暗殺者、フェイト
ところでプロットとか一切考えてないけどこれからどうしよう
――俺は『暗殺者』となった。
すべては勇者を殺すために。
「さて・・」
やるべきことはただ一つ。情報収集だ。
「敵の情報は貴重な武器だ・・実力が不透明なら特にな」
今は亡き父の言葉を胸に思い起こし行動方針を決める。
「とにかく近くの街に潜り込むが吉、か・・」
そう考えた俺は最寄りの街、アルムに向けて歩み始めた。
歩きながら『暗殺者』の基礎技能を確認する。
・気配遮断
・気配察知
・短剣
・投擲
「ふむ・・」
見事なまでに暗殺用の技能だ。
気配遮断と短剣技能は『盗賊』時にも習得していた。
しかし、『盗賊』の時に習得していた窃盗と強奪の技能は失われている。
「今でもまだ使えるのか?」
まあ近くに人もいないし、今の俺は『盗賊』として存在しているわけじゃない。
あくまでも目的は勇者の暗殺だ。
「まあ。一筋縄ではいかないだろうな・・」
奴らはあの魔王を殺したバケモノだ。
人を殺すことに特化した『暗殺者』でも殺すことは難しいだろう。
それに、『暗殺者』となったばかりの俺はまだ技能の確認も武器の仕入れも何もしていない。
そもそも、人間である勇者があの魔王を殺したのだ。
基礎ステータスはもちろん、規格外の技能を保持していると考えるのが妥当だろう。
「問題は、その技能がどんなものか皆目見当がつかない、ということか」
今の俺が持っているものなんて、この技能と、生活に困らない程度の金と、使い続けたナイフくらいだ。
このナイフは、俺が『盗賊』のジョブを得たときに母から贈られたものだ。
それから俺はずっとこのナイフを使い続けている。気持ち悪いほどよく切れるナイフだ。刃こぼれはしないわけじゃないが、それでもそこらで売っているナイフよりはずっと丈夫だと思う。
「街に潜り込んだとして・・どこに潜伏したものか」
仮にもそれなりに有名だった盗賊団の元一員だ。最悪の場合顔が割れていてもおかしくはない。
「結局裏の人間は裏の世界にしか生きられない、か・・・」
そんなことを考えながら俺はアルムへと向かっていった。