ー旅立ちの章91- わいの特殊能力の解説を試みるんやで?
「なあ?千歳ちゃん?慶次くん?わい、この不思議な力の発揮の仕方を、1,2時間前に発揮せんかったか?」
「ああ、言われてみれば、そうっしー。四さまが、教祖様の怪し気なお薬を飲んで、邪悪な笑みで顔面を染め上げた時に、身体に巻きつけられていた縄を引き千切ったっしー」
「あの時は、四たんがおかしくなっちまったと想っていたんだが。この四たんのお尻の筋肉が鬼の形相に変わっていることと、あの時のことに関連性があるってことか?だぜ」
「そうなんや。多分、わいはあの教祖様の怪しいお薬のせいで、自分の身に危険が及んだ時に、身体の一部の筋肉をすっごいことにできるようになったのかもしれんのやで?」
「自分の身に危険が及んだ時っしー?いつでも、馬鹿力を発揮できるわけではないんだっしー?」
「うーーーん。説明を省いてもうたんや。堪忍やで。わい、今まで黙っていたんやけど、実は、わいは命の危険が自分の身に起きるときにだけ、ある特殊能力が発動されるんやで?」
「うん!?四たん、それって、もしかして、俺様の殺す気で殴ろうとしてたのを、今まで回避できたのは、その特殊能力のおかげってことなのか?だぜ!」
さすが、慶次くんは戦闘においてのことだけは察しが良いんやで?
「そういうことやで?そうじゃなかったら、わい、慶次くんにすでに20回近く殴り殺されているんやで?てか、毎回、わいにツッコミを入れる時に、殺す気で殴ってくるのはやめてくれやで!?」
「わりいわりい。つい、四さまを殺す気で殴っても、回避するもんだから、俺様もついつい、ああ、四さまなら大丈夫だろうとタカをくくっちまってたんだぜ!」
ほんま、慶次くんのツッコミは怖いんやで。わいは、毎回、【瀕すれば鈍する】を発動させらえて、困ってしまうんやで?
「で?四さまの特殊能力って、どういうことだっしー?それは産まれてから、備わっていた力なんだっしー?」
「いや。わいにこの特殊能力が発現したのは、忘れもしない、千歳ちゃんと慶次くんの見合いの日のことやったんやな?」
「懐かしいんだぜ。あれからもう、3年も経っているんだぜ。あの日から千歳さんは日増しに女としての色気が増しているんだぜ」
「それは、四さまがすけべだから、僕もすけべにされてしまっただけだっしー。何も知らない乙女の僕を四さまが自分色に染めていったからだっしー」
「うへへ。純白無垢な千歳ちゃんを汚していく日々はそれこそ、楽しいんやで?これからもっと、すけべにしてやるさかいな!うひひっ!」
「慶次くん。四さまにタイキックをお願いするっしー」
「あいよーーー!」
どっぎゃああああん!
あいたああああああ!
「ちょっと、マジでタイキックを尻にかますのはやめてくれやで!わいのぷりてぃなお尻が8つに割れてまうやんか!」
「おうおう。お尻の筋肉が再び、鬼の形相になったんだぜ。こりゃ、面白いんだぜ!」
「怪我の功名っしーね。これで、四さまが自分の身体の一部に力を集中できることが証明されたっしー」
「なんか、証明方法が間違っている気がするんやで?まあ、ええか。で、話を戻すんやけど、わいの特殊能力って言うのは、相手がわいを殺す気で攻撃してくると、時間の進みが遅くなるんやで?」
「時間の進みが遅くなる?四たんの言っている意味がよくわからないんだぜ?」
「四さまは回りくどいっしー。頭の悪い僕たちにわかりやすく説明するっしー!」
「す、すまんやで?えっとな?例えば、慶次くんがわいの顔面に殺す気で、こぶしを突きだしてくるとするやんか?そしたら、わいから視たら、慶次くんの突きだすこぶしが、ゆっくりゆっくりと飛んでくるわけなんや?」
「ほう!それは面白い特殊能力なんだぜ!それで?四たんは俺ののろくなったこぶしを、四たんは余裕で回避していたわけなのか?だぜ!」
「いや。余裕ってわけじゃないんやんか?わいのその特殊能力が発動した時は、わい自身も動きがのろくなるんや。だから、慶次くんの殺人パンチを回避したいなら、わいはすぐに回避行動に移らなきゃ、被弾してしまうんや」
「なんだか、使えない特殊能力ねっしー。慶次くんの殺人パンチがせっかくのろのろと突きだされるのに、四さままでのろくなってしまったら、回避するのが難しいってことっしーよね?」
「そうなんやで?幸い、わいの思考はその遅くなった時間の中では、普通って言ったらおかしいんやけど、身体の動きがのろいのに対して、かなり早く、考え事ができるんやな?なんて言うたらええんやろか?慶次くんのこぶしがわいの顔面に到達するまでに0.1秒かかるとするやんか?そしたら、わいは、10秒ほど考えごとができるんやで?」
「四たんの言っていることがさっぱりわからないんだぜ?なあ、千歳さん?」
「うん。僕も全然わからないっしー。これは口で説明されても、限界があるっしー。慶次くん。四さまの顔面に殺人パンチを放ってみるっしー。実際にやってもらったほうがわかるっしー!」




