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ィ世界天龍;ドラグーン  作者: 鰹節の会
第一章 龍の肺は千年の時を刻み
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第一章 第十三話 【 祭り! 】




 祭りといったら、人は何を思い浮かべるだろうか·····。


 浴衣、射的、たこ焼き·····

祭りは夏の、代名詞·····


 「なんで·····なんで·····」


 大事な何かが欠けていると、酷く寂しい気分になるのは俺だけではない筈だ。


 つまり何が言いたいかというと─────



「なんで金魚すくいがねぇぇんだぁぁぁー!!」



 ちょっと思ってたのと違った祭りに、リョーガは天に叫んだ、


   そして、ヤケ食いを始めた─────







 「お、〝朽の使者〟様じゃねーが?ほれサービスで大盛りじゃぁぁ!くえくえ!」


「おっしゃぁ!いただきますッ!」


 屋台のスキンヘッドおっちゃんに、サービスで二本貰ったイカ(厳密にはイカに似た生き物)焼きを口に詰め込む───、



 「お!ティーちゃんをしょっ引いてきたあんちゃんじゃねぇか!?ほれ、これくえ!うめぇぞ」


「うりゃあ、いただキますッ!」



 屋台のハチマキ二本巻きのおっちゃんに、サービスで二杯貰った冷え砂糖水をゴキュゴキュ飲み干す───、


 祭りは、祭りじゃなかった·····。

祭りかって聞かれたなら確かに祭りだけど、どちらかというと忘年会だった。



「わっしょいバンザイうれぴーなー」


 渋い顔で二杯目の砂糖水を流し込むリョーガの前を、酒に酔ってへべれけのおっちゃんが千鳥足で流れていった───



 訂正しよう、これは忘年会だ──。



 「おうワけぇの!なにシケた顔しとんじゃァァ!祭りじゃ祝いじゃぁぁ呑め呑めェェェェ!」


「そうじゃそうじゃ、!めでてぇんじゃけぇぇ!飲めや歌えや踊れや踊れぃー!·····ヒック」



 通りがかった酔っ払いが、リョーガに酒の徳利を渡して、人混みに流れ去った。



「俺、17なんだけどなぁ·····」


「じゃあいいんじゃぁぁぇぇぇーー!」


通りがかった別のおっちゃんが、なんかなんかよくわかんない事言って流されて行った。

 この世界ではもう飲んでいい年齢なのかもしれない。


 ま、いっか·····。


チビりチビりと徳利から酒を口にふくむ。匂いも味も知らない酒だ。日本酒に近いのかもしれない。

 喉がカッと熱くなる感じに見舞われながら、屋台巡りを再開する。



 「これ喰えぇい!」

「おうよ!」


「削り氷じゃぜぇぇ!」

「おうよ!」


「おう、また来たんか!砂糖水二杯サービスじゃけぇぇー!!」

「おぉぉぉ!」



 夜は更けていく────







 喰って飲んで、騒いだ結果·····



 「よっしゃぁぁぁぁ!!コールいくどぉぉー!」


「「おぉぉぉうぅ!!」」


「ハイ!体に体に体にお酒を?」



「「グイッグイグイググイ!あーそれそれ!」」


 村人達をぐるりと見回して、手を叩く。


 「テメェらぁぁ!ハイ!イッキイッキ!」


「「うぉぉぉぉぉお!!」」



「おいリョーガ·····うわっめた酔っとるアイツ·····」


 あ、コロルとアルティマだ····呑ませてあげないと。


「ほらコロルゥゥゥのめのめぇぇぇぇーーー」


「「ほらのめのめーーー」」


「うおっ!?なんだテメェら!うわっ、酒臭ッ!?飲まねぇって!ちょ、やめ、ギャァァ!?」


「お父さん、頑張って·····」


「え?ちょ·····ティー!?助け──ボボっ──飲まねぇよ!呑ま──ぐべべッ───ちょ、かけんな!酒───おい!!ティーー!·····」


 お、呑んでる呑んでる·····



 「「おいしいかもーーーーー!」」




 喰って飲んで騒いだ結果、リョーガは悪酔いした────


 「やめっ!もう飲ま────おいリョーガぁぁ!コイツらを止め────オレの頭に酒をかけるなァァァーー!!」







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