ー朝焼けの章14- 神の家の屋敷の2階は怪しさ満点なんやで?
2階に繋がる階段が無いやと?それはおかしな話ちゃいますか!?とわいが想っているところに鳩のまるちゃんがわいらの所に戻ってくるわけやで?
「ポッポー。お待たせしたんだポッポー。拙者が居なくて、さびしかった?ポッポー」
なんか、鳩のまるちゃんを締めたくなってきたんやで?まあ、とりあえず、鳩のまるちゃんにネズミのこっしろーくんが持ち込んできた情報を教えるんやで?
「ポッポー。おかしい話だポッポー。外から視てきた感じだと、2階には2部屋ほどありそうなんだポッポー」
「さよか。じゃあ、1階のどこかに2階へと通じる部屋があるっちゅうことやな?まるちゃん。2階の部屋はどうやったんや?」
「ポッポー。窓の隙間から視た感じだと、ひとつは寝室らしき部屋だったポッポー。もうひと部屋は、何やら怪しげな道具が並べられた机があったんだポッポー」
「怪しげな道具が並べられた机?何だろうな?すっごく気になるなあ?」
彦助くんの言う通りやで。怪しげな道具って何やろな?もしかして、夜のイチャイチャを発展させるための大人の道具とかなんかなあ?わい、そんな道具があるって言う噂だけは聞いたことがあるんやで?良い感じの長さでありながらちょっと変わった形の木の棒とかな?
おっと、いかんで!そんないかがわしい道具に頼るのは、男として外道なんやで!うひひっ!
「四さん?何を想像しているのかわからないけど、鼻の下がべろおおおんって伸びてるぜ?」
「彦助くんが知らんくても良い大人の話やで?まあ、それは置いておいて、他に気になることはあったんかいな?」
「ポッポー。その怪しい道具が並んでいるところにひとりの老人が座って、何やら、ごそごそとしていたことだポッポー。何をしているかは、よくわからなかったんだポッポー」
ふむふむ。2階に通じる階段が1階には見当たらず、そして、その2階の怪しい道具が並んでいる机では、謎の老人が何かをしているわけかいな。こりゃ、この屋敷に関わるのは危険極まりない感じがするんやで?
「なあ、彦助くん。わい、もしかして、手を出してはいけない奴らを敵に回したんちゃいますかな?」
「うーーーん、どうだろうな?俺としては四さんの考えすぎなような気がするんだけど?」
助言役としては不適格な男をわいは選んでしまったようなんやで?まあ、慶次くんに聞いたら、もっとトンデモ発言をしだしそうやけどな?
「でも、もう少し、正確な間取りとかを知りたいところだよなあ。この屋敷を設計した大工とかに事情を聞いたほうが良いんじゃないか?」
「それがやな。困ったことに、この屋敷の建設に携わった大工の親方は、この世から抹消されてしまったんやで?【神の家】の奴ら相手に、建築費を大幅に請求したみたいなんや。それで、それに関わったのが利家くんやろ!って話になって、利家くんにも被害が出たんやで?」
「おいおい。それ、マジかよ!利家は無事なのか!?」
「利家くんは無事やで?教祖様くんと手打ちになって、今後、関わり合いにならないことを約束したんやで?」
わいは、1週間前に起きた、利家くんの家に訪問した時のことを彦助くんに簡単ながら説明したんやで?
「教祖様の怪しいお薬!?それに、四さんとの全面抗争!?おいおい!なんで、俺を巻き込んだんだよ!俺もこの教団につけ狙われるってことじゃんか!」
「だから、彦助くんには念には念を入れて脅しておいたというのに、あんたはん、わざわざ火中の栗を拾いにきたんやで?やったんやで!わいは、彦助くんと親友で良かったんやで!」
「やべえ。菜々さんと椿が巻き込まれるぞ。あいつら二人を避難させないと!」
何を言ってますんや?彦助くんは。あんたさん、あの二人と何かあったんか?
「い、いや、べ、別に何もないけどさ?俺と親しいあの二人に何かあるんじゃないかとやきもきしちまってさ?」
「そんなに気になるなら、あの二人とさっさとくっついてくれまへんかね?わいから視ても、あんたら三人の関係にはやきもきしているんやで?とっとと、どちらかを選んでくれまへんか?」
「あ、ああ。その話は今度、機会がある時にじっくり話すよ。ああ、でも、言わないほうが良いんだろうな。どこから、俺と菜々さん、椿との間柄がバレたら、あの二人が巻き込まれることになるし」
「まあ、そない心配しすぎる必要はないんやで?わいが【神の家】をぶっ潰してやるさかい、彦助くんは、表立って、あの二人と仲良くしているのを見せつけないようにしているだけで良いと想うんやで?」
わいはこう、彦助くんに助言したんやけど、これが失敗やったんやなあ。彦助くん、わいの配慮が足りんくて、悪かったんやで?まさか、彦助くんが1年後にあの二人とああなるとは想ってもいなかったんやで?