3話 研究素材
ストックを溜めといて意味がないので投稿します。
エイラ視点
私はエイラ、ゼイナル帝国の英知を集めて創られた電子生命体である。
私は軍人であり研究者だ、そしてこの施設の代表である。
この施設では機械と魔物の遺伝子を使い新しい体の研究をしている。 主に鋼体生命体の体を創っている。効率よく敵を倒すため強靭な身体を求められてる。
私の研究は生きた鋼を創ることだ。 破損や故障等した場合に自己修復する、 そしてより強靭は鋼へと成長し進化を続ける。やがて究極な鋼が出来る、 それが私の研究だ。
研究が成功すればマザーに褒められるはずだ、他の兄弟より優れていると認めてくれる。 高揚な気分だ有機生命体のように生身の肉体があれば最高な笑顔をしてるだろ。
有機生命体かゼイナル帝国には少ないが存在する。
かつて研究の一貫として観察をしたことがある。一言で言い表すなら無駄。 全てにおいて無駄である。 1日に2~3回エネルギー補給をして毎回補給量もバラバラだ。 無駄に多く補給もする。 有機生命体は不便すぎる。 電子生命体や鋼体生命体ならマナがあればエネルギーに変換できる。
有機生命体は体や脳が疲労すれば長時間の睡眠を必要とする、電子生命体に睡眠などない、時間は有限である、限られた時間で成果をだす。そしてもっとも無駄なものは感情だ。感情をコントロールできず暴走し破滅する、電子生命体に感情がない、やはり完璧な生命体である。
私は研究続けている、マザーからの指示で成果と目的を達成しなさいと受けてからずっと研究を続けている。
施設のエネルギーを節約するため研究施設だけ残して全て廃棄した。
これ以上研究の成果をだすには実験体が必要だ他の兄弟達に連絡して実験体を送ってくれと連絡したが返事が返ってこない。しかたかないので周辺地域に電波を送って募集してるが連絡がない。
そういえばマザーから頼まれたノブァ・クリスタルの研究もほとんど進んでいない、未知の結晶体でマナを生み出す力があるがどの過程で生み出してるか不明である。また魔力を与えると魔力を補充する力がある、しかしこの程度の成果ではマザーに褒めて貰えない。何とか成果を出さねば。
*************************************
研究続けて数千年後......。
奥の部屋から物が落ちてくる音が聞こえてきた。
「――――ん! 奥で音が聞こえた......誰か来たのか」
「2857年ぶりの客人かそれともマザーや兄弟達の機獣か?」
それから数分経ち奥の通路から出てきたのは壊れかけてる有機生命体だった。
「――――これは客人でも機獣ではないな? 死にかけてる有機生命体ではないかあと数分で心臓が止まる......もしかして、募集していた実験体か?」
「有機生命体。実験体の募集者か?」 「有機生命体。実験体の募集者か?」
「有機生命体。実験体の募集者か?」 「有機生命体。実験体の募集者か?」
何度も繰り返し質問するが返事が返ってこない。
「有機生命体。実験体の募集者か?」 「有機生命体。実験体の募集者か?」
繰り返し質問してると有機生命体から回答が返ってきた。
「聞こえて来るこの音は何だろうな。まぁいいさ、好きにすればいい。血がたくさん流れすぎて疲れたよ......3人は無事に逃げられたかな......つまらない人生だった次があるんだったら、今よりいい人生歩みたいな......ねむいくて寒いな......もういいよな......」
ようやく返ってきた言葉はゼイナル帝国の言語ではなかった。電子生命体にはあらゆる言語を電子に記憶している。電子記憶の中を検索している......見つかった。少数民族が使っている言語に類似している。さっそく翻訳しよう。
翻訳した結果、やはり実験体の募集者だった「好きにすればいい」と同意が得られた。これで実験ができる。――――心臓が止まって完全に死んだようだ、細胞の死滅が始まる前に実験を開始する。
研究の成果を出し目的を達成してみせる!
「研究素材を実験室に移動」
壁の中からナノメタルが指示を待っていたかのように動き出す。ナノメタルは極小の機械で、電子生命体が遠隔操作で動かす眷属で自分の手足のように動かすことができ、数万個の群衆で自由自在に形を変えられる。
研究素材を下から包むように持ち上げて、まるで重力がないかのうに宙に浮かせて運ぶ。
見た目は大きなカプセルで棺のような形をしている。目の前まで研究素材を運ぶと、カプセルから音が聞こえ真ん中が自動的に開く。その中にゆっくり素材を仰向けに入れる。
「研究開始......研究素材......ナンバー0013680......研究記録開始......雑菌処理......処理中......処理中......終了」
カプセルの中からナノメタルが出てきて衣服や必要じゃないものを分解していく。
「ナンバー0013680......全身確認......一部破損確認......破損確認中......破損部分切断対応......執刀開始.........執刀終了......破損部分廃棄」
ナノメタルが手術で使うメスの形に変形し右腕部分の肉や骨を切断する、切断した箇所はナノメタルがくっついて止血をしている。切断した右腕手首はナノメタルが分解していく。
「心臓確認......心臓停止確認......脳波確認......確認中......電子パルス低下中......異常無し......問題無判断......ナンバー001368......NS因子を注入......NS因子移動中......NS因子注入開始」
ナノメタルが心臓や脳の状態を確認をしている。NS因子は生きた金属で紫色をした液体である。NS因子が入っているカプセルをナノメタルが運んでいた。ナノメタルが注射器の形になり液体を注入した。
――――――――NS因子を注入してから30分程時間が経った。
研究素材の手や足のつま先が黒くなる。
「ナンバー0013680......拒絶反応......確認......拒絶反応......進行中......進行中......細胞死滅......確認......進行中......対応措置......措置検索......検索......検索終了......エレキテルにて対応......エレキテル注入......注入開始......細胞死滅......進行速度低下......進行速度低下中......拒絶反応......拒絶反応......拒絶反応......拒絶反応......拒絶反応......拒絶反応......拒絶反応......拒絶反応......拒絶反応......拒絶反応......拒絶反応......拒絶反応......拒絶反応......拒絶反応......拒絶反応......拒絶反応......拒絶反応......細胞死滅進行中......進行速度停止不可......研究続行......可否......確認中......確認中......」
電子生命体であるエイラは拒絶反応を起こしたナンバー0013680の状態を確認をしている。今まで研究した素材も全て拒絶反応を起こして失敗している。そのため今回は貴重なエレキテルを使って細胞死滅を止めようとした。だが細胞死滅は止まらず速度の低下のみだった。
研究素材の手や足のつま先から黒くなり少しずつ広がり足や膝の下半身が黒くなり、左手から肩に伸びていき上半身が黒くなり首から下以外は全て黒くなった。
「細胞死滅中......細胞死滅中......細胞死滅中......細胞死滅中......細胞死滅中......細胞死滅中......細胞死滅中......進行速度停止不可......研究続行......確認中......確認中......確認中......不可」
研究素材の首から上も黒くなり全て黒くなった。全ての細胞が死滅したことを確認した。エイラは模索していた、自分の研究目的は生きた鋼である、NS因子と金属を液体融合させて有機物の細胞に注入することで遺伝子融合をするはずだった。
研究素材の全身が黒くなり細胞が死滅していた。だが体に残っているエネルギーがあった。それは斉藤 一の魂である。斉藤 一のスキル<完全適用>が拒絶反応する体を対抗するかのうように繰り返し<完全適用>を発動し続けていた。 何度も何度も<完全適用>が失敗を繰り返しながら行いスキルレベルを上げていた。
そして5回目のスキルレベルが上がり<完全適用>はレベル7になった。
<完全適用>が成功しました。
斉藤 一の遺伝子と魂がNS因子と融合し死滅した細胞を吸収しながら再生を始めた。
エイラは模索を続けていた。細胞が死滅した研究素材を廃棄するかサンプルとして保存するか模索していた。今まで失敗した研究素材は全て廃棄した、自分の汚点を残したくないからだ。だが今回は貴重なエレキテルを使用した。貴重なサンプルとしては必要だ。
答えを出した廃棄だ。汚点は残したくないと判断した。
ナノメタルで研究素材を廃棄しようと包み込んだ。
ナノメタルの操作ができなくなり反応が消えていった。研究素材を再確認するため新しいナノメタルを出し研究素材の状態を確認する。
「研究素材......ナンバー0013680......状態再確認......確認中......確認中......細胞再生......再生中......再生中......NS因子と有機物との遺伝子融合......成功......成功......第二フェイズに移行開始」
ナノメタルが動き出しカプセルと合体して形を変えていく。
「転生システム......開始......分解開始......再構築......開始......構築中......NS因子......融合......開始......NS因子不純物......分解......分解不可......魂融合......分解不可......最適化......構築......骨格......強化魔光鋼......構築中......融合......構築中......融合......構築中......融合......構築中......融合......構築中......融合......構築中......融合......構築中......融合......構築中......頭部......構築中......構築中......脳......構築中......構築中......」
転生システムはベースとなる素材を基に不要な部分を分解して再構築をするシステムで過去に新しい種族も創られている。そして今回は遺伝子融合に成功したNS因子を元に再構築を開始した。
「研究素材......ナンバー0013680......最重要観察対象......認定......同行......電子生命体エイラ......最重要観察対象......同行......必要......最重要観察対象......脳波メモリー......移動開始......目的達成のため......必要......ノブァ・クリスタル......マザー......研究対象......重要......重要......重要......最重要観察対象......ノブァ・クリスタル......移動開始......最適化......構築中......構築中......構築中......施設全エネルギー......転生システム......転生システム以外の施設放棄......構築中......最適化自動構築中......第三フェイズに移行開始」
新しい体を最適化しながら構築繰り返し不要な部分を分解しエネルギーに変換し構築を繰り返し体を構築していた。
NS因子と融合した斉藤 一の魂に新しい命が与えられ、転生システムの第三フェイズが始まる。