契り
前半はとてもとても、ほのぼのとしています。
でも、それは後半への伏線でもあります。
後半がとても切ないので、最後までお読みいただかないと良さはわからないです。
一気に書こうかと思いましたが、やはりスパム扱いされたくないので、ここまでにして、
読まれたら続きを書きます。
「美鈴さん、この間の動物園は楽しかったね」
「そうですね。サルや蛇、象、色々見ることができて楽しかったです」
「そうだったね」
「動物園は広くて賑やかだったね。美鈴さん。楽しかったかな?」
「はい」
「でも、少し疲れたね」
「私を自転車に乗せて重くなかったですか?」
「ああ、重かったよ」
明さん……
———
「失礼ね。そういえば、明さん、動物園に行ってキリンの話しをしたでしょ?」
「ああ」
「明さん。首を長くして、そう言いましたよね。それでは、私がキリンの首を短くしてあげる」
「本当? 美鈴さん」
「はい、私でよければ……」
「ありがとう。その言葉を待っていたよ。婚約ということでいいのかな?」
「はい」
「でも婚約はどうしてするのだろう……?」
「特に決まりはないと思います。ただ、結婚できる年齢が決まっていますから、その時期になって結婚ですね」
「そうなんだね」
「はい。でも、約束はできるはずですよ。本当に私でいいですか?」
「もちろん。とてもうれしいよ」
美鈴さん……
———
「結婚できるようになったら、いいお嫁さんになれるかな?」
「ああ、なれるに決まっているよ」
「でも婚約は早くないか?」
「明さんが言い出したのじゃないですか」
「まあ、そうだけど……」
「もう、女性に恥をかかせて」
「あ、ごめん泣かないで」
「恥ずかしかっただけだよ」
「本当……?」
「ああ」
「そうね。お猿さんみたいに顔が赤いから」
「言ったな」
「だって、本当ですよ」
「気のせいだよ」
「そういうことにしておきます」
会いたいです……明さん、会いたいです———
「わかったよ。じゃあ婚約旅行はどこに行こうか?」
「そんなのあるのですか」
「今、思いついたんだよ」
「でも、私たち未成年よ」
「大丈夫さ。俺の所は親がいないし、あとは美鈴さんだけかな?」
「う~ん、行けるかな」
「お母さんになんて言おうかな……?」
「友達の家に泊まるとかは? この間もそうだったじゃないか」
「そうでしたね。いい方法ですね。どこに行きますか」
「そうだね。あまり遠いところには行けないし。乗り物に乗るお金もないからね。そもそも高校生だから旅館には泊まれないよね?」
「そうですね。でも、近くでいいのではないですか? 自転車で行けるところとかはどうですか?」
「だけど、新婚旅行はどうするかな」
「またすればいいじゃないですか?」
「そうだね。その時にも旅行に行けるね」
「はい」
僕も会いたいよ。昨日、夢にでてきてさ———
「そういえば母が舶来品でテントという名前のものがあるの。そのテントの中で一緒に寝ることができるみたいです」
「そんなものがあるんだね?」
「はい。日本では珍しくて。たまたま、父が買ってきてくれたの」
「そうか、じゃあそうしよう」
「どこか広い広場がいいですね? そこにテントを張って泊まりましょう」
「いいね」
「お弁当を持ってきますよ」
「今度はオレンジジュースがいいな」
「頑張って作ってきますから」
「楽しみだね。そうだ、美鈴さんと初めて出会った広場がいいんじゃないかな? 広いし」
「そうですね」
明さん。戦争に行かないでください———




