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ー旅立ちの章77- おっと、そこに転がっているのは手ごろな石くんなんやで?

 わいの【瀕すれば鈍する(うさぎとかめ)】が連続発動中なんやで!喜兵衛くん、まじでそろそろ(すき)で攻撃してくるの、やめてくれへんかいな!?


 ところで、わい、頭に一瞬、よぎったことがあるんやけど、わいのこの特殊能力には使用回数があるんちゃいますの?と。よく物語であるパターンなんやけど、こういったモノには1日に使える回数が決まっているもんと、彦助(ひこすけ)くんが言っておりましたわ。


 あと、彦助(ひこすけ)くんが言ってましたな。特殊能力には自分の命を削るパターンもあるって。やばいやで?わい、もしかして、【瀕すれば鈍する(うさぎとかめ)】が発動するたびに、寿命がガリガリと削れてるんちゃいますの!?


 わいはここで、ちらりと利家(としいえ)くんのほうを視るんやで?


 あかんわ。利家(としいえ)くんも手槍を失って、攻め手にかけているんやで?さらには、利家としいえくんと対峙している田吾作くんは、武器を手に持っているわけやないけど、利家としいえくんを組み伏せようとして、延々と体当たりを繰り出しているみたいやな?


 いくら、腕のたつ利家としいえくんと言えども、倒されて、上に乗られたら、そこで一環の終わりやで?だから、利家としいえくんはあえて、距離を取っているみたいやな?


 おっとっと!余所視をしすぎたんやで?わいは喜兵衛くんのすき攻撃によって、右肩の肉を軽くえぐられたんやで?


 痛いんやで!でも、今は痛みのことを忘れなならんのやで!くっそ。どうしたらええんや?このままじゃ、わいは、喜兵衛くんに殺されてしまうんやで?何か挽回策はないんかいな?


 って、わいの転がった先に、いい具合の手ごろな大きさの石の塊があるんやで?こりゃ、ついてるわあああ!


 わいは、そのいい具合の手ごろな大きさの石の塊を両手で持とうとしたんやけど、痛いんやで!えぐられた右肩が痛いんやで!くっそ。わいの右肩、今は我慢してくれやで!


「そーろーそーろー、死ーねーだっーぺ!」


 喜兵衛くんがすきを大きく振りかぶって、振り下ろしてくるんやで?突きではかわされる想って、矛先を変えて、わいの頭をかち割ってくるみたいやな?


 がっきいいいん!


 わいが地面にある石を自分の顔の前に持って来て、何とか、喜兵衛くんの一撃を防ぎきったんやで?って、なんで、ぱっかーーーんって、石くんはまっぷたつに割れているんやで!?わいの顔面に二つに割れた石くんが降り注いで、ぶちあたるんやで!?


「いーいー加ー減、しーつーこーいーだっーぺ。まーじーでー死ーねーだっーぺ!」


 またもや、喜兵衛くんがすきを振り上げたんやで?わいは、とっさに割れたふたつの石くんを片手でひとつずつに持ち直して、左手に持ったほうを喜兵衛くんの顔面にブチ当てるんやで!?


「うぎゃあああ。鼻が折れたんだっぺーーー!」


 喜兵衛くんの鼻に直撃やで!しかも、運が良いことに鼻の骨まで折れたみたいやな!喜兵衛くん、鼻を抑えているけど、ダラダラと鼻血が噴き出ているんやで?


 わいは地面に寝転がった体勢のまま、喜兵衛くんの左ひざを、右手で持っている石で想いっきりぶん殴るやで!


 ぱっきーーーん!


 うひょおおお。さすがひざの骨は皿と言われるだけあって、良い音を奏でてくれるんやで?まじで皿が割れるような音がしますなあ!?


「ひぎいいい!ひざが、ひざがあああ!」


 おっしゃ!喜兵衛くん、ひざの皿を割られて、想わず倒れ込んでもうたんやで!しかもさらに好都合なことに、わいの身体の右側に倒れこんでくれたんやで!


 こうなれば、わいの勝ちは確定やで!喜兵衛くんが死んで許してくれと言っても、わいは石で殴るのをやめない!やで?


 ごんごんっ!ごっつん!


 ふいいい。いつ聞いても、頭を石で殴る音は気色が悪いんやで。でも、わいが生きるためには仕方がないんやで?


 喜兵衛くん、頭から血を吹きだして、口から紅い色の泡を吹いて、さらには鼻血を垂れながしているんやで?さすがにここまでやったら、再起不能やろな?これで死なんかったら、マジでニンゲンちゃうで?こいつ。


利家としいえくん。こっちのほうはどうにかなったんやで?石で頭をかち割ってやったんやで?」


「おっ?よん、やるッスね。じゃあ、俺もそろそろ、こちらのほうをどうにかしないといけないッスね。そっちの男は殺してしまったんッスか?」


「うーーーん。どうかわからへんけど、とりあえず、びくんびくん痙攣してますなあ?」


「そうッスか。じゃあ、多分、死ぬッスね。じゃあ、俺のほうは生け捕りにするッスか」


「ウギギギ!ふざけたことを言っているんじゃないだぎゃ!おいらひとりで、お前ら2人とも殺してやるだぎゃ!」


「そうッスか。じゃあ、手足の骨を折ってしまって、動けなくするッスか。よん。倒したやつの背中から、槍は抜けるッスか?」


「ちょっと待ってくれやで?試してみるさかいな?」


 わいは喜兵衛くんの背中に刺さりっぱなしの槍に手をかけて、ぐりぐりと捻じりまくるんやで?こうすると傷口が開いて、槍が抜けやすくなるんや?皆も試してみると良いやで?


 おっと、やっと、抜けましたわ。いやあ、これは難儀やったんやで。おや?さっきまで痙攣してた喜兵衛くんが動かなくなってしまったんやで?そりゃそうやな。肺に突き刺さってる槍をグリグリしたんやもんな?そりゃ、死にますわ。

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