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【NTR+裏切り≠ぼっち】捨てられた俺は、騙され搾取されていた君と、友達から始めました。  作者: いな@
第二章

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第92話 ムキムキは命の恩人

「外だ!」


「ふい~。空気が美味しいのです」


「早くシャワーを浴びたい気分ですわね」


 百階層を攻略して帰ってきたんだが、後半のアンデッド系がしんどかった。臭い的に。


 後半、ゾンビ、グールが出てヤバい臭いだった。食欲魔人のシオンが食欲を無くすレベルでだ。


 少し強くなるけどスケルトンやバンパイア、リッチーは臭くなくて助かったと思う。


 ボスはドラゴンゾンビで、部屋に入った途端吐き気が止まらなくなるほどで、力を試す余裕もなく、速攻で倒したほどだ。


 シオンがフレイムボールを連発し、シオリもファイアーボム、着弾と同時に爆発的に燃え広がる魔法を連発してドラゴンゾンビの核を剥き出しにして、俺が……あまり近付きたくなかったけど、身体強化トリプルを使い、オーガのこん棒で核砕いて数秒で倒した。


「ん? おお、お前たち無事に帰ってきたようだな」


「ただいまなのです。臭かったのですよ」


「ほう。そこまで行ったと言うことは七十階層を越えたということか。若いのにやるじゃないか」


「クリアしてきたですよ? 激臭ドラゴンやっつけてきたです。ふれいむぼーるで燃やしてやったですよ」


「何っ! 激臭、ってことはドラゴンゾンビをお前たちが!? それも三日で!? おいおい、そんなのはAランクパーティーでも一週間近くの予定を立てて攻略するんだぞ……すげえな最近の若者は……」


 いや、最近の若者はっておじさんもそこまで歳はとってないでしょ。どう見ても三十半ばで、まだ現役だと言われても納得できるムキムキおじさんだし。


「ぬふふふ。そうわたしたちは凄いのですよ! Sランクまっしぐらなのです!」


「はははは! Sランクか、おう、目指せ、俺は怪我してあきらめたからな。ほら、腕がこれ以上上がらないんだ」


 おじさんはタブレットを持ってない右腕を上げるけど、肩より上に上がってない。


「ぬー。おじさんムキムキで強そうなのにもったいないのです」


「おう。強いぞ。今復帰したSランク探索者、高橋と一時期共闘したこともあるんだぞ? すげえだろ」


「え? 高橋さんと共闘?」


「たかぴー?」


「まあ」


「おっ、兄さんたちはやっぱり知ってるか、ってたかぴー? 若い子にはそんな呼ばれ方してるのか? ま、まあ、探索者なら知ってないとだな」


「ですね。今の日本でたった二人のSランク探索者の一人ですし」


「その通りだ。でだ、これは俺の自慢なんだがこの怪我は名誉の負傷ってやつだ。まだBランクに上がったばかりで、今ほど強くなかった時に怪我を負って動けなくなってた高橋をタンクだった俺が助けたんだ。それもここのドラゴンゾンビ戦でだ。凄いだろ」


「あのドラゴンゾンビ攻撃を受け止めたのか……」


「ああ。そこに置いてある盾で受け止めたんだ。爪の後があるだろ? ミスリル合金の盾で売ればこの怪我も治ってたかも知れないが、売れなかったんだよな」


 ザックリと傷が入ってるけど、歪みもなく、まだまだ現役で使えそうなタワーシールドがダンジョンの入口に立て掛けてある。


 ミスリル合金って俺たちが使ってる武器より数ランク上の装備だ。


 買うとすればシオリを治した上級回復薬が何本も買えるくらいの値段になるんじゃないのかな……。


 それを売れなかったってことは、まだ……。


「ふおおおお! たかぴーの命の恩人なのです! ムキムキおじさん凄いのですよ! 復帰したらSランクのムキムキなのです」


「ムキムキおじさんって……まあ、修練は引退後も続けてるからな。未練がないとは言えないか」


「未練タラタラなのです……レイ、お姉ちゃん。このムキムキおじさんにあげていいです?」


「そうだな……駄菓子を店ごと買えなくなるけど、シオンがいいなら好きにしていいぞ」


「ですわね」


「何をくれるんだ? 駄菓子ならビッ○カツが好きだな」


「ビッグ○ツなのです? あるですよ……ほい。それとコレ飲むです」


「本当に持ってるのかよ。って……これは……」


「上級回復薬なのです。ぐいっと飲んじゃえばまた探索者できるのですよ」


「バカヤロウ! 上級回復薬って言ったら一本一億だぞ! そんなものポンポン人に渡すんじゃない!」


「ポンポンは渡さないのです。たかぴーの命の恩人だから渡すのですよ」


「はい。高橋さんは俺たちのよく知る仲間なので、その命の恩人になら飲んでもらいたいです」


「いや、しかし、俺が嘘をついてる可能性だってあるんだぞ?」


「いや、伊勢(いせ)さんは嘘なんてついてませんよね」


 おじさんの後ろから現れたのは――


「あ、たかぴーなのです」


 スーツ姿の高橋さんだった。話的にやっぱりこのおじさんは高橋さんの命の恩人のようだな。


「ん? …………ぬあっ! たっ、高橋! なんでお前がここに!」


「いや、ちょっと用事があってこの子たちを迎えに来たんです。そうしたら伊勢さん、あなたがいたってわけですよ」


「え? 高橋、この子たちが高橋の仲間って言ってたのは本当のことなのか?」


「ええ。弟弟子たちです」


「マジか……そりゃ、Aランクダンジョンを三日でクリアするわけだ……」


「おお、そうなのですね、レイくんたちは二つ目も順調にクリアしたようですね」


「はい。後一つは少し遠征しないと駄目なので、いつ、どこにするか考え中です」


「レイは富士山行きたいって言ってたのです。魔法使いたいーって言ってたです」


「こ、こら、バラすなよシオン」


「富士山ですか、いいですね。そうだ伊勢さん。その回復薬を飲んで現役復帰しませんか? 見たところまだまだAランクのタンクとして通用しそうですし」


「いや、だが、本当にいいのか?」


「飲むです。ムキムキ伊勢おじ復活なのです」


「あっ! お前たち戻ってきてのか! 頼む! ちゃんと話を聞いてくれ!」


 あ、紅の人たちだ……まだあきらめてなかったのか……。

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