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【NTR+裏切り≠ぼっち】捨てられた俺は、騙され搾取されていた君と、友達から始めました。  作者: いな@
第二章

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第89話 ナンパ野郎(紅○豚ではない)

 試験結果が出そろい教室はその話で持ちきりだ。


 クラスの三分の一ほどが職員室にランクカードの切り替えに行ってるのか、席がまばらに空いている。


「今日もホームルームが終われば解散だよな?」


「ええ。この後Aランクダンジョンに行くのも手ではありますね」


「タマちゃんのところに行って、ミクちゃん誘って行くです!」


「Aランクダンジョンか、シャトルバスが出てたし、そこは確か……九十階層が終わりだったよな……ミクを誘って行ってみるか」


「はい。学園のダンジョンより深いですが、マップと出現するモンスターもわかっていますから、対策は立てやすいですね」


「決まりだな。ミクにはギルドで待ち合わせできるようにメールしておくよ」


 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


 何事もなくホームルームが終わり、急いでミクと待ち合わせしている探索者ギルドに向かった。


 ギルドに入ると、やっぱりミクの方が先に待って……いた。けど、誰だろ? 見たこと無いな。


 背後で自動ドアがしまるのを感じながら三人の男と向かい合うミクの元へ足を進める。


「――たからさ、Bランクにもうすぐ上がる俺たち『紅の紳士』と行こうよ。友達待っても来ないんだろ? 戦い方も優しく手取り足取り腰取り指導してあげるし、ね」


「だーかーらー、もうすぐ来るって言ってるでしょ? わかる? お兄さん耳あるし聞こえてるよね? 友達もだけど、お兄ちゃんも来るの!」


 あれって、ナンパされてる! 俺の妹になにやってんだ!


「またまたぁ~、かれこれ三十分は一人でいたじゃん。なあ」


「いや! 触らないで! 警察呼びますよ!」


 一人の男がミクの手を掴もうと伸びるが簡単に避けている。


「そうそう、俺たちが入ってきたとき、可愛い子いるなって見てたからそれくらいは――」


「あ! お兄ちゃんにシオンちゃんシオリちゃん助けて!」


 こっちに気づいて振り向いたところで一人の男がミクの手首を掴んだ。


「なにやってる! 俺のミクに触るな!」


 一気に間合いを詰めて――バチン! とミクの手首を握っていた男の腕を払いのける。


「痛っ!」


「誰だお前! ギルド内で暴力振るいやがったな!」


「ちょ、ちょっと待て、お前大丈夫か? お、おい、それ、折れてるんじゃないか?」


 骨の折れる感触がしたから確実に折れているはずだ。


「イギギギ、痛っ、ヤベエ、絶対折れてる、なんてことしてくれてんだよ! アガ!」


「暴力の前にお前たちも、嫌がるミクを囲んでただろ! 腕が折れた? 自業自得だな。ミクの腕を無理矢理掴んでいたのを払いのけただけだから暴力ではないぞ」


「そうなのです! 中学生のミクちゃんを無理矢理誘ってたです! エッチな顔していたのも見てたのですよ!」


「あの程度で折れるなんて、鍛え方が足りないからではなくて? ギルドの中でナンパなんてせずに修行した方が良いですわ」


「うるせえ! こっちは骨が折れてるんだぞ! これじゃダンジョンに行くこともできないじゃないか! どうしてくれるんだ!」


「くぅ、おい、それより病院に連れてってくれ、ヤバいくらい痛いんだよ」


「やられっぱなしで逃げるのか! 俺たちはもうすぐBランクに上がる『紅の紳士』だぞ! わかってんのか!」


「紅○豚なら観たことあるですが、紳士は知らないのです。それにお兄さんたちBランクなのです? ……にひひひひひ。ほれなのです」


 シオンは探索者カードを取り出し掲げて見せる。


「え? は? お前がAランク?」


「俺たちもだ」


 そういって俺とシオリも探索者カードを取り出して見せた。


「確かに、掴まれていた手は払いのけましたが、嫌がる女性の手を握っていたお兄さんと、払いのけた仲間。いったいどちらに正当性があるのでしょうね」


「君たち、なにを騒いでいるんだ? 紅の、と、おお、お前たちか、さっそくAランクダンジョンを攻略したそうだな」


 声をかけてきたのは、昨日いなかった買い取りのおじさんだ。


「はい。お騒がせしてすいません。うちのメンバーのミクがこちらの三人に囲まれて、腕を掴まれていたから払いのけたんですよ。そうしたら……」


「ポキッと折れちゃったのです」


「あ、職員さん、なんとか言ってくださいよ、いきなり暴力振るわれたのは俺たちの方なんです。それも骨折するほどの暴力ですよ」


「そうだ、暇そうにしていたからお互い楽しく話をして時間潰しの相手をしていただけなのに勘違いしたんです」


「お、おい、マジでヤバいから早く病院、いや、救急車呼んでくれ、頼む」


「私、楽しくなんてなかったです! お兄ちゃんたちがもうすぐ来るっていってるのに! しつこくしつこくこの人たちが絡んできたんです! それに最後は腕を掴まれたし! お兄ちゃんはそれをパシッってしただけだもん!」


「ふむ。なら監視カメラを調べればわかることだな。とりあえず腕は……折れているのは間違いなさそうだ。簡単な治療もできるからみんな、ついてきなさい」


 おじさんに続いてまずは俺たちが進み、少し遅れて紅の人たちがついてくる気配がする。


 通された会議室みたいなところには、大きなモニターが置かれていた。


 あそこに映されるみたいだな。


「両者の言い分を聞く前にまずは監視カメラから見るぞ。適当に座って待っててくれるかな。痛み止めと腕を吊る布は……その端にある救急箱にあるから使ってくれ」


 おじさんはそう言うと、パソコンを立ち上げはじめた。


 俺たちは四人かたまって、モニターの近くにあったパイプ椅子に座り待つことにする。

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