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かつてないほど幸せな  作者: 日曜日夕
不幸な奴隷
6/39

番外編その1~荒野~

本編に入れられなかった部分を集めました。

テンポ重視なので台本形式です。

話の本流の補完にはなるかも知れないですが、読まなくても全く問題ないです。


【登場人物紹介】


 ミチル……異世界に流れ着いた不幸を背負った高校3年生。バラ色の大学生活を送りたいので家に帰ることが第一目標だが、コゼットさんをこのままにしておけないと思い始めた。ボケとツッコミ両方の性質をあわせ持つ。好きな食べ物はチーズバーガーと鮭の皮。


コゼット……異世界で処刑されそうだった奴隷の少女。命の恩人であるミチルが家に帰る方法を探すのを手伝ってくれるという。身の危険が遠のくに連れ、生来の天然な言動が目立ち始めた。好きな食べ物はミルクのそば粥。


  サイ……まだ本編で二言しか喋ってないのに番外編に出るという傾奇者。馬丁とは馬の世話をする人のこと。黒マント、トライコーン、咥えタバコ、義足とどう見ても賊にしか見えないその身なりは、義足以外全て彼の趣味である。好きな食べ物はぐじゃ肉どぺら煮込み。

【その1】コゼット



~大運河の岸~



  ミチル「ところで、名前って『コゼット』さんでよかった?」



 コゼット「はい。孤児院の子からはジジって呼ばれてますけど」



  ミチル「ジジ?」(ニックネーム的なあれか?)



 コゼット「ミチルもそう呼んでくれていいですよ?」



  ミチル「……」



  ミチル「…………」(←学校では男子ばかりでつるんでいたタイプ)



  ミチル「………………コゼットさんで」



 コゼット「えぇー!?なんでですかぁ!?」






【その2】ミチル



~大運河の岸~



  ミチル「俺ってあんまり人のことアダ名で呼ばないタイプだし……」



 コゼット「そうなんですか?じゃあ私が付けてあげましょうか?」



  ミチル「いや、いいよ別に」



 コゼット「ミチル、ミチル……ミチル?ミチルとは何か?」



  ミチル「そんな真剣に考えなくても」



 コゼット「あ、そうだチルチルとかどうですか?」



  ミチル「やめろ」



 コゼット「え?」



  ミチル「二度とその名を呼ぶんじゃない。俺は『ミチル』だ」



 コゼット「は、はい……」




【その3】盗賊!?


~洞窟最奥~



   サイ「お前は……コゼットか?」



 コゼット「ふへえッ!?誰!?」



 コゼット「なんで私の名前を知ってるんですか!?」



 コゼット「追手!?追手ですかっ!?」



  ミチル「コゼットさん、どう考えてもこの人盗賊だよ!?」



 コゼット「と、とととと盗賊!?」



   サイ「いや、盗賊じゃねぇけど……」



 コゼット「助けて!助けて憲兵さん!」



 コゼット「あ、ダメだ。憲兵に追われてるんでした」



 コゼット「どうしましょうミチル!?」



   サイ「落ち着け」



  ミチル「コゼットさん、とりあえず落ち着こ?」



 コゼット「盗賊さんんん……どうか命だけはお助け下さいぃぃ……私が見つけた財宝の半分あげますからぁ……」



サイ・ミチル(がめついなコイツ……)





【その4】サイ


~洞窟最奥~



   サイ「……という訳で、ここは俺のご主人様の『隠し金庫』で、俺はその金を引き出しに来た、ただの馬丁(ばてい)だよ。憲兵でも盗賊でも無ぇから安心しろ」



  ミチル「安心できる訳ねぇだろ。なんだその格好は。ジョン・シルバーかよ」



   サイ「誰だよ。俺の名前はサイだよ」



 コゼット「その、ジョンさんは何で私の名前を知ってるんですか?」



   サイ「サイだっつってんだろ。俺が知ってんじゃなくて、ご主人様がお前の事を知ってんだよ」



 コゼット「ご主人様って、誰です?」



   サイ「聞いて驚くなよ?俺のご主人様は、ヘドニア王国モルベリア辺境領領主マクベス・モルベリア様だ!」



ミチル・コゼット「……誰?」



   サイ「知らねぇのかよ!?」



 コゼット「いや……貴族様の名前なんて、王様くらいしか知らないですよ」



  ミチル「まぁ、俺も隣の県の知事の名前とか知らないしな」



   サイ「ぐっ……」



   サイ「…………」



   サイ「……いや、よく考えたら俺もマクベスさん以外の貴族なんて知らんし、そりゃ知らんわな」



 コゼット「そうですよ。貴族だって市民や奴隷の名前なんて一々覚えてないでしょう?」



  ミチル「え?でもそのマクベスって人は、コゼットさんを知ってるんじゃないの?」



 コゼット「……あ、ホントですね。ジョイさん、何故アナタの主人は私を知ってるんですか?」



   サイ「サイだっつってんだろ」





【その5】不思議なこと1


~洞窟内通路~



   サイ「……しっかし、不思議だなぁ」



 コゼット「何がですか?」



   サイ「いや、この『隠し金庫』なんだが、なんでお前ら入って来れたんだ?入り口は塞がっていたはずだぞ?」



  ミチル「普通に開いてましたけど」



   サイ「ホントか?うわ、魔法とか弱くなってんのかな?後でマクベスさんに伝えとくか」



 コゼット「魔法!?魔法が使われてるんですか?」



   サイ「ん?あぁ、金庫の入り口を開けるには、『合言葉』と『鍵』と『構え』の三重認証が必要でな。決まった手順に従って認証されると、塞がっている大岩が動くっていう簡単だが強力な魔法だ。今まで勝手に開いてるなんて無かったんだが……」



 コゼット「合言葉、鍵、構え……」



   サイ「ああ、この荒野に咲く希少な花の実を捧げ、洞窟の中で決まったポーズで解錠の呪文を詠唱するんだ。おっと、これ以上は言えねぇな」



  ミチル「……」



  ミチル(アレ(・・)、毎回やってんの!?)




【その5】不思議なこと2


~洞窟内通路~



   サイ「……しっかし、不思議だなぁ」



 コゼット「また私達何かしました?」



   サイ「いや、お前ら、よく都からここまで歩いてこれたな。魔獣(モンスター)には遭遇しなかったのか?」



  ミチル「モンスター?龍なら都で見ましたけど」



   サイ「龍!?お前ら龍見たのか!?」



 コゼット「姿は見てませんけどね。大運河を泳いでる時に、川から飛び出したらしいです」



   サイ「……お前ら、それでよく無事だったな」



  ミチル「多分、あっちからしたら、俺達なんて道端の石ころみたいなもんなんじゃ無いですか?わざわざ襲うまでもない、みたいな」



   サイ「俺は遭ったこと無いから断言はできんが、龍は動くものを見境なく襲うとも聞くぞ?」



  ミチル「個体差ですかね?」



   サイ「……いや、今は龍のことじゃ無くてな」



   サイ「この荒野には、凶暴な魔獣が大量に棲息していてな?三日月湖に潜み旅人を狙う巨大亀(アーケロン)、上空から目にも留まらぬ速さで襲い来る大怪鳥やグリフォン、強力な麻痺毒で獲物を仕留め、生きたまま喰らう毒蛇に大蠍……挙げていったらキリが無い」




   サイ「そんなんだから、ここは『死の谷(トレオ)』なんて呼ばれてんだ。今向かっているモルベリアが、直線距離じゃあ都から一日とかからず行けるのに辺境領(・・・)なのは、そのせいでもある」



 コゼット「うわぁ、良く無事でしたね私達」



  ミチル「やっぱり今日はツイてるな俺達」



   サイ「はぁ……知らぬがなんたらって奴か、呑気なもんだな」



 コゼット「でも、サイだって無事にここまで来れてるじゃないですか。だったら、そんな危なくないんじゃ無いですか?」



   サイ「ん~……まぁ、俺にとっちゃ庭みたいなもんだからな。がっはっは!」



 コゼット「じゃあもう安全ってことですね?」



   サイ「もちろん、お前らは責任持ってマクベスさんの元に届けるからな!」



  ミチル(コゼットさん……)



  ミチル(その人、絶対に普通の人間じゃないから。片足なのに金貨が詰まった宝箱を両手に3つずつ抱えてるから。筋肉の擬人化だから)


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