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夕焼けの空模様

明と美鈴がほのぼのとしていたシーンから、明に召集令状が来て入隊するところまでを今日は書きます。

この回は美鈴の不安な色を夕焼けから空模様で表現しています。

「明さん、昨日ね、学校から帰る途中の夕日がきれいだったのよ」

「そういえば、僕は遅刻したから、先生に怒られていたから、美鈴さんが先に帰ったんだよね」

「もう、明さんが寝坊するから、一人で帰るのは寂しかったのよ」

「ごめん、ごめん。今日は一緒に帰れるよ」

「今日は晴れているから、夕日が見れるわよ、きっと」

「そうだね。美鈴さん」

「はい」



風は君を黄昏へと導く———



「じゃあ、帰ろう」

「今日も夕日がきれいだといいけど……」

「そうだね。きっと見ることができるよ」



僕も追いかける、君の面影を求めて———



「ほら、ここからきれいに見えますよ。明さん」

「本当にきれいだね」

「はい」

「そういえば、美鈴さんの夢は何かな?」

「もう、婚約旅行でも言ったでしょう」

「え、なんて言ったっけ?」

「もう、明さん、意地悪で言ってるの?」

「違うよ」

「ほら、子供をいっぱい作るっていったでしょ」

「そうだね、きっと僕たちの子ども達は可愛いよ」

「そうよ。明さん」



共に歩んできた道を振り返りながら———



「じゃあ、明さんの夢は何?」

「そうだね、美鈴さんと海に行っただろう。あそこで、子供たちと一緒に遊ぶことだね」

「それはいいですね。でも、私はちゃんと赤ちゃんを産めるかしら」

「大丈夫だよ。美鈴さんは安産型だから」

「それはどういう意味!」

「まあ、それはだね……」

「もう、私が太っているってこと?」

「違うよ」

「本当……?」

「ああ」

「もう、冗談でもそんなこと言わないで」

「ごめん、ごめん。美鈴さんは十分スマートだよ」

「本当? 明さん」

「ああ」



君は教えてくれた———



「明さん、ほら、夕日が沈みますよ」

「本当だね。空が茜色になったね」

「はい」

「そろそろ、星が見えるのかな?」

「そうですね」



愛とは尊いもの———



「あれ、空に雲がでてきました」

「本当だね、珍しいよ。こんなに天気が良かったのに」

「そうですね」

「そろそろ、雨が降らないうちに帰ろうか」

「はい」



決して忘れない———



「明さん、私達は幸せになれるのかしら」

「もちろんだよ。婚約旅行にも行ったじゃないか」

「そうですけど、あの曇り空を見ているとなんだか不安になって……」

「考えすぎだよ」

「そうですね」

「そういえば、戦争も日本が勝つころかな?」

「でも、時々、ラジオ放送が賑やかね。みんな活躍しているのよね」

「ああ、そうだよ。もうすぐ戦争も終わるさ」

「明さんは戦争にはいかないでしょ?」

「ああ、だって、僕はまだ大人じゃないだろう。高校生だからさ」

「そうですよね」

「そうだよ」



時が過ぎ去ろうとしても———



「明さん、ほら、雨が降り始めましたよ」

「本当だね。早く帰らないと」

「きゃあ、すごい雨が降ってきました。あれ、明さんどこ? 見えないの」

「ここだよ」

「どこですか?」

「ここだよ。ほら、すぐ近くにいるじゃないか。見えないの?」

「見えないです。それに何だか怖いです」

「ほら、一緒に帰ろう」

「もう、一人だけ置いていかないで」

「ごめんね」

「私を一人にさせなでね」

「もちろんだよ」

「約束よ」

「ああ」

「明さん……」

「どうしたの?」

「なんだか胸騒ぎがするの」

「気のせいだよ」

「そうだといいのですけど」


君のことを———



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