灯る。(後編)
どう?人生楽しい?
そう、頭の中に話しかけられたような気分だった。
大変だよね。能力なんか持ってるとさ。
頭の中に話しかけられたようだった。
どういうこと?
彼もまた、彼女に頭の中で話しかけた。
自分が特別でも思っちゃってるんでしょ
いや思ってないよ。なんでそう思うんだい?
不思議だ。彼はとても困惑していた。何に対してか、彼は自分以外にも超能力のようなものを使える者がいるとは思っていなかったからだ
私はね、君の顔タイプなんだよ。
急になんの話になったんだろう。彼はそう思った。
急になんの話、てかさっきの質問は?
まぁまぁさておき、さっきのはつかみだよ。キャッチていうやつ?君に話しかけるための口実を作るためさ。
どうだい?今の気分は。
もちろん最悪だ。
最悪だよ。
自分が特別じゃないとわかったからかい?
図星かどうか図星かもしれない。
そうかのしれないね。で、結局言いたいことは何だい?
ボクはねこれから、君の超能力をなくそうと思っているんだ。
なんで?
彼はクールそうにそう言うが、内心はとても焦っていた。
ただの趣味というかなんというか。ボクはね、人に超能力を与えて消すのが趣味なんだ。
そうか
でもね、チャンスをあげようと思う。ボクの彼氏になってくれ。顔がとてもタイプなんだ。そしたら、そのことをやめてあげよう。
そんなことでいいのか?彼はそう思った。
君の彼氏になるか、、、構わないが。顔なんて能力でいくらでも変えられるというのに。
じゃあ君は可愛い子の絵をかけるかい?つまりそういうことなんだ。練習すればできるが、練習したくないんだよ。だから君のような人が生まれるのに賭けている。
あっそう。わかった。じゃあ彼氏になろう。これでいいかい?
いいよ。じゃあ、泡になって。君はボクの一部となる。大丈夫。怖がらなくていい。長い、長い夢を見るだけさ。
彼は夢から覚めた。