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ー旅立ちの章 1ー 彼女をこよなく愛する戦国快男児

 わいは楮四十郎こうぞよんじゅうろう。わけあって、椿四十郎つばきよんじゅうろうから改名したんや。今は南蛮人のこよみで言うたら、1559年3月や。


 この日、ついにわいが仕える織田信長さまが尾張上四郡を治める故守護代・織田信安がかつて居城にしていた清洲城の北10キロメートル地点に位置する岩倉城を落としたんや!


 これで信長さまの念願であった尾張おわり統一をやっと果たせたわけなんや。いやあ、長かったやで。わいが、信長さまに仕え始めてからちょうど5年やさかいな。月日が経つのはあっと言う間やで。


 ひでよしくんはそこそこ活躍していたので、この戦いが終われば、足軽10人長から足軽30人長になるって噂があるやんな。で、わいと彦助ひこすけくん、田中くん、そして元奴隷で今は武士となった弥助やすけくんがひでよしくんの配下やから、順当にいけばわいがひでよしくんの隊の10人長になれる寸法ってわけや。


 やったぜ。これでお給金が増えるやで!千歳ちとせちゃん、今まで苦労かけてほんますまんかったやで。良い着物を千歳ちとせちゃんにプレゼントできずに、わい、本当に自分が情けない男やと想っていたんやで。ううう。


「あれ?よん殿、何を泣いているの、ですか?そんなに信長さまが尾張おわりを統一できたのが嬉しいの、ですか?」


よんさんの眼にも涙とはこのことなんだぶひい。手ぬぐいがあるから貸してやるんだぶひい。これでそっと涙を拭くと良いんだぶひい」


「ひでよしくん、田中くん、違うんや。わい、このいくさが終わったら、ひでよしくんが足軽10人長から足軽30人長に出世するらしいやんか?そしたら、わい、足軽10人長になれるやんか?そしたら、やっと千歳ちとせちゃんにも楽がさせられると想ったら、つい、涙がこぼれ落ちてしまったんやで?」


「おい、ひでよしさま。よんさんを足軽10人長に抜擢するって話、まじなの?そりゃあ、よんさんは48の寝技と52の得意技で俺たちの命を救いに救ってきた経緯があるけどさあ?でも、ここは俺こと飯村彦助いいむらひこすけが足軽10人長になるのが筋じゃねえの?この物語の主人公としてはだ」


「あ、あの?この物語の主人公は、少なくとも彦助ひこすけ殿では無いような予感が、しますよ?それは置いといて、よん殿はここ1、2年、心を入れ替えたように見せかけて、頑張ってきています、からね。私としてはよん殿が足軽10人長を担当してもらうのに問題はありま、せんよ?」


「さすが、ひでよしくんやで!わい、ひでよしくんと親友でほんま良かったと想っているんやで?わい、きみらと出会えてなかったら、千歳ちとせちゃんとも出会えてなかったんやで。わい、ほんま、千歳ちとせちゃんのことを愛しているんや。増えたお給金で、千歳ちとせちゃんを尾張おわり1の幸せ者にするんやで!」


「ハハハッ。よんさんの喜びはすなわち、弥助やすけたち皆の喜びなのデス。と言うわけで、信長さまの尾張おわり統一記念とひでよしさまの出世(予定)の前祝いと、よんさんの結婚前祝いをしまショウヨ」


「おっ。さすが、弥助やすけだぜ。で、今日はどこの遊女の店で前祝いをするんだ?俺、やっぱりおっぱいがご立派さまがそろっているところが良いと思うんだけど?」


「おっと、彦助ひこすけ。口には気をつけるんだぶひい。僕たちは遊女の店でイチャイチャするために行くんじゃないんだぶひい。そんなことしたら、僕、嫁さんに埋められて、すまきにされて、しばかれるんだぶひい」


「おっと、すまねえ、田中。そうだったよな。まさかあの風花さんがあそこまで嫉妬深いなんて想ってなかったぜ。いやあ、俺、独身貴族で良かったわあ。色んなおっぱいを堪能できるからなあ!」


彦助ひこすけさん、いい加減、お嫁さんをもらって落ち着く気はないのデスカ?」


「あ、あの。弥助やすけ殿?彦助ひこすけ殿は未だに彼女が居ない歴イコール年齢なん、ですよ?彼は彼なりに現実逃避をしているの、です。現実とはつらいもの、ですね。椿さんとはあんなことになってしまう、なんて」


「えっ?椿?誰それ?俺、しらないぞ?」


「あれは痛ましい事件だったぶひい。あの事件のせいで彦助ひこすけの心に深い傷を作ってしまったんだぶひい」


「せやなあ。あれから彦助ひこすけくんは遊女通い。げふんげふん。遊女たちの貧困調査がお盛んになってしまったやんかな?わい、彦助ひこすけくんには同情するんやで?」


 彦助ひこすけくんとは仲の良い女友達がおったんやんな?その娘の名前は椿なんや。その娘の同僚で親友って言ったらわからんのやけど、千歳ちとせちゃんと言う娘がおったんや。わいは、その千歳ちとせちゃんと仲良くなって、付き合い始めて早3年の月日が流れていたんやで。


 彦助ひこすけくんと椿くんの恋愛物語がどうなったのか気になるひとは【戦国転生 馬鹿と猿の奏鳴曲ソナタ】を読んでくれやで?


 わいの物語は、千歳ちとせちゃんとのイチャラブ展開や!18歳未満禁止にならないよう、気をつけるんやで!


「おい、彦助ひこすけよんさんが妄想界に旅立ったんだぶひい。お前の馬鹿をよんさんにうつすなぶひい。あれでも、僕たちの中では数少ない常識枠なんだぶひい」


「う、うるせえ!大体、よんさんのどこが常識枠なんだよ!よんさんが常識枠だったら、宗教狂いの弥助やすけまで常識枠になっちまうだろ!」

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