ー旅立ちの章57- 河童くんは変身もできるんやで?意外と有能やで
「うーーーん。やっぱり朝は赤味噌たっぷりの味噌汁に限るんだぜ!」
「ちょうど豆腐売りさんが長屋の前を通りかかってくれたのが良かったっしー。おかげで美味しい豆腐入り味噌汁を作れたんだっしー」
「あれ、絶対、時間帯を狙って、豆腐売りくんがやってきているんやで?この辺は、妻帯者ばかりが住んでいる長屋やで?豆腐売りくんは主婦の皆さんが豆腐をほぼ絶対に買ってくれるのがわかっているんやで?豆腐は色んな料理に使えますからなあ!」
「ポッポー。そんなに興奮するんじゃないんだポッポー。しかし、朝から米のご飯とは一体、どういう風の吹き回しなんだポッポー」
「せやなあ?まあ。なんとなくとしか言いようがないんやで?本当、なんとなくやで?」
「まあ、わからんでもないんだぜ。昨夜は鳩のまるちゃん、長寿さま、それに河童、さらにはねずみのこっしろーまで現れたんだぜ。何かが起きようとしている時は、男は自然と普段とは違った行動を取ってしまうもんなんだぜ」
せやなあ。慶次くんの言う通りやなあ。わいの中で気持ちを切り替えようとしてるのかも知れへんなあ。
「はあああ。朝からアゲを食べれるなんて幸せでッチュウ。奥方さまには感謝をしてもしきれないでッチュウ」
「豆腐1丁とアゲ1枚、合わせて2文(=200円)でっしー。だから、豆腐は大人気だっしー。お豆腐屋さんは、これでどうやって元を取ってるっしー?不思議でたまらないっしー」
「フシュルルルー。ワシとしては豆腐よりも肉を食べたいところだフシュルルルー。しかし、贅沢を言える身分でもないのが悔しいところだフシュルルルー」
「今、想ったんでやんすけど、これから、わい、長寿さまくんや、河童くんの食費も払わなければならないんでやんすか?」
「ケケッ。心配するなケケッ。オイラはその辺の畑をほじくり返して、ミミズでも食べるのだケケッ。だから、大丈夫なのだケケッ」
「なんか、畑をほじくり返していたら、野菜泥棒か何かと想われるっしーよ?河童くんはただでさえ目立つから、どうにかしたほうがいいっしーよ?」
「ケケッ。困ったケケッ。なら、少し、変身でもさせてもらうケケッ!ドロンッ!」
おお。河童くんが変身したんやで?って、待ってくれやで?
「ちょっと、なんで、こんなところに絶世の色男がいるんやで?わい、こんなに良い男を見かけたら、お尻を掘ってしまいかねないんやで?」
「四たん。何を言うに事欠かいて、自分をほめているんだぜ?しっかし、こりゃまた、身長が低いことを抜かせば、四さまそっくりに化けたもんだぜ。逆に気持ち悪いんだぜ」
「河童くん。それはやめておいてほしいっしー。僕、河童くんのお皿が頭になかったら、四さまとの子供かと間違えてしまいかねないっしー」
わい、身長が175センチメートルあるんやけど、河童くんときたら、身長90センチメートルで、わいそっくりに変身するもんやから、これはこれで味があるんやで?
「これ、何かに使えそうやで。身長は、わいの半分しかないんやけど、顔だけはそっくりやしなあ。敵が襲ってきた時に、河童くんがわいの身代わりを買って出てくれてもいいんやで?」
「うーーーん。暗がりなら使えそうだが、昼間だと、バレバレなんだぜ。しかし、何かしらに使えそうなのは同意なんだぜ。なあ、河童よ。俺や千歳さんには化けれないのか?だぜ」
「ケケッ。おいらはオスだから、メスに化けるのは無理な部分があるのだケケッ。胸の大きさは調整できても、そもそも、いちもつはそのままだケケッ」
「いちもつを持っている女性かいな。そりゃ、こわいわなあ?何か、使えそうで使えない変身やなあ?」
「そもそも、大人のニンゲンに変身しようとするのが間違いじゃないっしー?背丈の似た、子供に化けたほうが良くないっしー?」
「まあ、そこが妥当なとこやなあ。でも、農家のひとは、子供であろうが、畑を荒らす奴はふるぼっこにするもんやで?」
「ケケッ。なら、小川で子供の姿で魚やミミズを取って食べるケケッ。それなら、怪しまれないのだケケッ」
「生魚を食べてたり、ミミズを丸のみしてる子供がいたら、それはそれで恐怖な気がするんだぜ。頼むから、食べるときは、ひと目につかないようにしてくれなんだぜ」
「ケケッ。注文が多いんだケケッ。まあ、仕方ないケケッ。あとで、変身しても問題なさそうな子供を観察して、似たような姿に変わっておくんだケケッ」
「河童くん、すまへんなあ?まあ、外に出るときだけ、気ぃつけてくれたらええんやで?あとは長寿さまやなあ。いくら、蝮に変身できると言っても、その辺をうろついていたら、駆除されそうやなあ?」
「フシュルルルー。蛇なら何にでも変身できるのだフシュルルルー。なら、そんなに害のない青大将にでもなっておこうなのか?あと、体長も自由に変えれるのだフシュルルルー」
「どっちにしろ、蛇の姿でうろついていると、駆除されそうな気がするのは俺様だけなのか?だぜ」
「まあ、外に出るときは、わいの胴体にでも巻き付いておいてくれやで?服の中で隠れてたら、なんとかなるやろ」




