ー朝焼けの章17- 拾ってきた情報を皆に開示するんやで?
雪女?河童くんと長寿さまくんはいったい何の話をしているんや?
「ケケッ。鳩が豆鉄砲を喰らった顔をしているのだケケッ。別に四の命を狙っていたのは、自分だけはなかったのだケケッ!」
「フシュルルルー。しかし、雪女はさすがにやりすぎだぞ?この街全てのニンゲンを殺すつもりだったのか?フシュルルルー」
「清州の街のニンゲンを全て殺すつもりやと!?どういうこっちゃ!そりゃ、わいの命だけでは物足りないとでも鴉天狗くんは言いたいんかいな!」
「ケケッ。オイラを怒鳴っても仕方がないのだケケッ。オイラはただの尖兵に過ぎないのだケケッ。鴉天狗さまの思惑などわかりようがないのだケケッ!」
とんでもない話やで。わいの命だけ狙えばええものを、下手をすると、千歳ちゃんまで巻き添えになっていたところやで!?
「ちょっと、【神の家】と話しをつける前に、鴉天狗くんをシバキ倒したほうが良さそうな気がしてきたんやで?鳩のまるちゃん。鴉天狗とはどこに行けば会えるんや?」
「落ち着くんだポッポー。件の雪女は撤退したんだポッポー。その代りに送られてきたのが河童なのだポッポー。鴉天狗も他のニンゲンを巻き添えにするのは良くないと判断した結果なんだポッポー」
「それは後付けの理由やで!結果論でヒトは語ったらあかんのやで!くっそ!絶対に鴉天狗くんをシバキ倒したるさかいなあああ!」
「だから、四さん、落ち着けって。あの猛吹雪で死人が出たって話は聞いたことがないからさあ。だから、何かの手違いじゃなかったのか?その雪女が出張ってきたってのもさあ?」
「そうっしー。結果論であったとしてもヒトが死ぬことは無かったんだから、ここは矛を収めるべきっしー。四さま、怖い顔をしちゃ嫌なんだっしー」
す、すまへんな。彦助くんに、千歳ちゃん。わい、少し、頭を冷やすんやで?
わいは頭を冷やすために、水の入った瓶に頭からどっぽおおおんとつっこむんやで?うひいいい!水がまだまだ冷たい季節やなあ!
「ふう、お待たせやで。随分、頭が冷えたんやで?しっかし、次から次へと新事実が浮かんでは消えていくんやで?」
「あーははっ!四たんは本当にトラブルが尽きない御仁だぜ。俺様は四たんと親友になって、大正解だったんだぜ!」
「そない、わいってトラブルメーカーなんかなあ?慶次くんのほうがよっぽどやと想うんやけどなあ?」
「慶次はトラブルを持ってくるタイプで、四さんはトラブルを招き入れているって感じだよな。慶次と四さんって相性抜群じゃんか?」
うっさいわい、彦助くん。あんたさんに言われると腹立たしいんやで?
「そういう彦助くんは女難の相が出てそうやけどな?さっさと、あの2人のどちらかとお突き合い、いや、お付き合いしたほうがええんやで?」
「う、うーーーん。そう言われると、針のむしろに立たされている気分だ。その話はまた今度な?それよりも、【神の家】の偵察の内容を皆で話合おうぜ?」
ちっ。話をごまかしたんやで。彦助くんは口が回りますなあ?まあ、ええわ。本題に入らんことには、明日からの生活が困るんやで。
というわけで、わいと彦助くんと鳩のまるちゃん、ネズミのこっしろーくんが得た情報を皆に説明することになったんやで?
「ほう。あの屋敷には2階部分があるっていうのに、そこに通じる階段が見当たらなかったのか?だぜ」
「あと。その2階に居たという謎の老人が怪しいんだっしー。何かを作っているようだって、鳩のまるちゃんの話だけど、いったい、何を作っているだっしー?」
「ポッポー。窓の外から観察していたために、手元がよく視えなかったのが痛かったんだポッポー。こっしろーと一緒に行動しておくべきだったのかもしれないんだポッポー」
「そこはしょうがありまへんなあ。わいがそうしろと1羽と1匹に頼んでしもうたんやから、まるちゃんの責任というよりは、わいの責任のほうが重いんやで?」
二手に別れた方が短時間でより多くの情報を手に入れれるさかい、そうした判断自体は、わいとしては間違ってないと想っているんやで?
「なあ、四さん。つかぬことを聞くんだけど、【神の家】の尾張支部をどうするつもりなんだ?」
「そりゃ簡単やで?あそこに所属するニンゲンには全員、この世からおさらばしてもらうのが1番やと、わいは想っているんやで?次点では【神の家】の幹部含めて、教祖様くんにあの世に逝ってもらうことやな」
「そうか、そうだよな。最悪、幹部連中含めて始末しないと、その幹部が【神の家】の党首の後釜になったら面倒くさいもんなあ?」
「もっと言うのであれば、尾張支部ちゃうくて、本部を叩きつぶしたいんやけどな?教祖様くんは、本部からの派遣の可能性もあるんや。真の教祖様くんがその本部に居る可能性も捨てきれないんやで?」