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ー旅立ちの章36- わいのは使い込んだ名刀の如き、鈍き耀きなんやで?

 なんや。この白い大蛇は。白いその身体とは対照的に真っ赤な舌をチロチロと口から出したり、入れたりしているんやで?わいのいちもつもさきっちょが赤いんやけど、そんなもん、比較にならないほど赤いんやで?


よんさまのは、赤黒いっしー。真っ赤じゃないっしー」


 せやろか?わいのは赤黒いんかいな。どうせなら、真っ黒がよかったんやけどな?使い込んだ名刀の如く、鈍き耀きみたいでかっこいいんやで?


よんたんのは赤黒いのかだぜ。俺様のはまだまだ赤い色あいが強いんだぜ。さすが俺の親友まぶだちなんだぜ!」


「ポッポー!何の話をしているんだポッポー!おぬしらのいちもつの色のことより、この異常事態のほうを心配しろだポッポー!」


 鳩のまるちゃんが激おこぷんぷんまるなんやで?これからまるちゃんじゃなくて、激おこぷんぷんまると改名してやったほうがええんんかいな?


「そんな死語になりつつある言葉を使うんじゃないんだポッポー!時事ネタは後々にわからなくなるから、やめるんだポッポー!」


 せやなあ?まったく、鳩のまるちゃんの言う通りなんやで?わいの頭のうえでウンコをぷりぷりしていることしか仕事がないクソ鳥に正論を言われてしまったんやで?


「フシュルルル。マルよ、貴様は間抜けな男を選んだものだフシュルルル。貴様ほどの鳩が何故に、そんな男を庇うようなことに従事しているのだフシュルルル」


「うるさいんだポッポー!よんは、この世界において、貴重成るあのお方の一粒種だポッポー!その命を守ることこそ、拙者の至上の使命なんだポッポー!」


「フシュルルル。その男は神に仇なすものだフシュルルル。世界を闇に葬りさる可能性を秘めた男だフシュルルル。だからこそ、神たちの会合で、その男を殺す、もしくは無力化すると決まったんだフシュルルル」


 なんや?わいらニンゲンさまをほっぽらかして、この鳩と大蛇がわけのわからんことを話し合い始めたんやで?ちょっと、慶次けいじくん。そこの2匹をどうにかしてくれへんか?


「うーーーむ。この大蛇は、まるちゃんの言いだと、長寿さまなんだぜ?長寿さまは幸運を招く神さまなんだぜ?何か失礼なことをしたら、俺様だけに限らず、よんたんや、千歳ちとせちゃんにも不幸が訪れる可能性があるんだぜ?それでも、やっちまっていいのかだぜ?」


「まじかいな。これが噂の長寿さまなんかいな!うーーーん。言われてみれば、そう想えるんやな。この白い身体と良い、長さと良い、言い表すことが難しい、なにやら高貴な感じがするもんなあ?」


「長寿さま。僕とよんさまに幸福な結婚生活を招いてほしいっしー。長寿さまを我が家で大切に飼うっしー!」


「おい。やめろフシュルルル!ワシの身体は鱗がないんだフシュルルル!抱き着かれると、身体の水分が奪われてしまうんだフシュルルル!」


 鱗が無いってことは、やっぱり、伝承通り、この白い大蛇は長寿さまで間違いないんやで?蛇って言うのは脱皮をするんやけど、その皮が乾燥すると、鱗模様がきれいに映るんやけど、長寿さまってのはつるりんとしているって噂なんやな?


 その長寿さまの脱皮した時にできる抜け殻の皮が大層、高値で取引されるんやけど、大体は、よくよく見たら鱗模様がわかるんや。まあ、古くなったものは、その辺、はっきりわからんくなるから、詐欺としてよく使われる方法なんやな?


 まあ、それだけ、鱗模様の少ない脱皮後の皮ってのは、もしかして、長寿さまのモノじゃないかと重宝されるって寸法なんや。


「うわあ。ぬめぬめしているんだっしー。でも、ごつごつしてないから、さわり心地は良いんだっしー。でも、できるならぬめぬめしてないほうが、嬉しいところなんだっしー」


「お、おいやめろフシュルルル。そこはだめなのフシュルルル。あふん、気持ちいいのフシュルルル」


 なんや?長寿さまの顔がほころんでいるように見えるんやで?さすが、千歳ちとせちゃんなんやで?長くて太くて、立派なモノを喜ばせるのは、千歳ちとせちゃんの得意技なんやで?わいも、喜ばせてほしいんやで?


「って、そんなことが問題ちゃうわ!長寿さまくん。わいの命を狙っているのは何でや?わいの命は千歳ちとせちゃんに捧げているんや!長寿さまくんに渡すことはできないんやで?」


 わいがそう叫ぶと、にやけづらの長寿さまくんが、こちらの方に頭を向けてきたんやで?


「お前は、先ほども言ったが神に仇なすモノなんだフシュルルルあふん。だから、お前を殺すことになっているんだフシュルルルあふん」


 あふんって語尾をやめてくれやで?なんか、すごんでいるのに、えらい間抜けに見えるんやで?


「そ、そんなことを言われても、こちらとしてもどうにもならないんだフシュルルルあふん。この女は【姫】なのでフシュルルルあふん。だから、さわられているだけで気持ちよくなるんだフシュルルルあふん」


 あかん。真面目な話をしているつもりなんだろうやけど、長寿さまくんが、心底、間抜けにしか見えないんやで?

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