第6話 お願い
主人公と楓さんの会話を書いているときが一番楽しい。
俺はスライムに襲われようとしていた女性を無意識に助けてしまった。
そこまでは良い。何より、他の人間に出会えたことがうれしかった。
ただ。
「ありがとうございます。本当に助かりました」
女性、SINSINさんはそう言って俺に握手を求めてきた。
俺は思わず受けてしまう。
なんて綺麗な人なんだろう。という感情はあったが、何より、ゲームをプレイするような人には見えなかった。
だから俺は聞いてしまう。
「えっと、SINSINさん? も、気づいたらこのゲームの世界に?」
「はい。そうです」
「このゲームのプレイ経験は?」
「プレイ経験? いえ、ありません」
SINSINさんの言葉に、俺は驚いた。
プレイしたことがない人間も、この世界にいることになってしまう。
「そうだ。私のことは楓と呼んでください。これから長いお付き合いになると思います」
SINSINさん、あらため楓さんの言葉に俺はああと心の中で悲観する。
その言葉の続きが予想できたからだ。
「そして、お願いがあります。私にこのゲームについて教えてください」
ゲーム開始早々、お荷物を持ってしまうことになりそうだ。
※一応ですが、楓さんはゲーム経験者ですが、訳あって、していないと言いました。