ー朝焼けの章11- 彦助くんも特殊能力持ちとは想わなかったんやで?
彦助くんに慶次くんが拳で語ってくれたわけなんやけど、ここで驚くべき事実を知ることになったんやで?
「おお。すごい回復力なんだぜ。俺さまに殴られた傷がどんどん癒えていきやがるんだぜ!」
「ううう。痛い、痛いよおおお。慶次は手加減を知らな過ぎて、死ぬほど痛いよおおお!」
彦助くんは慶次くんが驚くほどの自己治癒能力を持っているんやで?そら、河童くんの妙薬も、怪我したところに塗りたくっているんやけど、わいのざっと10倍くらいの回復力なんやで?こいつ、ニンゲンとしておかしすぎるやろ!
「ケケッ。この回復力は神々でもなかなかに視ることができないレベルなのだケケッ。こいつ、本当にニンゲンなのか?ケケッ!」
「フシュルルルー。ものは試しに、こいつの腕を1本、斬りおとしてみてはどうなのだ?まさかであるが、腕が再生するやも知れぬかもだぞ?フシュルルルー」
河童くんや長寿さまくんまでも、彦助ニンゲンに非ず説を垂れ流しはじめたんやで?わいも、彦助くんが戦中に、ああ、これはもう助からへんなあ?って大怪我をしても、生き延びてきたところを視てきたけど、もうこれは特殊能力を持っていると断言したほうが良さそうなんやで?
「彦助くん。その特殊能力はいつから持っていたんや?産まれた時からかいな?」
「うん?特殊能力って何?」
あかん。自分の異常さに、こいつ、まったく気づいてあらへんわ。
「ええか?彦助くんの回復力は異常すぎるんや。ちょっと、ひとさまより頑丈とかそんなもんを超えているんやで?」
「ま、マジで!?俺の怪我がすぐ治るのは、俺自身に特殊能力があるからって、そう言いたいのか?四さん!」
だから、そうだとさっき言ったばかりやんか?ほんま彦助くんとは会話になりませんなあ?
「彦助さんは自慢しても良いんだぜ?俺もこれほどまでに拳で語って、死ななかった相手は居なかったんだぜ?」
慶次くんは恐ろしい男やで?わいは拳で語ってくれとは言ったけど、殺してくれとは頼んでないんやで?
「そ、そうか。なるほど、なるほど。だから、俺のいちもつの回復力は常人離れしてたってわけか!これで納得いったぜ!」
「なんで、彦助くんのいちもつの話になるんや。まあ、身体の傷がこんなに早く治るから、もしかしたら、彦助くんのいちもつの回復力にも影響を与える可能性があるんやで?ちなみに、彦助くんは1日何回まで逝っても立たせることができるんや?」
「んっと、確か、この前はひと晩で11回くらい立ったなあ?」
「はああああああああああ!?何、大ぼらを吹いているんやで!わいなんて、1日3回も千歳ちゃんとイチャイチャできたら、よく頑張ったっしーね?おかげで僕も満足できたっしーって言われるんやで!」
「ちょっと、四さま!なんで、うちの夜のイチャイチャの回数をばらしているっしー!慶次くん、いつものタイキックを四さまにお願いっしーーー!」
バッコオオオオオン!あいたあああああ!
「か、堪忍や。わいのプリティなお尻が二つに割れてしまうんやで?大体、彦助くんが大ぼらを吹いたのが悪いんやで?」
「いや、俺は事実を言ったまでだぞ?俺もあんなに立つとは想わなかったんだって!」
彦助くんが羨ましい限りなんやで?しっかし、相手をした遊女のひとも大変やったろうな?逝かせても逝かせても、立ち続けられたら、お股が裂けてしまうんやで?
「彦助くん。河童くんのヌルヌルの液体をあとでわけるんやで?その遊女さんも彦助くん相手にして、お股がひりひりして商売にならへんやろうからな?」
「あ、ああ。確かに股がひりひりするって言ってたな。あの時は。まあ、今度、あいつらにその河童野郎のヌルヌルの液体を渡しておくよ。股のひりひりだけじゃなくて、打ち身、切り傷にも効果を発揮するんだろ?」
「もちろんやで?あと、解熱剤にも使えるんやで?風邪にも効くから、その彦助くんのお気に入りの遊女さんに渡して、好印象を与えておくんやで?」
「なんか話が噛みあってない気がするけど、まあ良いか。あとで竹筒をふたつほど準備しておくよ」
竹筒ふたつ分も河童くんの妙薬を欲しがるとは、傲慢な奴やで?彦助くんは。まあ、わいのヌルヌルの白い液体ちゃうし、わいが出すわけでもないから、ケチケチする必要はないわな。
「ほな、大体の事情説明も終わったところやし、そろそろ、【神の家】の屋敷に偵察に行きますかいな。慶次くんは目立つさかい、この長屋で千歳ちゃんの身を守っていてくれへんかいな?」
「おう、任されたんだぜ。もし、怪しい奴を見かけたら、殴っておくんだぜ!」
「そこは殴るんちゃうくて、縄でふんじばっておいてほしいところやで?ほな、千歳ちゃん。鳩のまるちゃんとネズミのこっしろーくんを借りていくんやで?」
「わかったっしー。夕食の準備でもしながら、ゆっくりと待っているっしー。四さま、気をつけて行ってくるっしー!」