ふたりの星
明と美鈴が交互に空に向かって想いを寄せる場面です。
少し読みづらいかもしれませんが、どうぞよろしくお願いいたします。
昭和二十年八月一日
静かな夜空を見て二人は互いに遠い地から想いを寄せた。
星がきれいだ。美鈴さん元気だろうか? 今、どうしているかな
ここは星がきれいです。明さん、辛くないですか———
また、美鈴さんの笑顔がみたいな
明さんこの間はありがとうございました。自転車で2人乗れました、あの時を思い出します———
いつもの優しい笑顔だよ
この間お会いした時に少し元気がなかったのが、気になります———
覚えているかな? 美鈴さんと婚約旅行に行ったよね
明さん、大丈夫ですか?———
あの時さ、キリンの首は長かったけど、案外早かったな
明さん、そういえば婚約旅行に行った時、木の下でお弁当を食べましたよね
おいしかったですか? 美鈴はもっとお弁当は上手になりましたよ。
また、明さんがおいしく食べる姿をみたいです———
ごめんな、あの時強く抱きしめられなくて、恥ずかしかったんだよ
明さん、キリンの首が短くなったでしょ。あれは最初から短かったの———
美鈴さん、出会って、一番、恥ずかしかった事ってわかるかな?
明さん、出会って、一番うれしかったことは、わかりますか?———
高校の時さ女の子と話していたら、やきもちやいただろ
あんな、恥ずかしいこと言わせるなよ
両手をつないでくれたことです。一番うれしかったです。———
おかげで、モテなくなっただろ。
自転車の後ろにのって、重いっていいましたよね? 今は軽いと思いますよ———
美鈴さん、責任をとってほしいな
明さんは、あの時のままでいてくださいね———
美鈴さんが赤紙を知らなかった時は、びっくりしたよ
明さん、体を大事にしてくださいね———
美鈴さんは今の状勢が知らなくて、心配したよ
明さん、出征前に公園で横になって、二人で過ごしましたね———
美鈴さん、空襲は大丈夫だったかな
明さんのことを思うと、不安で、不安でたまりませんでした。
無事で帰って来れるかと———
米軍機の空爆が心配だったから
明さん、実は銃撃機から撃たれて足を大怪我してるの———
美鈴さん僕は米軍空母に体当たりすることになっているんだ
もう生きて帰れないんだよ
明さんつらい、つらい。助けに来てください———
美鈴さん会いたい。今どこにいるんだ
明さん会いたいです———
婚約旅行でみた2人の星はきれいだったね
今も輝いていますよね———
そうだよ、輝いてるよ。
あの星で会いたい。そんな縁起でもないこというなよ
馬鹿だよな。俺のことを笑ってくれ
美鈴さん……
明さん……




