No.1 転校生
ピピピピピ、ピピピピピ、ピピピッ
「あーもう朝か…」
そう言うと目覚まし時計を止めていつものように起き上がり朝食が待つリビングに向かった。
「あら、ゆうき!今日から2年生っていうのに元気ないじゃない!」
鬱陶しいぐらい大きい声で話しかけてきたのは母だ。家は、母と2人暮らしだ、父は少し前に他界している。
テーブルには食パンの上にハムと目玉焼きがのっているものと牛乳があった、それを食べながら母と朝のニュースを見ていた。
食べ終わると身支度をして学校に向かった。
今日から高校2年生、1年の時は特に何もなくただ毎日が過ぎていくだけだった。部活は帰宅部成績は普通、恋愛はした事がない。
「よぉ!ゆうき!元気かー?今日から2年生だぜ、今年も同じ4組よろしくな!行事ごといっぱいだからなー楽しみだな!」
いきなり背後から声をかけてきたこの男は一応幼馴染をやってる緑山はやとだ、こいつに関しては成績優秀、サッカー部、恋愛経験豊富のうざいぐらい完璧人間だ。まぁ友達も多い人気者ってやつだ。
「はやと、何でお前はいっつもテンション高いんだよ…まぁ元気じゃねーとはやとじゃないか、まぁよろしくな」
「お、よくわかってんじゃん!さすがゆうき!そういえば聞いたかー?転校生が来るらしいぜー」
「転校生?初耳だな、まぁ転校生ぐらい来るだろ」
「いや、違うんだってその転校生あの御白財閥の令嬢とか何とかって聞いたぜー?しかも!超絶美少女って風の噂で耳にしたんだ」
「御白財閥の令嬢か、まぁあまり関わる事もないだろう、てか学校久しぶりに来たな」
2人は学校に着くと自分達のクラスに入った。この学校は3年間クラス替えをあまりしない学校なので去年と変わらず顔見知りの連中達だ。
キーンコーンカーンコーン
「おーいはやく自分の席に着けチャイム鳴ってるだろ〜!」
「わかってるってー新学期そうそう元気だねーたるちゃんわー」
「緑山の方が元気だと思うぞ〜そして席に着け今日は転校生が来るからなー」
はやとと話している事人は去年から担任の樽北先生あだ名がたるちゃんって呼ばれている。みんなから人気のある先生だ。先生がみんなを静かにさせると
「よし、みんな席に着いたし入ってこーい。とりあえず自己紹介してもらおかな」
たるちゃんがそう言うと扉がゆっくりと開き中に入ってきた。入ってきた女の人は黒の長い髪で背は高め落ち着いた雰囲気のある人だった
「おはようございます、私の名前は御白ちずなと申します、よろしくおねがいします」
とても丁寧に自己紹介したがクラスのみんなは礼儀が良すぎるので少し驚きながら
「そんな硬くならなくていいよー」
「緊張しなくて大丈夫だよー」
「仲良くしよーぜ」
などたくさん声をかけた。御白ちずなは少し顔を赤くしていた
「よし御白の席を決めるついでに席替えもするか!去年の席のまま新学期が始まるのもどうかと思うしな!」
そう言うとくじをみんなに引かせ席に着かせた
「え〜と窓際の後ろの席か、当たりだな。隣は御白さん ?だっけ天川ゆうきって言うんだ、よろしく〜」
「天川さん、よろしくおねがいします」
まさかの隣の席が御白ちずなだなんて思いもしなかった。周りの男子の目線が気になるけど気にしないでおこう
「はーい落ち着け、まぁいろいろと言いたことがあるやつもおるかもしれないが今年はそれで行く、御白はそこかなら天川〜放課後でも学校案内してやれ〜後去年の約束守れよーっと先生はこれから会議なので行くけど御白に質問攻めするなよー」
そう言うと樽北先生は教室を後にした。扉が閉まるとあちこちで
「はぁーなんで前の席なんだよ!」
「えー御白さんの隣がよかったなー」
「また隣じゃんよろしくね!」
などいろいろと声が聞こえる。
はやとは一番前の席で最初は落ち込んでいたけど今は友達と話してる
「御白さん、今から放課後だけど時間ある?」
「いえ、予定は無いです…」
「よかった、たるちゃんに言われた学校案内今からするから付いてきて。」
「あ、ありがとうございます。」
「今日は大変だったねー御白さんに質問攻めするなって言われたのにみんな質問大変だったでしょ」
「まぁ勢いがすごくてびっくりしましたけど皆さん優しい方たちなのでとても楽しかったですよ。」
「なら良かったー教室と部室なんか案内してくね」
「ありがとうございます。それとごめんなさい時間を使わせてしまって…」
「大丈夫、気にしないで俺も部活探ししてるしついでみたいなもんだしさ。」
そうあれは1年前の放課後
「ゆうき!部活決まったー?」
「んーまだ悩み中、はやとはやっぱりサッカー?」
「当然!この学校サッカー強いからめっちゃ楽しみなんだよね!」
はやとは小学生の時からサッカーをしていてかなり上手らしいというか上手だと思う、何度か試合を見たことがあるが中学の県大会決勝の試合で3点決めたりとかなり上手だと思う
「はやと、先帰ってちょっと先生に相談してくる」
「え、ちょ、ゆうき!って行っちゃった…」
俺は、はやとを置いて職員室に向かった。
「失礼します、樽北先生に用があって来ました…」
「どうしたー?」
「先生、俺、今やりたい事が見つからないので来年にはやりたい事を絶対見つけるので部活保留って事にしといてください!」
俺には今やりたい事が見つからなかった、小、中と部活なんてしてなかったし興味もなかった
「天川、保留って…おまえ…」
そう言うと先生は笑いを堪えるのに必死にしてた
「まぁ天川お前が真剣に考えたのは伝わったよ、んーなら約束だ守れよ絶対。」
「はい、先生、では失礼します」
って事があったっと話したら御白は少し笑った。初めて見た御白の笑顔それは、、
「ふふっ可笑しいですね、部活を保留って初めて聞きましたよ。」
「そんな事よりちょっとあそこの部屋行こ。」
俺は照れるように初めて見た扉の方に行った
「へぇーこんな部活あったんだ、天文部、初め」
すると俺の言葉を遮るように初めて大きな声で
「え!天文部ですか!私、星を見るのが大好きなんです。この部に入りたいです!」
いきなりの発言で少し動揺してしまったけどこんな部分もあるんだな御白もって思った今日1日だが常に上品な感じだったので驚きが強い
「でも多分休部中だと思うよ部員が居なかったと思うし。」
するととても悲しそうに
「そうですか、諦めるしかなさそうですね、」
「いや諦めるのは先生に聞いて見てからにしよう、たるちゃんならかなり融通が利くし、なんたって俺が1年の時保留にしてくれたのもたるちゃんだしね!」
何故かわからないが悲しそうな御白を見ると何かしなくちゃと思ってしまった
「そうですね、諦めるのは先生に聞いてからにします。本当に天川さんありがとうございます。」
「職員室はこっち!付いてきて!」
「はい!」
2人はすぐに職員室に急いだ。
読んでいただきありがとうございます!
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