ー旅立ちの章62- 12歳はアウトで14歳はセーフなんやで?
「四さま、どうしたっしー?いきなり大声を出してっしー。それに【神の家】ってのも聞こえたっしー?」
「ああ、千歳ちゃん。困ったことが利家くんの身に起きたんや。とりあえず、メシが出来たら、千歳ちゃんにも聞いてもらうことになるんやで?」
「わかったっしー。あと15分ほど待ってほしいっしー。ええっと、野菜も一緒に煮込んだほうが良いっしねー。鰹節はどこっしー?」
「鰹節なら、そこの棚の上にあるッス。おいらが削るッス。ちょっと、そこに居てくれッス」
利家くんがそう言うと中座して、千歳ちゃんの炊事の手伝いに行ったんやで?しっかし、どういうことや。【神の家】はわいが、この世からひとり残らず消したはずなんやで?なんで、あいつらが暗躍しているんや?
「なあ、四たん。難しい顔をして、どうしたんだぜ?俺様が話を聞こうか?だぜ」
「いや、皆が戻ってきたあとに話をするんやで?それにしても、松くんはすやすや眠ってくれているんやで?熱も下がってきてるみたいやし、あとは腹いっぱい食べるだけやなあ?」
わいは、話をすり替えるようにそう言って、布団の中で眠る少女の額に自分の手を当てるんやで?ほんま、利家くん、こんな少女をかどかわして、家に引き込むとは、重犯罪やで?
「なあ、慶次くん。慶次くんやったら、12歳の小娘と結婚しようと想うんかいな?」
「うーーーん。難しい問題を提示してくれたもんだぜ。俺様は惚れた女なら、歳が自分から10歳以上、離れていても構わないが、さすがに12歳とどうとかとなると判断が難しいんだぜ」
「せやなあ。12歳やもんなあ。男の味を知るにはまだ早すぎるやで?」
「それもそうだが、俺様のいちもつが入るわけがないんだぜ。叔父貴は無理やりねじ込んだのか?だぜ」
「やばいんやで。ほんまにやばいんやで。利家くんは。いや、逆に考えるんや。利家くんのいちもつは普通の男よりしょうもないって想えばいいんやで!」
「それはいくらなんでも失礼な話だぜ、四たん。叔父貴はそれほどでかくはないが、人並みのでかさはあるんだぜ。無理やりって言うほうが自然なんだぜ」
「こわいわあ。こわい話やわあ。しっかし、愛の形はひとそれぞれと言っても限度があるんやで?」
「四たんはもし、千歳さんが12歳だったらどうしたんだぜ?」
ん?わいの千歳ちゃんが12歳やと?
「うーーーん。それでも手をつけるのは14歳になってからやなあ。14歳なら立派な大人やけど、子供に手を出す気にはどうしてもなれないわあ」
「俺様も14歳になるまで、プラトニックな関係を保つんだぜ。そうじゃなかったら、下手すりゃ、裂けてしまんだぜ」
「慶次くん。心配するところがずれてるんちゃいますの?裂ける裂けないで判断するのはおかしいで?」
「そんなこと言われても仕方ないんだぜ。俺様のいちもつは尾張いちと豪語できるんだぜ。まあ、あの黒い肌の男のいちもつを銭湯で見た時はさすがに負けた!?と驚いたもんだぜ」
ああ、黒い肌の男って、弥助くんかいな。あいつ、ほんま、驚くほどのでかさやからなあ。身長だけやのうて、いちもつも犯罪級のでかさやで。わい、あれで尻を掘られるもんなら、心が壊れてしまう自信があるんやで。
「お前ら、さっきから、何をいちもつ比べの話をしているッスか。いたいけな少女が布団で眠っているというのに、変なことを言っているとしめるッスよ?」
「ああ、叔父貴。叔父貴が松さんとイチャイチャずっ魂ばっ魂しているのか疑問だったから、四たんと話をしていたんだぜ」
ちょっと待てや!何をそんなド直球に利家くんに聞いているんや!
「ここだけの話ッス」
ん?利家くん、どうしたんや?
「若い娘は最高ッスよ?何も知らないうら若き娘を自分好みに仕上げていけるッス。これは男として至上の喜びッス」
「これは叔父貴には参ったもんだぜ!いくら、松さんとは幼馴染と言えども、外道も外道なんだぜ!」
「何を言っているッスか。幼馴染だからこそ、出来ることッス。こんなの他の女性相手だったら、尻に蹴りを入れられて、すまきにされて木曽川に放り込まれるッス!」
あかんわあ。こいつら、あかわんわあ。わい、交流関係を見直したほうが良いちゃいますか?
「まあ、悔しかったら、慶次も若い娘でも口説き落とすことッスね」
「いやあ。俺様は女の好みにはうるさいほうなんだぜ。俺様が馬鹿をやっても、受け入れられるだけの度量のある女性じゃないとダメなんだぜ」
「そうッスねえ。慶次は喧嘩は尾張の祭りだって言って、飛び出して行ってしまうもんッスね。女って言うのは荒事は好まんもんッスから、なかなかに慶次のお眼にかなう女性は現れないかもッスね」




