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短編とかその他

ありがとう(ありがたくない)

作者: リィズ・ブランディシュカ



 檻の中に入れられた私達は、首に繋がった鎖を揺らしながらぼんやりと鉄格子の向こうを見つめようとする。

 でも、分厚い布で覆われているため、ぜんぜん外は見えないよ。

 

 風で揺れたり、すりきれて穴があいたりしないかな。


 今日の教育はまだもうちょっと先だ。


 だから、とっても暇。


 馬鹿で愚かでどんなに救いようがない人でも、教育をきちんと受ければ賢くなれるらしい。


 だから私達は、それを知ってからここのところ、ずっと教育に夢中。


 だって賢くなって、皆の役に立つ事が、私達の存在が許されるゆいいつの贖罪方法だから。


 とっても頑張らなくちゃ。


 私達は、ずっとこの檻の中でしか生活できないけど、


 とても恵まれた環境にいるらしい。


 夢は抱けないけど、生きていける。


 自由はないけれど、死んだりしない。


 成長は望めないけれど、必要とはされている。


 だから、私達は今日も幸せです。


 先生こんにちは。


 世界中から忌み嫌われて、石を投げられて、死んで当然の罪深い命ですが。

 そんな私達を生かしてくれてありがとう。


 私達はさっそくお勉強の教科書を用意。

 今日はどこの部分を教えてくれるのかな。


 頭の良い先生は、今日も私達には分からないかしこい言語で他の先生とお話してる。


「逃げ出したりしないようにしっかりと見はっておくんだ。普通の子供の生活なんて絶対に見せるなよ」



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