表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
70/124

ー旅立ちの章70- 怪しい連中がこのボロ小屋に接近中なんやで!

「長寿さまくんの言う通りやで。【神の家(ごっど・はうす)】の奴ら、なんで殺人なんかしているんや?そんなことすれば、取り調べが行われて、自分らの身が危険にさらされるはずやで。いくら、荒れ果てた時代やから言うても、いくさでひとが死ぬことはあっても、街中の人間が消えれば、それは話は別なんやで?」


「フシュルルルー。よんの言う通りなんだフシュルルルー。あこぎな資金集めならばまだマシだと言うのに、目立つ殺人なぞ、組織としてはマイナスでしかないのだフシュルルルー」


「そうっしねー。僕もそこが不思議なんだっしー。尾張おわりの支部を壊滅させたよんさまを恨んでいるのは1万歩譲ってしょうがないとしても、大工や材木問屋の命を奪う必要はなかったはずだっしー」


「せやな。そして、利家としいえくんの命を狙っているんさかいな。今はあいつら。あいつらは狂っているんかいな?それとも、殺人をおかしても罪に問われないような地位を手に入れたんかいな?」


 わいらがそう相談していると、ボロ小屋の扉をガンガンと叩く音がするんやで!


「ポッポー!扉を開けるんだポッポー!」


 なんや、鳩のまるちゃんかいな。驚かすんやないんやで?今、開けたるさかい、待っとれや?


 わいはガラガラとボロ小屋の扉を開けるんやで?そしたら、鳩のまるちゃんが血相を変えて、飛び込んでくるんやで?


「大変だポッポー。500メートル先に人影を見たんだポッポー!」


「な、なんやて?数はどれほどなんや!?」


「3人だポッポー。それぞれ、くわすきを手に持っていたんだポッポー!」


「まるちゃん。落ち着きいや。それ、ただの農家のひとやで?今は3月やさかい、畑仕事に向かっているんやで?」


「何を言っているんだポッポー!農家のひとなら、朝から働きに行くんだポッポー!こんな、お昼時に畑仕事に向かう奴なんて、怪しすぎるに決まっているんだポッポー!」


 せやな。鳩のまるちゃんの言う通りや。普通なら、朝に畑にでかけて、今頃は休憩に昼メシにありつくはずやで。ってことは、その3人組は、ここを襲撃する気かいな!


千歳ちとせちゃん!利家としいえくんを起こしてくれやで?敵と思わしき男が3人、このボロ小屋に向かっているって伝えてほしいんやで!?」


「わかったっしー!よんさまはどうする気だっしー?」


「わいは、鳩のまるちゃんとねずみのこっしろーくんを連れて、小屋の外でそいつらが本当に、こっちに向かってきているか確認するんやで。あと、他にもその仲間が潜んでいないか、探ってくるんやで!」


「ポッポー!では、拙者は上空から探索するんだポッポー。よん、ひとりで3人を相手にしようなどと想わないことだポッポー!」


「わかっているやで?わいは、木と木の根元に縄を張って、罠を仕掛けておくんやで?河童くんと長寿さまくんはここで待機やで!」


「わかったのだフシュルルルー。では、ワシは変身を解かせてもらうだフシュルルルー」


 長寿さまくんはそう言うと、まむしの姿から、太さ10センチメートルはあろうかという巨体の白蛇の姿に変わるんやで?こう視ると、ほんま、ただの蛇とちゃいますなあと想ってしまうんやで?


「ケケッ。ではオイラは部屋のすみっこに隠れているのだケケッ。この小屋にそいつらが飛び込んで来たら、隙を突いて、尻こだまをぬきとってやるんだケケッ!」


 頼もしい限りやで。これで小屋の中は比較的安全やな。


「ご主人さま、僕は何をすればいいんでッチュウ?」


「ねずみのこっしろーくんは、斥候を頼むんやで?あいつらの装備を調べてほしいんや。特に松明を持ってないかを確認してほしいところやで?こんなボロ小屋、火を着けられたら一発で終わりやからな!」


「わかったでッチュウ!戦闘はしなくていいんでッチュウね?」


「せやな。敵の戦闘力を調べることに専念してくれやで?ほな、まるちゃん、こっしろーくん、行くやで!」


 わいと鳩のまるちゃんと、ねずみのこっしろーくんは、小屋の扉をそっと開けて、外に出て、また扉をそっと閉めるんやで?あいつらにこちらが気づいたと想われたら、かなわんからな?


よん!あの3人組はさらに接近中だポッポー!ここより2時の方向に歳は16から35歳くらいの男と思わしき奴らだポッポー!距離は約400メートルだポッポー」


 なんか、えらいアバウトな情報やな。まあ、400メートル先の人間の性別がわかるだけでもたいしたもんやけどな?


「ほな、こっしろーくん。斥候をよろしく頼むやで?まるちゃん。あいつら、ここまであと何分くらいで着きそうなんや?」


「警戒しながらゆっくり近づいているんだポッポー。それ故、約20分から30分といったところだポッポー!」


「20分から30分かいな。こりゃ、早いとこ、罠をしかけなならんな?落とし穴を掘りたいところやけど、まあ、網と縄で充分やな。これで、ひとりくらいは運が良ければ、無力化できるんやで?」


「では、ねずみのこっしろーが斥候に行ってくるんでッチュウ!戦果を期待してほしいのでッチュウ!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

cont_access.php?citi_cont_id=886148657&s

ツギクルバナー

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ