第1話 始まり
書き物を投稿するのはこれがはじめてです。
文章等に至らない点があるかと思いますが、ご容赦ねがいます。
木々が生い茂る中、颯爽と走る。
「はっ...はっ...はっ...」
過ぎる風が気持ちい...
俺の名前はカイン、この小さな村で農業を営むじじの家で暮らしている。
幼いころにワケあって引き取られ今は二人暮らしの生活だ。そして今日は10歳の誕生日!
この世界では一生に一度10歳の誕生日にジョブ(職)が神より与えられる。完全にランダムで付与されるのではなくこの10年間の人生で培ってきたものに特化、近しいものに選ばれる。そして俺は物心ついた頃からモンスターの討伐やダンジョンに憧れていた。その時から戦闘職「剣士」のジョブを目指し日々鍛錬に勤しみ励んでる。
「ったく、遅いわね!待ちくたびれたじゃない!」
木漏れ日の中少し先に金髪のポニーテールを靡かせた女の子が腕組みをして立っていた。背は俺と同じくらい。
俺は呼吸を整えながら彼女に近づき
「これでも全力で走ったぞ?それにテルはジョブを授かって筋力向上しているんだからそっちが早いのは当然だろ?」
こいつは幼馴染のラーテル、ひと月前に10歳になり「剣士」のジョブを授かった。まあ昔から遊ぶときも何かをするときも一緒だった、なにせ同世代の友達がこいつしかいなかった。そのせいなのか俺が「将来はダンジョンに潜って名を馳せる!」と言ったら「あんたには無理ね!私がなるんだから!」とか言い出して...どうもこいつは俺に対して負けず嫌いなところがある。ただ、そのおかげで今日まで頑張れたというのがあるのかもしれない。
テルの両親はこの村唯一の商人。うちのじじが育てた作物やここの鍛冶屋でできた道具等を仲介して町や都に売って商売をしている。売上も上々のようで、この村のみんなと良い人間関係は築きあげている。信頼も厚い。これもジョブ「商人」の才能が開花されているものだと思う。あと、両親のいない俺を家族同然のように育てていてくれた事についてもとても感謝している。
「それじゃ、帰ったら約束通りケーキは私のものね」
彼女がにこやかにペロっと舌をだす。
「あげてもいいけど少しだけだからな」
もちろんあげる気は鼻っからない。
「あれ、すごくおいしくて甘いんだもん、それが年一回だけなんて我慢できないよー」
どうやらひと月前に食べた味が忘れられないらしい
「はいはい...」
育ち盛りのせいかこいつめちゃくちゃ食うんだよな。
一度、大食い競争をしたことがあったが僅差で負けた?記憶がある。。大きな皿に100枚以上のサンドイッチ。それを早く食べた方が勝ちというルールで両手でバクバク食べていたのだがテルのお母さんに行儀が悪いと二人まとめてげんこつをくらったことがある。その勢いで床に顔面が埋まってたような...あれはなかなか痛かった。俺が「勝負は引き分けで」と言うと彼女は大皿をガバっと持ち上げ残り全てサンドイッチを頬張り「もごっ もごもごもご!(私の勝ち!) 」なんてVサインを出してきた。その瞬間再度拳が飛んできたのは言うまでもない...
「ほらほら、早くしないと今度こそおいていくわよ!」
「はいはい、今いくから」
そして俺たちはその先の目的地である神殿へ向かうのであった。