永遠の世界
始まりは終わり、終わりは始まる。
果ては空の上
この世の作者の終わりの日
旅人の旅も終わるのでしょう。
とある世界のとある星でとある旅人は旅をしていたそうだ。
旅人だから旅をするのは当たり前なのだが…
この世界はどうやら分かりやすく一言で言うと黄泉の国らしい。
死んでしまったものがここにきて過ごし、この黄泉の国で死んだものはあの世に行くという感じだ。
「ようこそ、旅人かな?良くここにこれたね。」
整った顔立ち、漆黒の長髪、切れ目だが優しげな瞳…それが私にとっての第一印象だった。
私がおどおどすると彼は笑って困ったことがあったらここの人に聞いてねといってくれた。
「永遠という短い時を楽しんでね。」
この言葉が今でも忘れられない。
永遠なのに短いというところが…
まぁそれは置いといて。
私はその世界をたくさん見て回った。
花が咲き乱れ木々は生い茂り、なんていうか生きている世界だった。
面白いくらいに平和で、みんな優しかった。
とても楽しかったので私は時間を忘れ、気がつけばこの世界に溶け込んでいた。
そしてふと思い出す。
『永遠という短い時を楽しんでね。』
そう、彼の言葉だ。
私はそれで悩んだ。
何故短いのか……
ある時、私は不思議なペンをもつ人に出会ったのだ。
彼女は自分のことを「作者」と名乗った。
「作者」はこれから起きることをすべて知っていた。
ならばと思って私は聞いた。
何故、永遠なのに短いのかと…
彼女は答えてくれた。
「私が生きているまでの間は君達は消えない。だからだよ、だから短い永遠なんだ。自分が後何年生きられるかなんてのは分からないからね。」
彼はこれを知っていたのだろう………
そうか始まりが有れば必ず終わりがくるのか…
世界にも………
きっとこれを書いている「作者」の世界も…
「作者」が死んでしまうと残らないのか…
それは寂しいな…
だからここに書き記す…
私がいた証に…
旅人は旅をしていました
旅人だから旅をするのは当たり前ですが…短い永遠を旅する旅人は何かを探して旅をしているので、その何かを見つけたらきっと旅人ではなくなるのでしょう…。
「永遠というなの短い時を楽しめますように」
黒髪の青年は呟いた。