第8話 VSホワイトベア
ホワイトベア。真っ白な熊。名前が思いつきませんでした。
俺と楓は新しいダンジョンへ向かっていた。
スライム広場の次は色彩の森。色鮮やかなモンスターが特徴のダンジョンだ。木々に囲まれたけもの道を進んでいく。ダンジョンのマップは俺が知っているマップと同じらしく、道に迷う心配はない。
「スライムを倒したいという意味ではなく、まだ見た目がマシなモンスターのほうが良いですが、それとは別に、安全にいくならスライムを倒した方が良いのでは?」
道を歩く中、楓が聞いてきた。
「スライムはレベル1以外では経験値が入らないんだ」
「そうだったんですね」
「それに、アイテムドロップをまだ確認していないから、アイテムドロップをするモンスターも倒したいのが本音かな」
「ああ、なるほど。アイテムですか。今から倒す敵はどんなアイテムを落とすのですか?」
「カラの実」
「カラの実ですか? 何に使えるのですか?」
「報酬が回復アイテムのクエストを達成するために必要なアイテム」
クエストの存在は確認していないが、多分あるだろう。
そんな会話をしていると、目当てのモンスターが出てくる。
ホワイトベア。真っ白な熊だ。レベルが2になったときの適正モンスターである。
「俺が倒すから、楓は隠れていて」
「分かりました!」
元気よく返事をしたと思ったら、楓は木の後ろにダッシュして隠れた。なんて素早い。
何度かホワイトベアに攻撃をして、無事倒した時、目の前にアイテムドロップの文字が現れた。慌ててイベントりを開くと、カラの実が一つ増えていた。
「やりましたね!」
楓が現れたと思ったら、俺の目の前まで来ていた。
「楓。次は君が倒す番だ」
「絶対に嫌です!」
なんて元気な拒否なんだろう。