ダンジョン系をローファンタジーと呼びたくない(個人の感想です)
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近頃、ローファンタジーランキングを確認すると上位はいわゆる『ダンジョン系』が占めている。
ところでローファンタジーについてだが、定義としては『現実世界に超常的なものが持ち込まれている世界観の作品』のことを指す。つまるところ、VRがハイファンタジーだとすればARがローファンタジーにあたる。
だが。私は今日のローファンタジーに物申したい。何故って? 決まっている。
結論から言おう。ローファンタジーを騙るなこのヴォ────
ともかく。私にとってすればダンジョン系はローファンタジーに見えないのだ。むしろ、『日本に酷似した世界観のゲームのお話』に見える。
ダンジョン系には往々にしてレベルやステータスという概念が存在する。はっきり言おう。それはゲームだ。
これは異世界系にも当て嵌ることなのだが、如何せんゲームと現実の区別がつかない人間が多いようだ。ゲームはプレイヤーがキャラ毎の強さを比べたり、ステージの難易度を測定・調整するために用意されたとても見やすい『数値化されたキャラクターの努力値』がレベル、ステータスというものだ。考えても見て欲しい。現実世界であのような数学的、コンピュータ的なシステム画面が現実に浮かび上がってくるとしたら。自分の存在価値が相手に筒抜けであるとしたら。僕なら怖すぎて生きていけないね。そんな世界滅ぼしたくなってまうがな。
人の価値が才能で決まる理論を推し進めたいステータス制度、なかなかに侮れない。ゲーム中に『お前レベルひっくwww』とマウントを取るのとは訳が違う。『お前頭わっるwwwゴミじゃんwww』と同義である。否、これでは甘いか。『お前の存在価値ハウスダスト以下だなwww』と煽られたらどう感じるだろう。私は無傷、というか人間の評価とかをあまりあてにしていない上にそもそもプライドがないので屁でもないが、このようなことを延々と言われ続ければ人によっては自殺するだろう。事実、ステータスなどが現れてしまえば、それこそ誹謗中傷の種となる。しかも大抵は主人公は雑魚扱いで煽られている。他の煽られて自殺してしまった、強かでない人にもスポットライト当てようか。
そもそも。ダンジョン系なるものは一昔前までのローファンタジーとは大きく異なる。真に面白い作品ばかりが出回っていたラノベ黄金時代のローファンタジー作品にはどれも魅力的なオリジナリティー溢れる設定があり、そのどれもが『魔法』や『超能力』を扱うものであり、我々はその厨二感溢れる設定にキャッキャウフフしたものだ。それが今ではどうだ。完全にゲームではないか。某剣芸術オンラインはしっかりとVRゲーム内でステータスがあった。これは当たり前の事柄として処理出来る。しかし現実世界でのステータスは別だ。
確かに、『俺何もしてないのに神様からチート貰ってウハウハだぜ! これで無双してやるぜ! 美少女はみんな俺にメロメロだぜ!』という感じのものよりは二億倍マシだ。レベル上げというたゆまぬ努力によって得られた力を行使するのならば結構。しかし、だ。
『レベルが上がった! スキルポイントでスキルを強化しよう!』
専門職の人に失礼ですね。彼らが汗水垂らして血のにじむような努力の末に獲得した奇跡の叡智、それをザコ敵倒しただけのくそイキリガキが『スキルポイントで勝手に出来るようになったぜ』では報われない。剣術スキルを上げて剣術が上手くなるということは、極めて剣を本気で学ぶ武術家の方々に失礼である。遊び感覚で極められるほど世の中甘くねえぞ。
とまあ、このように如何にも努力してこなかった人が『自分、やればなんでも出来末世』という感じの謎の勘違い(これこそ勘違い系)の末に妄想を膨らませて書き記したような怪奇的なダンジョン系作品。やれば出来るはやった後に出来て初めて成立する。やってもないのにやれば出来ると言うのは完全な過信に過ぎない。小学生みたいなのでやめよう。『やれば出来るもん!』が許されるのはガキまでだ。社会に出れば『やれば出来るもん!』と言えば『そっか。じゃあやれ。てかもうお前要らんクビな』で終了。流石、反面教師ですね!
まとめとしては、やっぱりステータスなんてものが現実にあるのはおかしい、に尽きる。悪いが、ダンジョン系をローファンタジーでやりたいというのなら、本当はハイファンタジーと名乗って欲しいが、どうしてもローファンタジーだと言いたいのなら、せめて『ダン〇ち』のように成長や友情を描きながら、ステータス画面なんてものはなしでやって欲しいと切に願う。この日ノ本の輝きを放つローファンタジー文化をどうか安っぽい量産型のクソゲーもどきにしないで欲しい。というか、ゲーム中でもステータスについてキャラクターが会話してるのなんて見たことないけどな。『成長』とか『力にする』とかそんな感じで話してるだろう。ステータス画面はプレイヤーだけに見えていて、キャラクターには見えていないのが普通だ。もっと、そういうところにも目を配って欲しい。