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ー旅立ちの章37- なんで男と言うモノは、好きな女にわざと嫌われるようなことをするんやろうな?

「ちょっと待つんだポッポー!神々の間では、よんは無害であることが確認できれば、死を与えることはしないと神々の会合で決まっていたんだポッポー!それを反故にするのは長寿さまと言えども、許されないことだポッポー!」


 おっと、鳩のまるちゃんが怒っているんやで?なんや、鳩のまるちゃんは、わいのことをえらい擁護してくれまんなあ?わい、鳩のまるちゃんの餌をもっと良いモノに変えなきゃならないんかなあ?


「まるちゃん。わいを応援してくれてるみたいやけど、わい、金があんまりないから、良いものを喰わせてやれないんやで?でも、わいを褒めたたえるのはもっと、してほしいとこやで?」


「誰がおぬしのような間抜けを褒めたたえてやるものかだポッポー!それよりも、日頃からおぬしを守っている、拙者を褒めたたえろだポッポー!」


 ほんま、藪蛇とはこのことやで?しかも、鳩の分際で、自分を褒めたたえろとか言ってきたんやで?やっぱり、こいつ、クソ鳥ですわ。千歳ちとせちゃん、塩かタレ、どちらでいただくのがええと想うんや?


「うーーーん。僕はタレ派だっしー。やっぱり、甘辛いタレで焼き鳥をいただくのが一番なんだっしー。慶次けいじくんは、塩派、タレ派、どっちだっしー?」


「うーーーん。俺様か?だぜ。俺様はその日の気分で選ぶから、どっちかって言うことは無いんだぜ。まあ、女性同伴で焼き鳥を喰いに行くときは、その女性の好みに合わせるんだぜ。その辺はよんたんと変わらないんだぜ?」


「えっ?よんさまって、いっつもタレで焼き鳥を食べているのは、もしかして、僕に合わせてくれてのことだったしー?よんさま、ありがとうっしー。よんさまの優しさが身に染みるっしー」


 まあ、優しさだけじゃなくて、やらしさも同根しているんやけどな?まあ、でも、焼き鳥を喰うときは、基本、相手が何で食べたいかで決める派なんやな?わいは。わいが飲みに誘うときは、わいが最年長者のことが多いさかい、わいのほうが折れるのが当たり前やと想ってるしなあ?


 しっかし、彦助ひこすけくんには困ったもんやで?女性を同伴させても、俺は塩が喰いたい気分だから、お前らも塩な!って強引に自分の喰いたいモノを喰うからなあ?だから、彦助ひこすけくんは彼女ができないんやで?


彦助ひこすけくんは、なんで椿くんとくっつかないんだっしー?いい加減、あの2人、付き合ったら良いと想うっしーよ?」


「そりゃあ、彦助ひこすけくんが、女性を立てるってことを知らんからやろ。あいつと付き合ったら、女性は大変な眼に会うこと間違いないしやで?なんたって、おっぱいがでかけりゃ、それだけで満足な男やさかいな?」


「うーーーん。僕にはそれだけが原因とは思えないっしー。彦助ひこすけくんが、わざと椿くんに変なことを言っている節があるんだっしー。でも、僕には彦助ひこすけくんの考えがわからないっしー。あの2人、周りから見たら、相思相愛っしーよ?」


「あーははっ!男と女って言うのは不思議なえにしで結ばれているもんだぜ?何かきっかけさえあれば、もう、お付き合いどころか、お突き合いに発展するんだぜ?彦助ひこすけってのは、あの、いっつも鼻の下を伸ばしてる、牛メンな奴のことだろ?あいつはあいつなりに何かを考えているんだぜ。そういう時は、周りは放っておくのが一番なんだぜ」


 うーーーん?彦助ひこすけくんが椿くんに変なことばっかり言っているのはわざとなんかいな?わいの眼から見て、そう言う風には見えへんのやけどなあ?でも、わざと嫌われるような態度を取っていることは、千歳ちとせちゃんと慶次けいじくんの言いから察するに、そうなんやろうな?女性と狂人の勘ってのは当たるもんやからなあ?


 まあ、ひとさまの恋愛事情に首をつっこんでいられるほど、わいも暇やないんやで?下手にちょっかいをかけようもんなら、千歳ちとせちゃんに東洋の神秘である【タイキック】とやらを喰らわされるかいなあ?あれは痛いんやで。玉袋に喰らったら、30分は起き上がれなくなるんやで?


「ポッポー!応えろ、長寿さまポッポー!何故、よんの命を執拗に神は狙っているんだポッポー!よんの力は、拙者が抑えているんだポッポー!よんが真の力に目覚めるのはまだまだ先のことなんだポッポー!」


 あれ?まだ、この鳩のまるちゃんは、長寿さまくんとやり合っていたんかいな?すっかり存在を忘れかけていたんやで?


「フシュルルルー。あの神々の会合では納得していない神がたくさんいたのだフシュルルルー。納得できない会合結果など、神々の間では無効に等しいんだフシュルルルー!」


「ふざけるなポッポー!おぬしたちは、あの時、よんを無害化することで一致したんだポッポー!何を今更、それに文句をつけているんだポッポー!」


「マルこそ、何を言っているのだフシュルルルー。無害化することには一致したんだフシュルルルー。だが、無害化できなかったら、どうするかは決めてなかったんだフシュルルルー!」

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