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幼馴染がいきなり遠くに行く宣言してきた

作者: 猫の集会
掲載日:2026/06/17

 あの日、いつものようにオレの部屋でくつろいでいたんだ。

 

 

 

 突然だった。

 

 幼馴染の彼女がいきなりボストンに行ってくるって言い出した。

 

 

 そりゃ、幼馴染の奈実なみの将来の夢は通訳とかだって聞いたことは、あった。

 

 でも…

 

 いきなりそんな…

 

 

「えっ、どれくらい?何年?」

「八十何…えっと、とにかく八十何…忘れたー」

 

 はあ⁉︎

 

 八十年も留学すんのかよ⁉︎

 

 帰ってくる気ねーだろ‼︎

 

 あっちで結婚するつもかよ⁉︎

 

 もうオレとはおさらばかよ⁉︎

 

「じゃあ、オレたちって…別れるの?」

「うん、しばしのお別れだね」

 

 …

 

 しばし?

 

 永遠だろ…?

 

「じゃ、行ってくるねー」

「おい、待てよ…もう行くのかよ⁉︎」

「うん」

 

 …

 

 えっ⁉︎

 

 えっ⁉︎

 

 今日なの⁇

 

 なんでそんないきなり…

 

 あー、オレがこうやってぐずるから最後まで言わなかったってこと?

 

「オレは…奈実の夢のためなら…そりゃ、応援したいけどさ…いきなりさよならは、ないって」

 

 涙がポロポロ溢れ落ちた。

 

 

「えっ…な、泣いて…る?」

「あたりまえだろ‼︎いきなり、そんなさよならってよ…あんまりだろ」

「あはは」

「笑ってる場合かよ?奈実は、オレがいなくても平気なんだな」

「うん。」

 

 …

 

「そんな…あっさりすぎねーか?」

「じゃあ、行く?一緒に」

「え、でも…オレパスポートない」

「いらないでしょ?てか、なにそれ?ふざけるにも、演技すごすぎ…涙とか。あ、洸太こうた役者とかになったら?てか、なれるよ‼︎素晴らしい演技だし‼︎」

 

 …

 

「演技なわけないだろ…。オレ、奈実が好きなんだよ。大好きなんだよ」

「はいはい。なら、手繋いで一緒に行こう。ね?」

 

 オレは、手を繋がれて階段をおりた。

 

「靴はける?」

「うん」

 

 …荷物もなんにも持ってないのに、このままボストン行けるのか?

 

 奈実の家は、向かいだ。

 

 奈実は、オレを自分の家に連れて行くみたいだ。

 

 玄関に入るのかと思えば、奈実はポストから、なにやら小さな荷物を取り出した。

 

「あ、きてる〜。化粧品ポチッたんだあ。来週友達と遊ぶのに、さっそく使おうっと。じゃ、洸太の部屋戻ろ」

 

 …

 

「え?」

「ん?」

 

 …

 

「来週?遊ぶの?友達と?」

「うん」

 

 …

 

「ボストンは?」

「は?」

「だから、ボストンに留学」

 

 …

 

「なに言ってるの?留学なんかしないよ?」

「でもさっき…行くって」

「ポストね?」

「えっ⁉︎八十何年ボストン行くんじゃ…」

「は?八十何円って…切手の値段聞かれたと思った。てか、ポスト行くだけなのにめっちゃ泣くからびっくりしてたの。そういうこと?」

 

 …

 

 え、オレって…

 

 彼女がポスト行くだけなのに、大泣きして…ついてきたの?

 

 ヤバいやつやん…

 

「あの…勘違いして…ました。」

「あはは、洸太…わたしのこと、大好きじゃん」

「あたりめーだろ」

 

 ギュ〜♡

 チュ♡

 

「ありがとう、洸太」

 

 チュ♡

 

 ポストの前で、チュッチュしているバカっぷるなのでありました。

 

 

 

 おしまい♡

 

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