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【NTR+裏切り≠ぼっち】捨てられた俺は、騙され搾取されていた君と、友達から始めました。  作者: いな@
第二章

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◆第55.5話 暗躍する者たち(山本先輩視点)

『高橋の手の者に先を越され、目的の人物は目を覚まし病院を連れ出され、かくりよ及び、かくりよ改の投与に至れませんでした。申し訳ありません』


 どう言うことよ! 何をしても起きないと診断されていたのは誤診だって言うの!


 ふぅ。落ち着きなさい凛。怒りで墓穴を掘るなんて低能な者のやることよ。


 何がどうなったか、最初から精査すればどうすればいいか見えてくるわ。


 ……そうあれは豪の狙撃後、レイの動きについて解析班がすぐ見て欲しいと見せられた。


 見た瞬間は何を見せられたのかわからないほど動画は衝撃的だった。


 見てからすぐに動き、医師に看護師、清掃員に薬剤師まで派遣したというのに……すべて水の泡ね。腹立たしい。


 そのままでは起きるとは思っていなかったから、かくりよ改で様子を見て駄目なら死んでもいいし、死亡確定のかくりよも投与を計画していた。


 万が一目を覚ましてくれたなら儲けもの、それをきっかけにレイとの仲を修復させられたかもしれないのに……。


 レイのアキレス腱は間違いなく妹。そこから切り崩していくつもりだったけど、ほんの数十分で計画は白紙、ね。


『あ、あの、凛様? 今後ですが、潜り込んだ私たちはどうすれば……』


「私がいいと言うまでそのまま息を潜めておきなさい。また使うこともあるかもしれないから」


『はい、ではそのように。失礼いたします』


 ブッとスピーカーが切れた。


 100インチのモニターに写し出されているのは、豪の頭が弾ける瞬間と、レイが狙撃を回避した場面が超スローで映し出されている。


 そして別モニターには探索者ギルドのグランドマスター、SSランクとして現役だった時の銃撃を避ける場面が、同じ超スロー再生で何度もリピートされている。


 超スローで再生していてもおかしい。何度見直そうとレイの方が早い。


 普通に再生するだけでは動きは見えなかった。そう、レイが画面から一瞬で消えるのだ。


 これが遠くからの撮影だから幸いした。動いた後の引き映像も残っていて、レイが動いたとわかったのだから。


 この映像でレイはSSランクと同等の速さでがあるってことがわかり、速いのだからそれは強さにも繋がる。





 欲しい。





 私の剣として盾として。





そして……。





 この先山本家を手にして、成瀬と佐藤家を飲み込むための駒として手に入ったなら、とさえ思っていた。


 Sランクの探索者を引き入れる計画は進んでいたけど、レイの動きを見れば雲泥の差。アスリートとヨチヨチ歩きの子供が100メートル走するようなものだった。


「聞いてる? レイの妹を連れ出した高橋家の向かった先は? 追跡しているわよね」


『現在、Eランクダンジョン方面に向かっていると思われます』


 は? 狙撃され、レイたちが待避したEランクダンジョンに向かってる? ありえないわ。


「はぁ、それはおかしいし、ありえないの。……ねえ、高橋家の隠れ家や所有する土地や建物はその方面にはないの? どう考えてもダンジョンへ行くはずないのよ」


『はい。ですが高橋の運転する車両もUターンして同じ方向に向かっているとの情報も入っています』


「私たちが把握できていない場所があると想定して動きなさい。良いわ――」


 ――ね、と言おうとしたところへ続報が入ってきた。


『ただいま高橋の乗った車がダンジョンへの道へ入りました。このままの尾行は厳しいかと』


「どうして? なぜダンジョンへ向かうの? おかしいでしょ! なんとしても尾行を続けなさい!」


『しかし、この先は例の件で民間人の避難が済み、警察が巡回していると、警察に潜り込んでいる御三家の手の者が言っておりましたので』


 チッ! ここで御三家に私が単独で動いていることをさとられる訳には行かない……どうすれば……。


「豪を撃たせたスナイパーに連絡を。現場に行かなくてもいいわ、高橋とレイの動きを探らせて」


『わかりました。ではそのように手配いたします』


 なぜ! どうしてそこのダンジョンなのよ! 警察から山本家への定期連絡まではまだ時間があるし、待つしかない……。


 ふう、少し考えを整理し直さなきゃいけないわね。


 黒いシルクのワンピース一枚を脱ぎ捨て裸になり、大理石の浴場へ向かい水のシャワーを浴びた。


 全身の筋肉が引き締まる。この感覚は始めてモンスターを倒した快感に酷似している。


 バカな(婚約者)たちをかくりよで狂わせ、精液を撒き散らす男の首をこの手で絞めた時の全身を駆け巡るゾワゾワとした感覚にもだ。


 はぁ、…………後の報告次第でもあるけれど、ここは一旦引くべきね。


 だったら……そうだ。かくりよ改を投与した聖一くんたちはどうなるかしら。起きて駒になってくれるかしら……ふふっ。


 期待せずに待つことにしましょう。どうせ捨て駒ですもの。どうなろうと知ったことではないのだし。


 シャワーの温度を上げようとしたその時、スピーカーが入る音が聞こえ――


『長門三久の乗ったトラックはEランクダンジョン方面に曲がりました』


 ――……せっかくクールダウンしたっていうのに台無しだわ。スピーカーを無視して水のまま浴び続ける。


 浴場にはもうシャワーが叩く水の音しか聞こえない。


 考えても下手な動きは下策だわ。警察とスナイパーからの報告を待つことにしましょう。

 読んでいただきありがとうございます。


 ブクマや★★★★★で応援よろしくお願いいたします。

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