夢の中の話
曇りの昼のイメージです。
遊びに行く子供レベルの装備で、大学の健康診断に向かう途中、馴染みの商店街の中にあったギャラリーが解体されているのを見た時に、ふと夢の中だったか、本の中だったかあやふやなものを思い出した。
青いフィルターが一枚かかったような視界で、
ある美術ギャラリーにいるのだ。
スーツの男が3人、ハットの似合うご老人が1人、高いピンヒールを履いた赤いドレスの女性が1人がいた。私はなぜか幽霊なのだ。それも人の形を留めない。猫だったり、鳥だったときもある。
その美術ギャラリーは三階にあった。狭い展示の部屋の外にはすぐ階段があった。高い階段を登るのは、人なら簡単なのだが、ぽっと猫になると、とても辛かったことを思い出す。
人の私は道から歩いて来て、ギャラリーに行くために階段を登り始める。のろい足で登っていると、男性たちが揉める声が聞こえた。次の瞬間銃声が響き渡る。なにごとか、と思う間も無く、だだだっと階段を駆け下りるスーツ姿の3人の男性たちを私は避けられずに困っていたが、幽霊だった私の体を容易く通り抜けて行った。
すると私は猫になっていた。猫の体で階段を上がる。よいしょと一段上がり、二段上がり。遠いなと感じながら登っていると、ハットの似合うご老人が降りて来た。どうせ見えまいと溜息をついていると、ふと視線を感じた。見上げると、ご老人がにこにこ顔でこちらを見ていた。触ろうと手を伸ばしたが、やはり触れないようで、すっと手が体を通り抜けたら、気まずそうにご老人は手を引っ込めた。何か言ったようだったが、聞こえなかった。猫だからか。わからない。
私の横をご老人は通り過ぎる。ご老人の足跡が、赤黒く残っていた。ただよう鉄の香りを嫌うように、私は鳥になっていた。
螺旋階段をくるくるするする上がって行く。三階についた。羽ばたき疲れて、開くドアの扉に羽休めをする。廊下を見ると、ご老人の足あとだけ、くっきりと残っていた。ざわざわとする胸の奥を鎮めながら、部屋を覗きこむと、血だまりの中に、1人の女の人が立っていた。後ろ姿で表情は見えないが、赤いドレスに、高いピンヒール。しかし見えているのは黒いドレスなので、理解する情報と感覚の情報との差異にくらくらする。周りの絵は、全て同じ絵だった。部屋の中の、開いてる窓からぴゅうっと外へ出ると、私は人になって落っこちた。
そこで目がさめた。という話である。
夢だろうか。本の中だろうか。私にはわからなかった。
本当になんなんでしょうか?
似てる本とかあったら、教えてください。




