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ー旅立ちの章19- 千歳(ちとせ)ちゃんを口説き落としてやるんやで!

「さて、勝負は一旦、お預けなんだぜ。よんたんの額を思いっきり殴っちまったから、俺様のこぶしの骨にヒビが入っちまったんだぜ」


慶次けいじくん、大丈夫っしー?どうせ殴るなら、腹でもぶち抜いておけば良かったんだっしー」


 なんか、千歳ちとせちゃんがすごく不穏なことを言っているんやで?でも、いくら額の骨が硬いからと言って、慶次けいじくんのこぶしの骨にヒビが入るのは不思議なんやで?


「そりゃあ、よんたんがビビッて動かずにいてくれていれば、俺様のこぶしの骨にヒビが入ることなんてないんだぜ。でも、よんたんは恐れずに俺様のこぶしに向かってきたんだぜ。そのせいで、打点がずれちまったんだぜ。こぶしの骨ってのは結構、すぐに痛めちまうんだぜ?」


 なるほどでやんすねー。わい、殴り合いの喧嘩なんて、あんまりしないからなあ?大体、取っ組み合って、わいの背丈のでかさを利用して、押し倒して、ズボンを引き下ろして、尻の穴に喝を入れて、そこで決着やからなあ?


「あーははっ!よんたんの闘い方は理に適っているんだぜ。いくさって言うものは背丈でかなり有利不利が変わるもんなんだぜ。まあ、背が低くとも技でその不利をひっくり返す奴なんざ、ゴロゴロいるから、油断は禁物なんだぜ?」


 慶次けいじくんの言う通りやなあ。ひでよしくんは身長150センチメートルしかない割りには、相撲が上手いんや。だから、何度か、ひでよしくんを組み伏せようとは試みてはいるけど、結局、一度も性交いや成功した試しががないんやなあ?


よんさま。ひでよしくんも守備範囲なんでっしー?僕、ちょっと、引いてしまうっしー」


「ちょっ、ちょっと待ちいや。大昔の話やで?ひでよしくんと針の行商人をしていた頃の話や。今現在、ひでよしくんの尻を狙っているわけちゃうで?」


 あかん。わいのいらん一言がまた出てしまったんやで。千歳ちとせちゃんが、ほっぺたをぶーと膨らまして睨んでくるんやで?やめてほしいんやで?そんなに睨まれたら、わい、感じてしまうやんか?


「話を戻すんやけど、結局、この勝負はどうなるでやんすか?慶次けいじくんはこぶしを痛めてしもうたし、わいはこれ以上、親友まぶだち慶次けいじくんとは殴り合いたくないんやで?」


「うーん。そうだなあ。俺様たちが殴り合うよりも、大事なことは千歳ちとせちゃんが、俺様たち2人の内、どちらかが好きなのかってことなんだぜ」


 そうやなあ。千歳ちとせちゃんが好きな相手じゃないと結局、意味ないもんなあ?って、わい、ただの殴られ損やないかいな?


「そ、そ、そんなことはないんだっしー!男2人に求婚されて、殴り合いの末に僕を勝ち取ってくれることを夢見ていたことなんて、全然、関係ないんだっしーーー!」


 そや。千歳ちとせちゃんは悪うないな。女性なら誰でも夢見る事態やもんな?でも、わいが殴られ損なのはかわらへんけどな?


「で?千歳ちとせさん。俺様とよんたん、どっちが好きなんだぜ?」


 慶次けいじくんはほんま、超ド級の直球を投げまんな。そんなこと言われたら、千歳ちとせちゃんとしては応えにくいんちゃうんか?


「ぼ、僕は慶次けいじくんもよんさまも大事なひとなんだっしー。どっちかひとりを選べと言われても困るんだっしーちらちら」


 ああ、多分、女性として一度は言ってみたい台詞なんやろな、これ。この堕天使、ほんま、どうにかしてやりたいわあああ!


千歳ちとせちゃん、聞いてくれでやんす!」


 わいは覚悟を決めたんやで?


「は、はいっしー!」


「わいは千歳ちとせちゃんが好きなんや!この世で一番、好きなんや!慶次けいじくんが千歳ちとせちゃんを想っている30倍も好きなんや!」


「ほ、本当っしー?でも、よんさまは、すぐに他の女性の胸を見て、鼻の下を伸ばしてるっしーよ?」


 うううっ。ほんま、痛いところを突く女性やで。


「そ、それは男として仕方がないことやんな。なあ、慶次けいじくん?」


「う、うん?俺様に突然振るのはやめてほしいんだぜ。まあ、でかいおっぱいを見かけたら、男って言うものはガン見してしまうものなんだぜ!」


「じゃ、じゃあ、よんさまは僕よりおっきい胸の女性がいたら、目移りしてしまうってことっしーよね?僕、好きな男性には自分だけ見てほしいと想っているっしー」


「心配せんでも良いんやで?わいが他の女性のおっぱいを見てしまうんは、千歳ちとせちゃんのおっぱいもあれくらいありまんなあ。わい、千歳ちとせちゃんのおっぱいを揉みしだきたいと想っているだけなんや!」


「うーん、よんたん。それは男の俺様が聞いても言い訳がましいと想うんだぜ?」


 うっ、うっさいわい!


「わいは、千歳ちとせちゃんのおっぱいがじゃなくて、千歳ちとせちゃんの全部が好きなんや!千歳ちとせちゃんと付き合うこととなったら、天地神明にかけて、他の女性のおっぱいを見ないことを誓うんやで!」


「本当の本当っしー?嘘じゃないっしー?もし、僕よりおっきな胸の女性がよんさまの前に現れても、よんさまは心変わりをしないと誓えるっしー?」


「ほんまのほんまや!わい、千歳ちとせちゃんのこと、ごっつ好きやからな!わいが他の女性のおっぱいをガン見した時は遠慮なく、わいの金玉を蹴り上げてくれて良いんやで!」

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