方が簡単だっただろう。


さて、何やかんやあったがたどり着いたのだ!

伝説の聖剣は目の前!罠の気配はない!

あとは聖剣に認められれば目的は達成だ!


念のため用心しつつ台座に近づく。


「これは・・・鞘か、ずいぶん立派だな。」


台座の根元には美しい彫刻の鞘が埋め込まれていた。

固定されているわけではないので取り出すのは難しくなさそうだ。


「聖剣の根元にメッセージがあるな、なになに?」


゛もう戦いたくないです。放っておいてください。゛


「・・・・・ん?」


目を擦る。もう一度読む。


゛もう戦いたくないです・・・゛


うん、見間違いではないようだ。

どうしよう。

すごく抜きにくい。これが最後の試煉か?


「う~ん。」


悩んだが手を伸ばす。柄に触る。


《イヤアアアアアアアアアアアアアアア!!!!》


「ぎゃああああああああ!!」


魔力低下と気力低下で弱った頭に直接響く絶叫!

コウカハバツグンダ!頭がズキズキする。思わず手を離してしまった。


「なんだ?バンシーの叫び声だってもうちょい優しいぞ?」


ていうか女の声?いや、幼い感じだった。少女の絶叫?

辺りを見回すが俺以外に人の気配はない。だとすると・・・


「剣がしゃべった?」


覚悟を決めてもう一度手を伸ばす。


《イヤアアアアアアアアアアアアアアア!!!!》


ぐっ!やはり頭に響くがなんとか我慢してた。不意討ちでは流石にきつかったが心構えさえ出来ていればなんとか耐えられる。


「ぐ、きつい。これは聖剣に拒否されているということか?」

《アアアアア・・あ、ゲッホゲッホ!》


あっ、むせたな。叫び続けるのはしんどかったらしい。


「大丈夫か?」

《うう、あまり動じない方みたいですね?・・・ゲッホ!》

「なかなか波乱万丈な人生でね。今さら剣がしゃべったからってそこまで驚いたりはしない。あれは魔物だったけど意思のある剣とかはみたことあるしね。」

《・・・ああ、今さらですが普通に会話できてますね。相性もバッチリと・・・。》


かなり不満そうだ。てか落ち込んでる?


「相性がいいのはいいことだと思うが?何か不満でもあるのか?」

《なんだか話せるかたみたいですね。改めまして私は『聖剣エクスカリバー』の化身、アルディーネと申します。お名前をお聞きしてもよろしいですか?》


自己紹介は大事だな。名乗ってくれたし。


「ふむ、これはご丁寧にどうも。俺はアーサー。アーサー・アルバトロス。しがない剣士さ。」

《・・・多分しがない剣士はここにはこれないと思うわ。》

「まぁそんなことはいいや。んで、何か俺に言いたいことがあるんだろ?聞くぜ?」


《・・・・お願いがあるの。私をもとに戻して帰って。》


ふむ、どうやら何か事情があるらしい。

準備中

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