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15話 研究と食事

 エイラ視点


 ロキは毒キノコを無理やり食べされて、状態異常の実験台になっている。そして今はベッドでスリープモードの状態になっている。スリープモードの状態は人間でいえば仮死状態に近い心臓は動いておらずマナを吸収し生命活動を維持している。今のロキを見た人が居れば死体だと思うだろ。息もせず目も閉じてる状態で心臓も動いていないのだ誰が見ても死体だ。


 そんな様子のロキをナノメタルで視覚を使い身体の異常がないか確認している。食べさせた毒キノコは魔物でも致死量になる量だった。身体が無機物で出来てる種族であれば身体の一部が錆て徐々に身体全体へと蝕んでいく。それを平然とやるエイラは異常である。


 ⦅ロキ二等兵の身体の状態を確認中......皮膚に異常無......錆の傾向無......状態異常を確認......毒状態......実に興味深い身体だ、機械、無機物で構成された身体だが有機物のように成長をする。そしてこの毒状態だ本当に不思議だ。NS因子とは一体......そしてナーガウロボロスの強さの秘密......この身体は未知の秘密が多く隠されている。検索できた機能は暗視機能・視力強化機能・聴力強化機能・スリープモードだスキルではないこの身体の機能だ他にもまだ見つかっていない機能があるだろ。実に興味深い⦆


 毒状態の身体を放置し数時間が経った。毒でHPを減らしスリープモードでHP回復し身体機能で毒の中和をする。身体機能で失った魔力はマナを吸収して回復を繰り返し循環していた。


 エイラはずっと観察していた。ずっとずっと見ていた。転生システムの中から始まり興味深く観察していた。上官である私への言論や侮辱。たかが研究素材に残っていたエネルギー......有機生命体の言葉で言えば魂だ。不思議のことばかりだロキの身体に移動して僅かな時間しか経っていないが私にも影響が出ている。ロキが見たものや感じたものが伝わってくる。私への侮辱もだ。全く腹が立つ......なんだこれは最近、私の思考や言論もおかしい.......こいつを見てると.......くっ、もっと実験を増やしてやる。


 窓から日の光が差し込んでくる。外では飯屋の仕込み等の人達が動き出していた。


 ロキの様子を確認をする。毒状態は完治しHP・MPや体調は全快している。


 ⦅そろそろスリープモードを解除して、今日もロキを観察するか......うーーん、また思考がおかしい⦆


*************************************


 ロキ視点


 ⦅スリープモード解除......ロキ二等兵起きなさい⦆

 

 息もせず死体のようだった身体が僅か動き出す。深く閉ざしていたまぶたが開いていく。


 「あ、あれなんでベッドに......ど、毒キノコは?」

 まだ脳が活性していないのか喉で発声して、思い出しながら身体を確認する。最後に口を手で触れながら調べ毒キノコの感触を思い出す。


 徐々に記憶が蘇り思い出す。


 ⦅エ、エイラ少佐。昨日? 昨日でいいん......ですか。うーーん。毒は毒キノコは⦆

 昨日のことをロキにとっては一瞬のことだ、わけがわからないが毒キノコのことを質問している。


 ⦅ロキ二等兵、素晴らしい研究結果でした。毒に関しては完治しました⦆

 ⦅えっ、毒が完治した......毒状態になったんですね⦆

 ⦅そのとおりです。結果として錆ではなく毒状態でした⦆

 ロキは大きくため息をする。


 ⦅はーー。毒キノコの感触が味がぐちゅぐちゅで気持ち悪かった⦆

 ⦅ロキ二等兵。今後もこの実験は続けますので毒キノコは必ず採取するようにしなさい⦆

 早く忘れたいと思ってたロキは驚愕する。


 ⦅ど、どうしてですか実験は終わって、素晴らしい研究結果がでたのでは⦆

 ⦅だからこそ実験を続けます。撤回はありません⦆

  また毒キノコを食べろと強制され、食べたくないのに自分の手で採取しろと強制される悪夢。毒で死なないことが分かり終わることのない悪夢に絶望する。


 毒キノコが続くと呆然しているロキに会話する。


 ⦅ロキ二等兵。武器と防具を装備してますから変更があるはずです。ステータスの確認をしなさい⦆

 エイラは変わらず冷淡に冷酷に会話をする。


 ロキはエイラ少佐の声を聴きながら整理した。そして毒キノコのことは諦めようと決意する。いつかきっと報われることがあると信じ何度も信じよう。


 決意を胸にステータス・オープンと念じる。

  

 *************************************


 名前      ロキ

 種族      混成鋼体(こんせいこうたい) 

 性別      男性 

 種族level   level4  

 職業      なし

 称号      異世界人 転生者

 HP       458 

 MP       210/238

 腕力      97(67+30) 

 体力      112(57+20+15+15+5)

 俊敏      142(72+15+15+20+20)

 魔力      47

 精神      49


 装備

 武器

 右手      鉄の短剣

 左手      なし


 防具

 頭       なし

 身体      風牙狼の軽装

 腕       風牙狼の籠手

 足       風牙狼の足鎧

 靴       風牙狼の靴


 アクセサリー

 首       なし

 腕       なし

 右指      なし

 左指      なし

  


 魔法

 なし


 闘技

 <正拳突き>


 スキル

 常時スキル

 <闘気level1> <基礎格闘技level1> <身体操作level1> <自己治癒率アップlevel2>


 発動スキル

 <腕力一時向上level1> <俊敏一時向上level1> <闘技level1> 


 ユニークスキル

 <完全適用level7> <負けず嫌い>


 NS因子スキル

 <生存本能level2> ??????


 サポートスキル

 <戦闘モードlevel1>


 兵装

 なし

 


************************************

 

 ステータスを確認したロキは驚く。


 ⦅エイラ少佐見てますか腕力・体力・俊敏が一気に上がってます。これが装備の性能か⦆

 ⦅ロキ二等兵確認しました。ランク2の魔物素材を使った防具は性能がいいですね⦆

 ⦅体力と俊敏は3桁ですから、こんないい装備貸してくれたことにお礼言わないと⦆

 ロキは装備見て感激した。


 ⦅ロキ二等兵、スキルの更新はないようですね⦆

 ⦅ふー。毒キノコ食べたのに<毒異常耐性>のスキルが習得できないのはがっかりだよ⦆

 ⦅ロキ二等兵、<毒異常耐性>スキルはレアスキルです。かなり習得levelは高いです⦆

 ⦅えっ、難しいんですか<毒異常耐性>スキル⦆

 ⦅<毒異常耐性>スキルだけではなく耐性系スキルは習得が難しいです。当たり前だと思いますが<毒異常耐性>スキルがあれば毒に聞きづらくなるのですから、ここはゲームの世界ではありません⦆

 ゲームだと割と簡単に習得できる耐性系スキルだ。わざわざ習得する人は少ないスキルだ。


 ⦅耐性系スキルの習得の難しさが分かりました。確認したいことがあります。MPが減っている状態なんですかナノメタルは全て回収したんですかどうなんですか⦆

 昨日ナノメタルに捕獲され身体の自由を奪われたことに警戒している。

 

 ⦅ロキ二等兵。ナノメタルの一部は偵察を続けています⦆

 ⦅偵察ですか?⦆

 ⦅ロキ二等兵。偵察です。なにか問題が上官がすることを部下にいちいち確認するのか⦆

 ロキは歯を食いしばって昨日のことを思い出す。あんな屈辱なことは人間だったこともない。そしてエイラもまたムカついていた。二等兵のくせに生意気な対応にムカついていた。


  ロキとエイラの無言の戦いは終わりを告げようとしていた。外にある鐘が鳴り響き都市中に届き終わると。隣の部屋ドアが開く音が聞こえ他の客の足跡が宿全体に響き渡る。少し経ってから1階から大きな声が聞こえてくる。また微かに美味しそうな匂いがする。


 「う、美味しそうな匂いだ。食事が必要のない俺には関係ないけど」

 料理の匂いが部屋まで漂っている。


 ⦅ロキ二等兵⦆

 ⦅なんですか⦆

 少し不貞腐れながら答える。


 ⦅ロキ二等兵。やっぱり気づいていないようですね⦆

 ⦅気づいていない⦆

 ⦅味覚機能があります⦆

 ⦅味覚がある......美味しい食事ができる!⦆

 さっきまで不貞腐れていたのに声を上げて喜んだ。

  

 ⦅毒キノコで確認しました。そして食べたものも分解し魔力に変換していました⦆

 ⦅魔力に変換! 良かった。う――――⦆

 ⦅ロキ二等兵⦆

 エイラは冷たく冷淡に話しを遮る。


 ⦅――――すいません⦆

 ⦅もう一つ忘れているようですね。肌着です⦆

 ⦅あっ、そうだ昨日買ったんだ。良し着替えて食事に行こう⦆

  

 ロキは素早く装備を外し着替え始める。肌着を忘れた理由はエイラにも責任があるが精神年齢が低下したロキは食事のことが一杯で覚えだすことはない。


 着替え終わったロキは1階に移動する。


 階段から降りると料理の匂いが充満している。美味しそうな匂いを嗅いでいると昨日受付した恰幅のいい女性が話し掛けてきた。


 「おや、お客さん昨日の夜は降りてこなかったね」

 「昨日は疲れたので直ぐに寝ました」

 ロキは頭を掻きながら答える。


 「それじゃ、お腹減ってるだろ朝はどうするんだい、うちは1食何でも500ゼニーだよ」

 「お願いします。おススメは何ですか」

 「今日のおススメはオークのしょうが焼きだよ」

 「お願いします」

 元気に返事するロキ。


 「あんた~オークのしょうが焼き追加だよ。お客さんこっちの席でお願いね」

 お店の人が席に案内する。


 ロキは席に座って料理を待っている。暇だったので周りの客が食べてる料理を見て時間を潰していた。


 注文してから数分経って料理をもってお店の人がきた。


 「はいよ~。オークのしょうが焼きだよ」

 

 運ばれた料理を見て間違いなくしょうが焼きだ。翻訳機能でオークのしょうが焼きと翻訳していたので注文した。


 しょうが焼きの匂いが鼻に届きゴクッと唾を飲む。


 「見た目はしょうが焼きだ。使っている食材はオークだけど......食べよう、いただきます」

 日本にいた時と同じように両手を合わせ食材に感謝して食べた。

 

 「うまい。オーク肉うまい。しょうが焼きだ」


 久しぶりの食事に喜びながらオークのしょうが焼きを完食した。まるで10代の少年のようにはしゃいでいた。

 

  

 

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