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【NTR+裏切り≠ぼっち】捨てられた俺は、騙され搾取されていた君と、友達から始めました。  作者: いな@
第二章

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第88話 楽しくなってきたわね

「あなたたち、これから帰るの?」


 職員室を出てすぐに、用事が終わったのか、一緒に出てきた高田さんが聞いてきた。


「スーパー行くです! 駄菓子コーナーが待ってるですよ!」


「そ、そうなのね」


 シオンのテンションの高さにあきれてるのか、顔がひきつってるよ……。なれるまでは誰でもこうなるのかもしれないな。


「はは、スーパーも行くけど、その前に探索者ギルドに攻略の申請かな」


「ガーンなのです……」


 両手で顔を挟み、くにっと下に引っ張ってる。


 アレだ、なんとかの叫びだったか? ポーズはそれだけど……アレって引っ張ってたか?


「な、なら私も探索者ギルドに行こうかしら。学園のSランクになったし、プロ登録したいと思っていたし」


「ふにゅ、ランちゃんも行くですか? だったら一緒に行くですよ。あ、ランちゃんはBランクダンジョンのクリアはしてきたです?」


 ランさんはシオンの手首を手に取り、そっと顔から離してくれた。


「それはまだね。次の休みに予定しているわ。ってあなたたち試験当日にクリアしたそうね。先生があきれていたわよ、前代未聞だって」


「ああ。せっかく試験で特別にランク以上のダンジョンに入れたんだし時間がもったいないからそのまま、ね」


「理由がもったいないから、ね。じゃあ止まっていても仕方がないし、移動しましょう」


「そうなのです。行くですよランちゃん。早くしないとスーパーが閉まっちゃうですよ」


 いや、スーパーは夜遅くまでやってるからな。確か日が変わる直前まで開いてるはずだ。


 そういえば、泊まりがけのダンジョンだったから冷蔵庫も空なんだよな。あったものは攻略用に全部料理にして食べちゃったし。


 ミクがいればなにか買い込んでるとは思うけど、今はタマちゃんのところに行ってるはずだしな。


 今回も魔石を買い取りに出すからお金の心配もないし、今日はどうしようか……。


 ……魚にしようかな。ダンジョンの中ではずっとオークがドロップした肉を食べていたし。


 お刺身もいいけどみりん干しも好きなんだよな。食べ終わったあと、たまにゴマが歯に挟まってるときあるけどね。


 そうだ、シャケとバターとキノコが入ったのシオリが作ってくれたけど、アレなんて名前なんだろ?


「なあシオリ、アルミホイルで作ってくれたシャケとバター、キノコが入ったの、アレなんて料理なんだ?」


「ああ、それはシャケを使ったホイル焼き、またはホイル蒸しですね。今晩の夕食に作りましょうか?」


「頼めるか? ダンジョンは肉がメインだったからさ、魚が食べたくなってね」


「ふふ、でしたらシャケやタラ、エビも美味しいですよ」


「お姉ちゃん、わたしは全部焼き!」


「いいな、俺も全部焼きが食べてみたい」


「……なんだか美味しそうね。お腹が空いてきそうだわ」


「ランちゃんも来るですか? お姉ちゃんの料理は美味しいのですよ?」


「えっと、お邪魔よね?」


「はっ! も、もしかして大食いランちゃんなのです?」


「いえ、大食いと言うほどは食べないわよ? 探索者をしているから多少は多く食べられるとは思うけど……」


「ふふふ。でしたらランさんの分もスーパーで買って帰りましょう」


「そうだな、同じSクラスになったんだし、一緒にご飯くらいはいいんじゃないかな」


「だったら、お邪魔しても……いい?」


「おお! ご飯はたくさんで食べる方が美味しくなるのですよ! なのでスーパーに急ぐです!」


「ギルドからだぞ」

「ギルドからですわよ」

「ギルドから、よね?」


「そうだったのです……」







 ギルドで換金して、ランさんのプロ登録が終わり、スーパーで魚介類と野菜。一応肉なんかを買って……駄菓子もたくさん買いました。


 シオリが作ったホイル焼きで夕食を終わらせ、帰るランさんを見送ったあと、俺たちはリビングで感じたことを話し合っている。


「ランちゃんいい人そうなのです」


 シオンの感想は『いい人』だ。確かに今のところ不快感を感じる言動はない。


「そうですね。私もシオンと同じ意見です。が、タイミングが良すぎるのが気になるのも確かなんですよね」


「それなんだよな。転校生は佐藤先輩で予習済みとはいえ、今回は世界探索者連盟が絡んでくるかもしれないって話だからなぁ」


(ワールド)(エクスプローラ)(フェデレーション)なら私たちと同年代のものがいたとしても不思議ではありませんし、タイミング的に転校生。さらにはSクラスになれる人材です」


「いい人だけど注意しなきゃなのですよ」


「あら」

「おお」


「ん? どうしたですか?」


「いえ、シオンがちゃんと考えてるな~って」


「俺もそう思った。いつもなら、なぁ」


「二人とも酷いのです! わたしもちゃんとわかってたですよ!」


 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


『二人とも酷いのです! わたしもちゃんとわかってたですよ!』


「ふふ。本当に仲がいいわね。それで、私はどうすればいいの?」


「そのまま仲良くしていてください。まあ、この分だとパーティーに合流は無理だと思いますがね」


「それはそうよ。誰だって怪しいと思うものを身の内に入れたりはしないわ」


「その通り。ですからあなたにはソロでSランクを目指してもらいます」


「それが約束ですものね。いいわ、でもパーティーに誘われたなら?」


「それはそれで好都合ですからお好きにどうぞ」


「ふふ。やるしかありませんし、頑張るわ。あ、ここで下ろしてもらえる?」


「ここでいいのですか? アパートまで送りますよ?」


「少し風にあたりたい気分なの」


「では」





 路肩に停められた車から降り、歩道に入る。


 遠ざかる車のテールランプから目を離し夜道をゆっくり歩く。


 ふふ。楽しくなってきたわね。

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